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東日本大震災から4カ月、今からできるボランティア・募金を考える
東日本大震災の発生から約4カ月が経過した。地震と津波の被害はいまだ根深く、倒壊した建物の対応や避難所の運営などさまざまな部分でボランティアの手を必要としているという。しかし、被災地から遠く離れた場所に住まう者の中には「どこに、どんな心構えで足を運べはいいのかわからない」という本音をお持ちの方もいるだろう。
当初から、被災地の完全復旧には数年~十数年の時間がかかると指摘されている。復興税などの特別法を制定しての国家的対応も見込まれているが、牡鹿半島など比較的最近になって被害の実態がわかってきたところもあり、ひきつづき民間支援も必要さと言われている。今回は、おもに現地から発信されているボランティア募集情報、義援金や支援物資の受付窓口などを改めてご紹介する。
義援金を寄付する、近年著しく進化したネットインフラや通販物流を活用する、ボランティアに参加するなど、支援の形はひとつではない。自分が無理なく支援できる方法を選ぼう。
●ボランティア募集の現状を知る
まずは政府や地方自治体、民間の有志団体らによるボランティア情報ページを見ていこう。全般的な傾向として、ボランティアの募集自体は各地で行われているが、具体的な作業内容は現地で臨機応変に決められることが多いようだ。ボランティア初心者向けのガイダンス記事も参考にするといいだろう。
◆全社協 被災地支援・災害ボランティア情報
http://www.saigaivc.com/
正式名称「社会福祉法人 全国社会福祉協議会」による、災害ボランティアについての情報サイト。ボランティア活動に出かける前に、まず考慮すべき事項を例示している。具体的には、滞在場所の確保、服装の準備、ボランティア保険への加入などが重要という。また、被災地の各ボランティアセンターにおける人員募集状況を各種PDFファイルで公開している。
◆助けあいジャパン
http://tasukeaijapan.jp/
内閣官房 震災ボランティア連携室と協力しつつも、あくまでも“民間発”というスタンスで災害復興をフォローしていこうというプロジェクト。「ボランティアしたい」「物資を送りたい」「地元産業を応援したい」などのテーマ別に外部サイトを紹介しつつ、ボランティア初心者向けのガイド記事やQ&A集を掲載する。
◆首相官邸ホームページ 東日本大震災への対応 支援をお考えの方へ
http://www.kantei.go.jp/saigai/note3.html
首相官邸ホームページでは「被災された方へ」「国民の皆様へ」のページと並んで、おもにボランティアや寄付を検討している人に向けた「支援をお考えの方へ」という情記事公開中。ボランティア募集のあらましや、各官庁の対応窓口などがシンプルにまとめられている。
◆Yahoo!ボランティア
http://volunteer.yahoo.co.jp/
ポータルサイト「Yahoo! Japan」が社会貢献事業の一環として提供するボランティア情報サービス。活動場所やキーワードを条件に、ボランティア募集情報を検索できる。東日本大震災関連はもちろん、その他の一般的なボランティアについての募集も行われている。
◆ニコニコボランティア
http://volunteer.nicovideo.jp/
動画サイト「ニコニコ動画」でも、東日本大震災関連のボランティア募集情報を掲載中。出発地域のほか、現地滞在期間でも情報を絞り込める。また、個別の情報ページからは予定スケジュールや申込先などが確認できる。
◆ボランティアインフォ
http://volunteerinfo.jp/
ボランティア希望者と、ボランティアを欲している団体のマッチングのために、募集情報データベースを運用中。募集地域、活動時間、受付場所、募集規模などがリスト化されている。
◆宮城県 長期的・継続的なボランティア活動のお願い
http://www.pref.miyagi.jp/syahuku/saigaivc_gw/
