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「iTunes Store一強」は今や過去? 2016年音楽配信&ラジオ最新事情
2016年7月8日 06:00
音楽配信の代名詞的存在である「iTunes Store」が日本でサービスを開始したのは2005年8月のこと(当時の正式名称は「iTunes Music Store」)。それから約11年が経過し、その周囲の様相はガラリと変わった。今回は「定額配信」「ハイレゾ」「ラジオ」をキーワードに、音楽(ないし音声コンテンツ)配信の現状を振り返っていこう。
月1000円で聴き放題! 定額配信サービス
iTunes Storeがそうであるように、音楽をダウンロード購入するにあたっては1曲100~200円、アルバム1枚1000~3000円前後を支払うのが普通だった。だが2016年現在は、月1000円程度の料金を支払うと、数百万曲単位の楽曲がストリーミングで聞き放題となる「定額配信」サービスが非常に増えている。PCやスマートフォンなどマルチデバイス対応もほぼ当たり前だ。
定額配信サービスを比較する上でのポイントは、なんといっても楽曲ラインアップだ。そもそも楽曲を登録していない超・大物アーティストは別として、聞ける曲は各業者ごとちょっとずつ異なる。無料体験(おおむね1カ月間)を活用して、興味のある曲がどれくらいあるか、調べてみるのがオススメだ。
Google Play Music
https://play.google.com/store/music
Android端末でおなじみのGoogleが擁するコンテンツ配信プラットフォーム「Google Play」。ここではアプリやビデオとならんで、音楽のデジタル販売が行われている。1曲単位での購入も可能だが、注目すべきは「定期購入」だろう。月額980円(税込)の料金で数百万曲を無制限に聴取可能。洋楽はもちろん、AKB48やきゃりーぱみゅぱみゅ、三代目 J Soul Brothersといった邦楽もラインナップされている。懐かしいところではYMOなども。
Apple Music
http://www.apple.com/jp/music/
運営元はAppleだが、iTunes Storeとは別の枠組みで提供されている。月額料金は980円(税込)。iOSやMacに加え、Windwos PC、さらにはAndroid端末向けにも聴取用アプリが公開されている。必ずしもアップル製ハードウェアを持っていなくてもOKという訳だ。無料試用期間は3カ月間とかなり長め。
Amazon Prime Music
http://www.amazon.co.jp/primemusic
Amazon.co.jpの会員制度「Amazonプライム」を年額3900円(税込)で契約しているユーザーには、送料優遇などのさまざまな特典があるが、100万曲以上の楽曲が聞き放題となる「Prime Music」も含まれる。買い物履歴をもとにした、聞き放題楽曲のレコメンド機能もあり。ラインナップでは洋楽・邦楽のほか、アニメ/ゲーム関連も目立つ。
LINE MUSIC
https://music.line.me/
無料メッセージ・通話アプリ「LINE」から派生。30日間有効の無制限プランは960円だが、月20時間までだけ聞ける「ベーシックプラン」を500円で用意してるのも大きな特徴だ(料金はいずれも税込)。
AWA
https://awa.fm/
サイバーエージェントとエイベックスの共同出資会社が運営する定額制音楽配信サービス。月額960円の「Standard」プラン、月額360円で楽曲スキップ回数を1時間あたり6回までに制限した「Lite」プランに加え、1カ月の最大聴取時間が60分までで無料の「Free」プランもある(料金はいずれも税込)。
KKBOX
https://www.kkbox.com/
2004年に台湾でスタートした定額制音楽配信サービス。かつてはauと親密だったが、現在はその関係性も薄れたようで、使用する携帯電話会社と関係なく、また、PC単独でも聞き放題を楽しめる。月額料金は980円。2940円の90日パッケージもある(料金はいずれも税込)。
レコチョクBest
http://recochoku.jp/best/
国内主要レコード会社と関係の深い、株式会社レコチョクが運営。邦楽を中心に約400万曲をそろえ、独占配信アーティスト・楽曲も多いとアピールしている。料金は月額980円(税込)。無料試用期間3日だが、本登録を行うと1カ月分の料金が無料となる。
dミュージック
https://www.nttdocomo.co.jp/service/dmarket/music_store/
上述の「レコチョクBest」はパートナー企業を通じた展開も図っており、ドコモ系の定額配信である「dミュージック」もその1つ。「dアカウント」を取得すれば、ドコモ携帯電話を契約していなくても利用可能。定額制の「月額コース」は月額934円(税別)。
ひかりTVミュージック
http://music.hikaritv.net/music/
こちらも「レコチョクBest」をベースとした定額音楽配信サービス。NTTぷららの映像配信サービス「ひかりTV」契約者向けに展開されている。「聴き放題」プランは月額980円(税込)。
Groove
https://www.microsoft.com/ja-jp/groove
マイクロソフトはかつて「Zune」「Xbox Music」などのブランドで音楽配信サービスを手がけていたが、現在は「Groove」へと一本化された模様。Windows 10搭載の「Windows ストア」などから楽曲を購入できる。海外では定額配信も実施しているとのことだが、日本は果たしてどうなる?
