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防災週間に考える~今日からできる台風・大雨・地震対策
8月30日から9月5日までの7日間は「防災週間」、9月1日は「防災の日」だ。毎年この時期には、各地で大規模な防災訓練や、災害対策の啓発イベントが行われる。制定の由来となったのが、1923年9月1日の関東大震災であることはご存じの方が多いだろうが、この時期は台風のシーズンでもあり、台風への警戒を呼びかける狙いもあるようだ。今回は、最新気象情報のチェックや、防災知識の習得に役立つウェブサイトを見ていこう。
●台風・大雨情報をいち早く確認! 気象情報サイト
秋になるとまず気になるのが台風だ。また近年は夏場であっても、局所的集中豪雨に注意する必要がある。これら大雨や強風への備えとして、第一にチェックすべきなのが気象情報サイトだ。各サイトとも、最新の情報をわかりやすく伝えるべく、独自の工夫を行っている。
◆気象庁 防災気象情報
http://www.jma.go.jp/jma/menu/flash.html
台風や大雨に限らず、ありとあらゆる防災情報をとりまとめているのが気象庁。こちらのページからは、普段の気象警報・注意報はもちろん、洪水、土砂災害、竜巻、さらには火山の噴火まで、さまざまな気象情報をチェックできる。情報源として、ぜひ覚えておきたいサイトだ。
◆気象庁 台風情報
http://www.jma.go.jp/jp/typh/
前述の気象庁による、防災情報源の1つ。現在発生中の台風の予測進路や勢力、瞬間最大風速などを一目で確認できる。情報のアップデートは3時間ごと。その時点での実況値だけでなく、2日先の存在地域予報もチェック可能だ。
◆tenki.jp 台風情報
http://tenki.jp/typhoon/
一般財団法人の日本気象協会が運営する天気予報サイト「tenki.jp」。防災情報のページで、最新の台風情報を伝えている。予報図とともに、天気予報番組風のコメントも読めるのが特徴。地図をクリックすれば、より狭い範囲の予報図を参照可能だ。
◆ウェザーニュース 台風情報
http://weathernews.jp/typhoon/
ドラッグ&ドロップによる地図スクロールに対応した台風情報サイト。予報円にカーソルを合わせると、その段階での勢力や最大瞬間風速があわせて表示される。また、過去10年間に発生した台風の進路を網羅した「過去台風データベース」も公開中だ。
◆Yahoo!天気情報 台風情報
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/typha.html
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/typhoon/typheye.html
ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」の気象情報サイト。「台風情報」のページでは、天気予報番組風のオーソドックスな予報を公開中。衛星画像や天気図のオーバーレイ表示にも対応する。一方「台風EYE」のページからは、雨雲の動き予想に加え、降雨量や落雷の実況値など、より踏み込んだ情報にもアクセス可能だ。
◆goo天気 台風情報
http://weather.goo.ne.jp/typhoon/
ポータルサイト「goo」でも気象情報を公開中。台風情報の特設ページはシンプルな構成が特徴で、進路や勢力の予想を1枚の画像にわかりやすくまとめている。
◆デジタル台風
http://agora.ex.nii.ac.jp/digital-typhoon/
毎年発生する台風について、その気象衛星画像などを学術的な見地から収集するという研究プロジェクト。いわゆる予報ではないため、今後どのような進路をとるかといった情報は提示されないが、時間の経過とともに台風がどのように発達・減衰していくかがよく分かる。
◆リアルタイムナウファス
http://nowphas.mlit.go.jp/
国土交通省港湾局などが運用している沿岸波浪情報網「NOWPHAS(ナウファス)」の観測データをリアルタイムに参照できるサイト。例えば、静岡県の下田港にどれくらいの高さの波が達しているかが時系列でわかる。
◆国土交通省 川の防災情報
http://www.river.go.jp/
同じく国土交通省のサイトだが、こちらは全国各地の実測雨量をいち早く伝えるのが目的。また関連情報として、ダムの貯水量や放流予告、洪水予報(氾濫注意情報など)の発表も行っている。
◆リアルタイムレーダー(国土交通省 防災情報提供センター)
http://www.jma.go.jp/jp/contents/
こちらも国土交通省が運営。インターネット経由でのよりわかりやすい防災情報提供を目的に設立されたサイトで、主たるコンテンツとして「リアルタイムレーダー」「リアルタイム雨量(広域版)」の2種類を掲載中。レーダーで観測した雨の強さ、雨量の速報値(実況値)を地図上に重ね合わせてチェックできる。
◆東京アメッシュ
http://tokyo-ame.jwa.or.jp/