ボランティアの募集状況は、被災した各県のホームページでもチェックすることが可能だ。宮城県では、募集実務を担う宮城県災害ボランティアセンターおよび仙台市災害ボランティアセンターを通じて情報公開している。
◆福島県災害ボランティアセンター
http://www.pref-f-svc.org/
福島県内でのボランティア活動希望者向け情報サイト。活動状況レポートを写真付きで多数掲載している。ボランティア募集状況については、各市町村単位で設置されているボランティアセンターでさらに詳しく確認できる。
◆いわき市災害救援ボランティアセンター
http://www.city.iwaki.fukushima.jp/10327/10354/010379.html
福島県いわき市内では、現在2つのボランティアセンターが活動を続けている。こちらのページでは受付場所や受付時間、ボランティア募集要項などが確認できる。また、両センターとも独自にホームページを開設し、活動レポートを掲載。現場の様子をうかがい知ることができるはずだ。
◆岩手県 災害ボランティア活動に関する御礼と引き続きの支援のお願い
http://www.pref.iwate.jp/view.rbz?cd=31264
岩手県が6月29日付で発表した文書。これまでのボランティア参加者への謝意を表明しつつも、今後は仮設住宅への入居が進むことによって、支援の方向性が変わってくるだろうと説明。継続的なサポートを呼びかけている。こちらのページからは、県内ボランティアセンターの一覧などが確認できる。岩手県社会福祉協議会ウェブサイト内のコンテンツとして紹介されている「災害ボランティアの心構え」も一度呼んでおくといいだろう。
◆青森県防災ボランティア情報センター
http://www.pref.aomori.lg.jp/life/volunteer/volunteer-jyouhou-center.html
http://www.pref.aomori.lg.jp/koho/disaster_kyuen.html
震災発生直後に開設された青森県八戸市・三沢市の災害ボランティアセンターは、すでに活動を終了。両市にある通常のボランティアセンターへと業務を引き継いでいる。県のホームページでも、隣接する岩手県をはじめとした県外ボランティアセンターの情報を掲載している。
◆Yahoo!ニュース 災害ボランティア
http://dailynews.yahoo.co.jp/fc/domestic/disaster_volunteer/
災害ボランティア関連の最新ニュースを掲載する。ページ後半が読者参加型のリンク集となっており、ボランティア関連の情報サイトや各種の読み物を紹介している。「ボランティア迷惑論」や、社会福祉協議会管轄ボランティアセンターの限界について迫ったコラム類もあり、多角的な観点から現状を学びたい時に役立ちそうだ。
◆NHKボランティアネット
http://www.nhk.or.jp/nhkvnet/home.html
NHKが運営するボランティア情報サイト。各地の最新募集要項に加え、独自の現場レポートを掲載しているのが特徴。「ボラ仲間の活動リポート」などをチェックしてみよう。
●人的支援の切り札? ボランティアツアー
東日本大震災で特に大きな被害をうけた東北地方太平洋沿岸部は、隣接する大都市圏(東京近郊)から距離的に遠い地域。日帰りボランティアは難しく、さらに被害エリアが非常に広範なため、交通手段や宿泊場所の自主確保に一定の困難があるのも事実だ。
そこで、遠隔地からのボランティアの主流になりつつあるのが“バスツアー”形式だ。旅行代理店、あるいは被災地の復興支援拠点みずからがバスと宿泊場所を手配することで、少しでも気軽に参加してもらうのが狙い。「ボランティアバス」「ボランティアツアー」という名称もすでに定着した感がある。