Spotify
https://www.spotify.com/
海外発祥の音楽サービスとしては恐らく最も著名なのが、スウェーデンの「Spotify」だ。ついに日本参入を果たすとみられ、実際にSpotifyのウェブサイトへアクセスすると、サービス開始通知メールの受付も行っている。海外では広告付き無料プランも展開中とのこと。
圧倒的品質! ハイレゾ
かつてレコードがCDへと進化したように、PC・スマートフォン上で取り扱われる楽曲ファイルもまた、高音質化への道をひた走っている。これは「ハイレゾ(High-Resolution)」と呼ばれ、ファイル容量が大きくなる代わりにサンプリング周波数やビットレートを向上させている。このため、物理メディアを使わずに直接ネットでダウンロード販売する方法が主流だ。
ハイレゾで音楽を楽しむには、ハイレゾに対応した再生機器や出力装置(ヘッドホン/スピーカー)も必要となる。ここからは、ハイレゾ音源の配信サイトをご紹介しよう。
mora ハイレゾ
http://mora.jp/index_hires
ソニー・ミュージックエンタテインメントの子会社であるレーベルゲートが運営。携帯音楽プレーヤー「ウォークマン」との親和性が高いが、iOSないしAndroid端末でも専用アプリを通じてハイレゾ音源を楽しめる。気になる価格だが、1曲500円、アルバム1枚3000円というのが標準的。なお、ハイレゾではない標準品質の楽曲も配信中。
music.jp ハイレゾ
http://music-book.jp/music/hireso
モバイル向けコンテンツ配信を数多く手がけるエムティーアイが運営。ハイレゾ音源のファイルフォーマットは各種あるが、その中でもポピュラーな「FLAC」をmusic.jpでは全面的に導入している。ファイルサイズの目安は5分(96kHz/24bit)で約100MBほど。
e-onkyo
http://www.e-onkyo.com/music/
ハイレゾ音源だけを専門的に販売・配信する。運営元は、「e-onkyo」の名の通り音響機器大手であるオンキヨーの子会社。ハイレゾ音源対応のiOSアプリとして「Onkyo HF Player」を有料配信しているが、そのほかWindowsやAndroidでは汎用アプリが流用可能。もちろん、ハイレゾ対応のアンプやヘッドホンのご用意をお忘れなく。
VICTOR STUDIO HD-Music.
http://hd-music.info/
ビクター系のハイレゾ音源配信サイト。他レーベルの楽曲も取り扱っており、例えば「いきものががり」(ソニー系)のベストアルバムなども購入可能。楽曲のダウンロードは、購入後30日間に限り、最大10回まで。
オリコンミュージックストア ハイレゾ
http://music.oricon.co.jp/php/highreso/
エンタメ系コンテンツのランキングで知られるオリコンの音楽配信サービス。ハイレゾ音源も手がけており、国内メジャーアーティストやアニメソングなどが多数ラインナップされている。ファイル形式は主にFLAC。
OTOTOY
http://ototoy.jp/
DRMフリー(著作権管理技術が施されていない)楽曲だけを配信するサービス。楽曲ラインアップはタグで管理されいるので、検索フォームから「ハイレゾ」「WAV」などと入力すれば対象楽曲が見つかる。サイト全体の傾向として、インディーズ系アーティストの楽曲を中心にラインアップしている。
HQM STORE
http://www01.hqm-store.com/
ハイレゾ音源としてFLACおよびALAC(Apple Lossless Audio Codec)形式のファイルを販売する。なお、ALACの楽曲については「HQM クラウド・サービス」の対象となる。iOS端末に対し、購入した楽曲をクラウド経由で好きな時にダウンロードし、再生できる。
groovers
http://www.groovers.co.jp/
携帯音楽プレーヤーで知られるアイリバーの傘下企業によるハイレゾ音源配信サイト。邦楽、アニメソング、洋楽、クラシックなどを幅広く取りそろえる。インタビューなどの読み物も充実。
GIGA MUSIC
http://www.giga.co.jp/sp/hires
着メロ配信などを源流とするフェイスの関連会社が運営。芸能ニュースの掲載に加え、各種楽曲のダウンロード販売を手がける。ハイレゾ音源はメジャーレーベルの作品が中心。4月には「ヒデとロザンナ」「いしだあゆみ」らの旧作品をハイレゾ化し、独占先行配信した。
ソニー ハイレゾとは?