東京近郊の雨量を5分間隔という非常に短いスパンで伝えるのが特徴。東京都下水道局が運用している。「レーダー雨量計」という観測システムが用いられており、電波の反射を利用して降雨の強さを判別。さらに地上に設置した降雨計を併用することで、情報の正確さを補正する仕組みという。
◆東京電力 雨量・雷観測情報
http://thunder.tepco.co.jp/
東京電力が関東1都6県および静岡・新潟・福島で収集している雨量データの閲覧が可能。トップページのプルダウンメニューから地域指定ができるだけでなく、雷雲および落雷のデータを同時表示させるかも選択可能だ。
●地震・津波情報の入手には
気象庁および気象情報サイトでは、台風や大雨の情報と同様、地震や津波についての情報も積極的に公開している。常用する地震情報サイトをブックマークに登録しておけば、なにかと役立つはずだ。
◆気象庁 地震情報
http://www.jma.go.jp/jp/quake/
http://www.jma.go.jp/jp/quake/quake_sindo_index.html
全国で発生した地震の情報を逐次伝える。ページ中ほどの「前の情報」「次の情報」ボタンを押せば、次々と連続して情報を確認可能。また「震度速報」というページも別途用意されており、こちらは震度3以上の地震をリスト化している。
◆NHK 地震・津波情報
http://www.nhk.or.jp/sokuho/
NHKによる地震速報。テレビ放送での速報とほぼ同じ画面で、各地の震度がチェックできる。また、津波予報のページは独立しており、現時点でそもそも津波注意情報があるかどうかを一目で把握可能だ。
◆tenki.jp 地震情報
http://tenki.jp/earthquake/
http://tenki.jp/tsunami/
各地の震度を、衛星写真上にオーバーレイ表示させる形式で伝える。震源地、津波の心配があるかどうかもあわせて表示される。また「ブログに紹介する」ボタンを押すと、震度分布図をブログに貼り付けるためのURLが発行される。なお、津波情報の専用ページもある。
◆Yahoo!天気情報 地震情報
http://typhoon.yahoo.co.jp/weather/jp/earthquake/
トップページのプルダウンメニューから、全国もしくはブロック別に震度を確認可能。また、ページ下部からは過去5000件分もの地震履歴をチェックできる。ほとんどが震度2未満の小規模なものだが、日本における地震の多さを改めて実感することだろう。
◆ウェザーニュース 地震情報
http://weathernews.jp/quake/
過去7日間分の地震情報を随時閲覧可能。速報も行っており、リストから選択すると震源や最大震度がわかりやすく表示される。なお「東日本大震災 特設サイト」では、被災地の空模様を写真付きで紹介。余震発生時の注意点などにも言及している。
◆goo 天気 地震情報
http://weather.goo.ne.jp/earthquake/
過去3日分の地震データがいつでも閲覧できる。震源地や最大震度の情報とともに、津波の心配があるかどうかをかならず表示してくれるのも特徴だ。
◆気象サービス 地震情報
http://www.weather-service.co.jp/weather/earthquake/
株式会社気象サービスが運営している天気予報サイト。日々の空模様、台風などに関する予報とともに、地震情報も伝えている。地震発生時刻リストから項目を選択すると、テキストベースの震度情報を表示してくれる。
◆防災科学技術研究所 Hi-net 高感度地震観測網
http://www.hinet.bosai.go.jp/
独立行政法人「防災科学技術研究所」(茨城県つくば市)が運用している地震観測網の情報を閲覧できる。トップページでは、マグニチュード2.5以上の地震についての震度情報を随時公開。また、最近発生した比較的大規模な地震については、その解説文を後日掲載している。
●災害対策の基礎知識を学ぶ
台風、大雨、地震、津波の被害が目の前に迫った時、焦らずに正しく行動する。そのためには、やはり常日頃から災害への意識を高めておく事が必要だろう。この項では、官公庁や地方自治体、防災関連企業などがまとめた災害対策ノウハウ集をチェックしていこう。災害伝言板、緊急地震速報などITを活用したツール系のサービスもこちらにまとめた。
◆内閣府 防災情報のページ
http://www.bousai.go.jp/
http://www.bousai.go.jp/gyoji/bousaiweek.html
内閣府による総合的な防災情報ページ。現在は、東日本大震災関連の情報発信を積極的に行っている。防災に向けた取り組みを進める上でのノウハウ的な内容は「みんなで防災」のページから参照できる。「防災の日」「防災週間」制定の理由も別途記載されているので、改めて確認しておくのもいいだろう。
◆総務省消防庁 生活密着情報
http://www.fdma.go.jp/html/life/