バスによる団体での現地訪問は、渋滞の原因になりがちなマイカー利用を抑止できるだけでなく、ボランティア拠点での受付手続きを減らすメリットがあるため、積極的な利用をすすめている団体も多い。さらには旅程に周辺観光を加えることで、地元経済の活性化に寄与できるといった声まである。
なお、法人ではない任意団体のボランティアグループなどが有料のボランティアツアーを企画・募集している場合があるが、料金は妥当かなど、十分吟味して参加するようにしよう。まずは、自治体をはじめとした公的組織が募集するものなどを中心にチェックし、任意団体や個人主催のボランティアに参加を検討する場合は、事前にネットで検索して評判を見るなどの情報収集を忘れないようにしたい。
◆近畿日本ツーリスト 復興支援&ボランティアツアー
http://biz.knt.co.jp/genkinippon/
旅行代理店最大手の近畿日本ツーリストが手がけるボランティアバスツアー。「エシカルコンシューマリズム(倫理的な消費)」という理念に基づき、ボランティアと観光を組み合わせた旅行プランを企画した。一例として、7月下旬に催行される1泊3日・東京発プランの旅費は1人あたり3万9800円。
◆トップツアー 東日本大震災 復興支援ボランティアツアー
http://toptour.jp/sit/tohoku_volunteer/
トップツアー(旧称・東急観光)主催によるボランティアバスツアーのページ。6月13日時点で13本の催行実績があるという。現在も7月下旬~8月下旬の東京出発プランを募集中。Q&A集では「1人で参加しても大丈夫ですか?」「作業は自分で選べるのですか?」といった疑問に答えている。
◆宮城県災害ボランティアセンター
http://msv3151.c-bosai.jp/
宮城県、みやぎ災害救援ボランティアセンター(NPO)、宮城県社会福祉協議会の共同設置という形式で3月12日に発足した。4月20日から「ボランティアバスパック」の名称で遠方からのボランティアを受け入れていたが、6月21日付でいったん終了。ただし、宮城県各市町村のボランティアセンターでは同様の取り組みを続けている。
◆ボランティアツアー・ボラバス等募集状況
http://tasukeaijapan.jp/?page_id=3813
前述の「助け合いジャパン」による、ボランティアバスツアーのリスト。出発地・活動地別にまとめられており、網羅性も高い。詳細はリンク先の旅行代理店や社会福祉協議会のウェブサイトで確認できる。
◆東北復興支援プロジェクト みんなのボランティア
http://hatalike.yahoo.co.jp/aid/p/volunteer/
就職情報サイト「Yahoo!リクナビ」内の特設ページ。ボランティアの心構えを解説すると同時に、ボランティアツアーの情報を掲載。ボランティア体験記もいくつか読める。
◆埼玉県ボランティア・市民活動センター 災害ボランティアバスパック情報
http://www.fukushi-saitama.or.jp/saitama03/volunteer/exec/item/browse/36/501/
直接の被災地以外でも、社会福祉協議会が主体となってボランティアバスを運行するケースは多い。こちらは埼玉県の例。申込や問い合わせの受付は、旅行代理店で行っている。さらに県内各市町村単位の社会福祉協議会でも同様の取り組みを実施中だ。
◆東日本大震災支援全国ネットワーク
http://www.jpn-civil.net/
全国にある災害支援関係NPO・NGOらによる民間のネットワーク。各地の団体がどのような支援活動を行っているか、ボランティアを現在募集しているかどうか、受付窓口はどこかといった情報を提供している。ボランティアバスについての専用情報ページも公開中だ。
◆Yahoo! JAPAN 復興支援 東日本大震災
http://shinsai.yahoo.co.jp/
東日本大震災の復興支援を目的に、各種のプロジェクトを実施中。被災地発のボランティア募集情報も集約している。検索フォームから「ボランティアバス」で検索すると、かなりの数のバスツアーが見つかる。
●義援金、物資支援の募集状況は?