http://www.sony.jp/high-resolution/about/
ハイレゾって言われても、まだちょっとよく分からない。そんな時は各種の解説ページを読んでみよう。ソニーのサイトでは、ファイル形式はもちろん、kHzとbitの意味などもよく分かる。また、実際のサンプルを用いた聞き比べコーナーもあり。
日本オーディオ協会 ハイレゾロゴ 定義と運用
http://www.jas-audio.or.jp/hi-res/definition
ハイレゾ音源は、一般的に「サンプリング周波数」「量子化ビット数」が高いものを指す。しかし、○○kHz以上、○○ビット以上といった定義が曖昧な時期があったため、業界団体が具体的な取り決めに乗り出した。オーディオ機器メーカーが多数参画する日本オーディオ協会では、一定の要件を満たしたハイレゾ機器に対して、推奨ロゴの表示を認めているので、製品選びの参考にするといいだろう。
ますます多様化する「ネットラジオ」の楽しみ方
インターネットにおけるラジオ配信は、それこそ1990年代から脈々と続いている。しかも技術発展の甲斐あって、高音質化し、ポッドキャストのような配信形態の発明を経て、今ではモバイル端末から遠慮なくストリーミング再生できるようになった。
また、一口にラジオと言っても形態はさまざまだ。AM/FM放送局の番組をネットで同時配信したり、オンデマンド配信したり、ネット配信限定のオリジナル番組が制作されたり……。さらに、前述のApple MusicやGoogle Play Musicでは、DJ感覚で次々と楽曲を連続再生する機能があり、これもラジオと呼ばれる。ネットで音声コンテンツを楽しむ手段は、今後ますます多様化していきそうだ。
TBSラジオクラウド
https://radiocloud.jp/
首都圏のラジオ局であるTBSが、人気コンテンツであったポッドキャストを完全終了した一方で立ち上げた新サービス。放送中の番組の一部について、音声ファイルをダウンロードするのではなく、ストリーミングで配信する。聴取期限が明確に定められているため、取り回しの面ではポッドキャストと比べて不利だが、アプリ不要で再生できるといったメリットも。
i-dio
http://www.i-dio.jp/
アナログテレビ放送の停波に伴って空いたV-Low帯を使ってマルチメディア放送を行う。映像、音声、データなどさまざまなコンテンツを配信できることから、運営元自ら「第3の放送」を謳う。7月1日公開された新バージョンアプリ(iOS/Android)を利用すれば、専用の機器不要で聴取できる。ただし、放送エリア制限はそのまま適用される。
Rakuten.FM
http://rakuten.fm/
通販でおなじみの楽天が7月1日に立ち上げたばかりのラジオ配信プラットフォーム。独自チャンネルの「Crimson FM」を筆頭に、音楽やライフスタイル関連のチャンネルを多数そろえる。専用スマートフォンアプリも配信中。
radiko.jp
http://radiko.jp/
民放ラジオ局の番組を、放送と同時にネット聴取できるサービスとして、すでにおなじみ。無料版では放送エリアに準じた配信エリア制限が厳密にあるが、月額350円(税別)のプレミアム会員に登録すれば、エリアフリー化される。
NHKネットラジオ らじる★らじる
http://www3.nhk.or.jp/netradio/
NHKのラジオ放送をネットで聞きたいときはこちら。AM第1、AM第2、FMの3局から選んで聞ける。聴取エリアを仙台、東京、名古屋、大阪の4つから任意に選択可能。
Amazon プライムラジオ
http://www.amazon.co.jp/primeradio
こちらも「Amazonプライム」会員向けの特典。完全無料ではないものの、すでにAmazonプライムに加入している人にとってはハードルが低いのが嬉しい。J-POP、ロック、ブルースなどのジャンルを選ぶだけで、あとは次々と音楽を再生してくれる。
ListenRadio(リスラジ)
http://listenradio.jp/
music.jpのエムティーアイ運営。邦楽、洋楽、アニソン、ヒーリングミュージックなどを各チャンネル別の編成に則って24時間無料配信する。また、各地のコミュティFM局の放送も聴ける。