おもに一般市民を対象とした生活関連ノウハウ集。「地震などの災害に備えて」の項目では、「わたしの防災サバイバル手帳」をはじめとしたPDF形式の資料に加え、児童向けの学習教材、非常持ち出し品チェックシートなどを含む「防災マニュアル」など、多数のコンテンツを掲載中だ。
◆NHKボランティアネット 防災もの知りノート
http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/bousai/
NHKが運営しているボランティア関連の情報サイト。いざという事態への備えとして、地震、台風、大雨、噴火などにどう対処すべきか、イラスト付きで解説している。
◆消防防災博物館
http://www.bousaihaku.com/
財団法人消防科学総合センターが運営しているバーチャル博物館。消防の歴史を学べるだけでなく、「もしもに備える」「風水害の基礎知識」など、大人でも十分役立つ防災コンテンツが揃っている。東日本大震災関連の資料も多い。ちなみに、東京・四谷にある「消防博物館」は東京消防庁が運営する施設。
◆東京都防災ホームページ
http://www.bousai.metro.tokyo.jp/
東京都による防災情報サイト。都民以外でも読んでおきたいのが「わが家の対策」。風水害が発生した時は、外出中に地震に遭ったらどうするか、といった具体的なシチュエーションに応じたアドバイスを掲載している。
◆防災首都圏ネット
http://www.9tokenshi-bousai.jp/
東京・神奈川・千葉・埼玉および首都圏近郊の5つの政令指定都市で構成される組織。こちらのサイトでは、参加自治体がどのような政策を進めているか説明している。大都市圏ならではの問題と言える災害時帰宅困難者への支援策については、特に多くのページを割いている。
◆昭文社 震災時帰宅支援マップ
http://www.mapple.co.jp/mapple/product/map/business/kitakumap.html
http://mapple-on.jp/products/kitaku/
地図出版大手である昭文社の書籍。その名の通り、東京近郊で大地震が発生した場合にどのようなルートで徒歩帰宅すべきか、あるいは諦めるべきかの判断材料を地図に集約している。8月には最新の3版が発行された。なお、iOS版も7月に発売済み。
◆国土交通省 ハザードマップポータルサイト
http://disapotal.gsi.go.jp/
「ハザードマップ」とは、自然災害の発生危険度を示した地図のこと。洪水、高潮、津波、土砂災害といった事由別に作成され、さらに各地の地方自治体が個別に発表している。こちらのポータルサイトからは、そもそも作成されているかも含めて、各地のハザードマップを手軽に検索できる。
◆Yahoo! JAPAN 防災速報
http://emg.yahoo.co.jp/
あらかじめ地域指定をしておくと、地震、電力利用状況、計画停電についての情報を無料で速報してくれるというサービス。携帯電話のメール、PCメール、Yahoo!メッセンジャーのいずれかで受信可能。今後は、津波、放射線、大雨などの気象情報の配信も行う予定。
◆防災@nifty
http://rescuenow.nifty.com/mobile/
プロバイダー「@nifty」が運営している情報料無料のケータイ向けサイト。地震、台風などの災害情報、交通機関の運行情報などが手軽に閲覧できる。
◆NTTドコモ 災害用伝言板
http://www.nttdocomo.co.jp/info/disaster/
大規模災害発生時のみに稼働する安否確認用掲示板サービス。電話番号、全角100文字までのコメントともに「無事です。」「被害があります。」「自宅に居ます。」などの状態を登録しておけば、他者から任意のタイミングで読んでもらうことができる。なお「防災週間」の一環として、10月1日まで体験サービスが開放されている。
◆au 災害用伝言板サービス
http://www.au.kddi.com/notice/saigai_dengon/
災害用伝言板サービスは、基本的に各電話会社ごとに運用されている。au(KDDI)電話の契約者はauの伝言板に書き込むといった具合だ。ただし2010年3月以降、登録された内容の検索については、電話会社を意識せずに行えるようになっている。なお、auでも11月15日まで伝言板体験サービスを開放中だ。Android端末用の専用アプリもリリース済み。
◆ソフトバンク 災害用伝言板
http://mb.softbank.jp/mb/service/dengon/
ソフトバンクによる災害用伝言板。やはり9月5日まで、体験サービスが利用できる。なお、iPhoneでも災害用伝言板を利用することは可能。ただし、あらかじめ専用アプリをダウンロードしておく必要がある。なお、ウィルコムやイーモバイルも、災害用伝言板を用意している。
◆NTT東日本 災害への取り組み
http://www.ntt-east.co.jp/saigai/
http://www.ntt-west.co.jp/corporate/disa.html