被災地に足を運べない人にとって、義援金や救援物資の送付は比較的身近な支援手段だ。ここでは、義援金の受付窓口、被災地における物資受入状況などを見ていこう。
なお、支援物資を募集・提供するいわゆる“支援サイト”はここでご紹介した以外にも存在する。そうした個人やボランティアによって運営されているサイトは、基本的に性善説によって運営されており、被災者を騙って物品を詐取するなどの悪意ある利用に対する対策はほとんどなされていない場合が多い。被災者を騙って携帯ゲーム機などの転売しやすいものを支援サイトで集め、オークションで転売していた例も確認されている。個人ボランティア運営の物資支援サイトなどは、運営主体が法人ではないため何千人の利用者がいても個人情報保護法の適用外となる点も知っておこう。
◆日本赤十字社
http://www.jrc.or.jp/
http://www.jrc.or.jp/contribution/l3/Vcms3_00002096.html
被災地でおもに医療面のサポートを行う。義援金の募集も行っており、7月4日の段階では2594億287万5483円集まったという。これらは厚生労働省や学識経験者、被災都道府県の関係者らで構成される「義援金配分割合決定委員会」を通じて、実際の被災者に支給される。現在は、第二次配分の送金が始まりつつある。
◆中央共同募金会
http://www.akaihane.or.jp/
「赤い羽根共同募金」で知られる団体。東日本大震災にあたっての募金も実施しており、日本赤十字社と共同で、前述の「義援金配分割合決定委員会」を通じた送金を行っている。7月4日には都道府県別配分状況を公開した。
◆内閣府 日本政府を通じた東日本大震災義援金受付のご案内
http://www.cao.go.jp/gienkin/
義援金の受付は、民間機関だけでなく政府や地方自治体が主体となっても行われている。日本政府としては、9月30日までの予定で募集中。個人であれば所得税および個人住民税の寄附金控除が受けられる。
◆宮城県 東日本大震災に係る寄附金及び義援金の受付窓口の設置について
http://www.pref.miyagi.jp/kihu.htm
県が主体となって行う復旧事業の財源に充てられる「寄付金」、被災者への直接支援に使われる「義援金」をそれぞれの窓口で募集している。用途が異なる点に注意しよう。なお、義援金についてはその配分状況が詳細に説明されている。
◆Google Crisis Response 東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)
http://www.google.co.jp/intl/ja/crisisresponse/japanquake2011.html
震災発生直後から運営されている、Googleの特設サイト。避難所や消息不明者の安否に関する情報提供こそ一段落した感があるが、Google Checkoutの仕組みを活用した日本赤十字社宛の義援金・寄付金受付、節電関連の情報提供が引き続き行われている。
◆子どもの学び支援ポータルサイト(文部科学省)
http://manabishien.mext.go.jp/
児童・生徒らの学習をサポートを目的に、被災地の自治体や教育委員会、学校法人などからの具体的な支援要請を掲載するサイト。例えば、福島県内のとある幼稚園からは「エアコン4台、掃除機3台が欲しい」といった情報が登録されている。また、支援を行う側も「支援提案」という形で情報を登録可能。
◆楽天たすけ愛
http://gift.rakuten.co.jp/tasukeai/
被災地の地方自治体と直接協力し、必要な物品をリストアップ。それらを楽天市場出店事業者から非営利価格で出品してもらい、一般ユーザーがそれを購入することで支援しようという制度。すでに第15弾まで実施されており、子供用の運動靴やスポーツバックなどが送られている。
◆テレビ朝日ドラえもん募金
http://www.tv-asahi.co.jp/doraemonbokin/
テレビ朝日系列会社が主体となって実施している募金。東日本大震災発生以降、4月28日までに合計3回、総額18億円を被災3県や日本赤十字社などに預託済み。こちらのページでは預託先の選定理由などがまとめられている。
◆日本リ・ファッション協会 「東日本大地震」被災者支援・復興支援について
http://www.refashion.jp/emergency/
衣類や生活用品の循環型活用を標榜する一般社団法人。加盟団体だけでなく一般の個人からも支援物資を募り、集約して被災地へ届けている。現在は夏物衣類やタオルケット、食器などを募集中。なお、協会側で仕分けを行い、現地に送れない物はチャリティバザーなどで販売し、送料・ガソリン代などに充てるとしている。
◆福島県南相馬市 支援物資の受け入れ
http://www.city.minamisoma.lg.jp/shinsai2/shienbussi.jsp
福島県南相馬市のホームページ。6月30日現在、個人からの支援物資送付を受け付けている。不足している物品のリストには米や水、ボディーソープなど、仮設住宅入居者向けの用品類が並ぶ。一方、十分に数量が確保されているもののリストもあるので参照したい。
◆宮城県 支援物資の受入れの一時停止について
http://www.pref.miyagi.jp/busshi.htm
支援物資の受入状況は、各地域によって千差万別。宮城県のように、法人からであっても受付を停止している自治体は多い。また、南三陸町では必要な物資リストを公開しているが、個人からの受け入れは実質行っていない。
(2011/7/8)
[森田 秀一]