TuneIn
http://tunein.com/
サンフランシスコに本社を置くTuneIn社が運営。スマホのアプリ、あるいはPCブラウザーから聴取できる。登録されているチャンネルの多くは海外のものだが、日本のコミュニティFMなどもいくつか登録されているようだ。
PrimeSeat
http://primeseat.net/ja/
Windwos/Mac向けのハイレゾ音源配信サービス。ダウンロード型の楽曲単体販売事業者と異なり、タイムテーブルに沿って各種番組が配信される。クラシック番組が非常に豊富。
block.fm
http://block.fm/
ヒップホップやレゲエ、テクノなどの番組を主軸とするネットラジオ局。音楽配信にとどまらず、トーク主体の番組もある。基本的にはタイムテーブルに則って番組を配信していくが、一部番組はオンデマンドでの聴取も可能。
音泉
http://www.onsen.ag/
アニメ番組関連のオリジナルラジオ配信サイトとしては老舗中の老舗。番組数が非常に多く、放送回数500回を超える番組もちらほら。オンデマンド配信が主体だが、生放送や動画番組も少々ある。
超!A&G
http://www.agqr.jp/
http://ondemand.joqr.co.jp/AG-ON/
ラジオの文化放送による、アニメ・声優関連の番組配信サイト。radiko.jpとはまた別に、番組表ベースのネット配信チャンネル「超!A&G」が存在する。なお、姉妹サイトの「AG-ON」は有料でのオンデマンド配信が主体。
LISMO WAVE
http://www.au.kddi.com/mobile/service/smartphone/lismo/lismo-wave/
au携帯電話利用者向け。全国のFM放送局52局の放送を、エリア制限に関係なく聴取できる。最近はradiko.jpプレミアムもあるが、LISMO WAVEはauスマートパス会員(月額372円、税別)ならば追加料金なしで聞ける。
ドコデモFM
http://www.docodemo.fm/
全国39局のFM放送をネット配信中。ドコモの「スゴ得コンテンツ」会員に月額380円(税別)で入会していれば、やはり追加料金負担なく放送を聞くことができる。
ポッドキャストQR
http://www.joqr.co.jp/podcast/
文化放送のポッドキャスト番組集。昼ワイド番組の「大竹まこと ゴールデンラジオ!」のほか、「いとうせいこう×みうらじゅん ザツダン+」などを配信。TBSがポッドキャストを終了しても、文化放送にこれだけの勢いがあれば安心だ?!
TOKYO FM Podcasts&WEBラジオ
http://www.tfm.co.jp/podcasts/
TOKYO FMのオンライン配信コンテンツが並ぶ。ポッドキャスト番組としては、政府広報系の「秋元才加のWeekly Japan!!」などがある。平日夕方放送の報道系番組「TIME LINE」については、放送終了後1週間限定のストリーミング配信を実施中。
ラジタル
https://www.radital.jp/
ニッポン放送による番組アーカイブ配信サービス。「AKB48のオールナイトニッポン」「ザ・ボイス そこまで言うか!」などがストリーミングで聞ける。ある意味において、TBSラジオクラウドの先駆けかも?
dヒッツ powered by レコチョク
https://www.nttdocomo.co.jp/service/dmarket/hits/
ドコモ系のサービスだが、dミュージックの月額コースとは異なり、あらかじめ設定されたチャンネルごとに、所定の順で楽曲が配信される。月額料金は500円(税別)。毎月10曲まで好きな曲を登録しておき、好きなタイミングで聞ける「myヒッツ」機能もあり。対応端末はスマホやタブレット。
うたパス
http://www.au.kddi.com/content/utapass/
au携帯電話契約者限定サービスながら、月額300円(税別)とかなり安価。楽曲ラインアップは200万曲を謳っており、これが規程の順番で再生される。聞くにはauスマートフォンが必要。