NTT東日本および西日本では、音声メッセージを預かる形式での「災害用伝言ダイヤル(171)」、PCからのテキスト・音声・画像投稿に対応した「web171」を緊急時に運用している。防災週間中は自由に体験できる。
◆気象庁 緊急地震速報について
http://www.seisvol.kishou.go.jp/eq/EEW/kaisetsu/
地震の初期兆候を検知し、地震波が到達する前に素早く専用端末や携帯電話宛に通知してくれるのが緊急地震速報だ。こちらのページでは、どういった手順を経て緊急地震速報が発表されるのか、また、受け取った側がどのように対応したらいいかが解説されている。
◆NTTドコモ 緊急速報「エリアメール」
http://www.nttdocomo.co.jp/service/safety/areamail/
地域指定型のメッセージ一括配信サービス。緊急地震速報だけでなく、国・地方公共団体による災害・避難情報の通知にも利用される。こちらのページからは、メッセージ受信時に鳴る実際のブザー音が聞ける。
◆アールシーソリューション
http://www.rcsc.co.jp/hp/
緊急地震速報を受信するには、端末側で対応していることが前提となる。このため、iPhoneや一部Android端末では受信できなかった。しかし、アプリを活用することで、ほぼ同様の機能を実現しようという試みが行われた。アールシーソリューションはそのアプリ「ゆれくるコール」の開発元。
●過去の実例から学ぶ
日本はこれまで数多くの災害に見舞われてきた。それだけに、過去の災害から学ぶことは殊の外重要と言えるだろう。新聞社や市民団体が公開している災害関連資料を読み解くことで、少しでも今後の災害対策に役立てたい。
◆神戸新聞 阪神・淡路大震災
http://www.kobe-np.co.jp/sinsai/
阪神・淡路大震災の被災地を拠点とする新聞社。1991年の震災発生以降、検証記事を毎年掲載している。写真や動画といった資料類も豊富だ。
◆阪神大震災を記録し続ける会
http://www.npo.co.jp/hanshin/
阪神・淡路大震災で被災した市民らが結成した団体。震災手記を公募し、10年に渡って刊行した。全10巻が絶版扱いとのことだが、ウェブサイトでは全文が無料公開されている。決してきれい事だけでは済まされない、震災復興の現実がうかがい知れる。
◆毎日jp 関東大震災 写真一覧
http://mainichi.jp/select/jiken/graph/kantodaisinsai/
1923年(大正12年)の関東大震災に関する写真集。地震発生後の航空写真、地震が発生した時に止まったままの時計台など、印象深い写真40点が閲覧できる。
◆関東大震災 地図と写真のデータベース
http://www.himoji.jp/database/db06/
神奈川大学が2008年まで実施していた研究プログラム「人類文化研究のための非文字資料の体系化」の一環で公開された資料。関東大震災発生時の地図をもとに、地点ごとに整理された写真を見ることができる。解説記事も豊富。
◆横浜市立図書館 関東大震災を調べる
http://www.city.yokohama.lg.jp/kyoiku/library/shinsai/
関東大震災と言えば東京中心部の災害と想起しがちだが、横浜でも火災などの大きな被害があったという。横浜市立図書館では、関連の資料をインターネット向けに公開中。被害範囲を示した地図、震災後の様子を伝える風刺画などが閲覧できる。
◆中央防災会議 災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 1896 明治三陸地震津波
http://www.bousai.go.jp/jishin/chubou/kyoukun/rep/1896-meiji-sanrikuJISHINTSUNAMI/
東北地方の三陸沿岸は、津波被害に度々襲われている。特に代表的な津波として語られるのが、1896年(明治29年)の「明治三陸地震津波」だ。死者約2万2000人という。中央防災会議の広報誌でも、この津波に関する特集が2005年に掲載された。当時の復興の様子などがまとめられている。
◆東南海・南海地震とは?(国土交通省 四国地方整備局)
http://www.skr.mlit.go.jp/bosai/jishin/tounannkai/jishinntoha.html
三陸沿岸に限らず、日本を襲った津波としてもう1つ知られているのが、1960年の「チリ地震津波」。南米チリ沖で発生した地震による津波が、約22時間後に日本へ押し寄せたという。国土交通省 四国地方整備局のホームページで、そのあらましが解説されている。
◆伊勢湾台風50年連絡会(国土交通省 中部地方整備局)
http://www.cbr.mlit.go.jp/kawatomizu/18.htm
これまでの国内台風被害の特に著名なのが1959年9月の「伊勢湾台風」。50周年にあたる2009年には、被害の大きかった東海地方各地でシンポジウムや写真展が行われた。現在でも、関連行事で展示された写真資料などがホームページから見られる。
(2011/9/2)
[森田 秀一]