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5月21日、金環日食を見逃すな! ~首都圏では173年ぶり
テレビやネットで“金環日食”の話題が盛り上がっている。部分日食であればさほど珍しくはないが、関東地方で金環日食が観測できるのはなんと173年ぶり。5月21日月曜日の午前6時~9時ごろにかけて、九州から関東にかけての広い範囲で完全な金環日食が観測できる見込みで、今回の日食は特に大きな注目を集めているようだ。
日食の観測にあたっては注意すべき点もある。まず、目へのダメージを防ぐために専用の遮光板(日食グラス)は必須だ。また、今回は首都圏をはじめとする人口密集地でも観測でき、発生時間が平日朝の通勤・通学時間帯であることから、よそ見による事故や怪我のおそれが指摘されている。
日食は西から始まり東ではスタートが遅くなる。地域により観測できる時間も異なるため、日食グラスまで用意したのに見逃してしまったということのないよう、また安全に金環日食を楽しむためにも、各情報サイトで事前に情報をチェックしておこう。
●サングラスでは絶対ダメ! 金環日食を安全に見るには?
金環日食の概要をおさらいしておこう。通常の日食(皆既日食 total eclipse)とは、月が太陽の前を横切ることにより、日中でありながら太陽を覆い隠す現象。対して金環日食は、皆既日食の時よりも月の位置が地球より若干遠くにあるため、太陽をすべて隠すことができず、ピーク時にリング状の光を放つ。つまり、環状の日食(annular eclipse)という訳だ。ちなみに、金星とは直接の関係がない(金星食、金星の日面通過という現象は別にある)。
金環日食は非常に珍しく、日本国内で前回観測されたのは1987年9月23日の沖縄。首都圏に限って言えば173年ぶりという。今回を逃すと、国内で次に見られる機会は2030年6月1日、しかも北海道の一部のみとなる。
こういった情報を聞くと、観測に向けての心が高ぶるもの。しかし、それゆえに懸念の声も多い。学術機関や専門家による解説記事を読んで、しっかり備えておきたい。
◆国立天文台 2012年5月21日 金環日食
http://naojcamp.mtk.nao.ac.jp/phenomena/20120521/
国立天文台による特設サイト。今回の金環日食の概要、観測できる時間帯と場所などがわかりやすくまとめられている。絶対に見ておきたいのが「観察方法」のページ。ほんの一瞬であっても肉眼で太陽を直接見る行為を厳禁とするだけでなく、サングラス、下敷き、フィルムの切れ端、すすを付着させたガラスなども絶対に使わないよう呼びかけている。専用の道具が用意できないときは、木漏れ日やピンホール(穴)を活用する方法もあるという。
◆JAXA 宇宙科学研究所 金環日食
http://www.isas.jaxa.jp/j/topics/event/2012/0521_annulareclipse.shtml
宇宙航空研究開発機構(JAXA)内の研究機関による金環日食特集。動画なども掲載されている。また、5月21日当日はUSTREAMを通じて、金環日食のライブ中継を実施する予定という。
◆文部科学省 5月21日の日食の観察における注意事項
http://www.mext.go.jp/a_menu/kaihatu/space/urishitsu/detail/1319108.htm
日食は、自然科学への注目が高まる一大イベントだが、その一方で、誤った観測をしたがため、目に障害を負うケースがたびたび発生しているという。文部科学省では、教育機関向けに正式な注意喚起文(PDF形式、全8ページ)をすでに発表済み。一般社会人でも十分参考になる内容となっている。
◆2012年金環日食日本委員会
http://www.solar2012.jp/
国立天文台の元台長らが参画する「日本天文協議会」が、今回の金環日食に際して発足させたワーキンググループ。ホームページでは、日食の概要をイラスト付きでわかりやすく解説。また、4月末に実施したシンポジウムの様子を動画配信している。
◆tenki.jp 金環日食
http://tenki.jp/forecast/eclipse
日本気象協会運営の天気予報サイトとしておなじみ。金環日食の特集ページでは、各地の日食開始・終了時間とともに、関連コラムを掲載。国外で観測された2009年金環日食についての写真レポートも読める。5月21日当日に備えての予習にも役立ちそうだ。
◆ウェザーニュース 金環日食2012
http://weathernews.jp/kinkan2012/
気象情報サイトのウェザーニュースでも、金環日食特集を公開中。日食の観測方法、発生のメカニズムなどがコンパクトに解説されている。当日は「SOLiVE24」を通じて日食のライブ中継も実施する予定。
◆Yahoo! JAPAN 金環日食特集 「黄金のリング」を目撃せよ
http://event.yahoo.co.jp/eclipse2012/
ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」による特集。戦場カメラマンの渡部陽一氏と、お天気キャスター経験を持つ高樹千佳子氏の対談を軸に、日食の楽しみ方を提案している。JAXA(宇宙航空研究開発機構)の専門家による解説や、日食の基礎知識なども合わせて読める。
◆アストロアーツ「金環日食2012」特設サイト
http://www.astroarts.co.jp/special/20120521solar_eclipse/
アストロアーツは、天文関連の書籍やアプリを多数発売している企業。こちらの特集ページでは「安全な観察のために」「金環日食って?」など、初心者向け解説記事を掲載中。皆既日食、金環日食、部分日食の違いがGIFアニメでわかる。観測関連グッズの紹介も。
◆名古屋市科学館 2012年5月21日◯金環日食情報
http://www.ncsm.city.nagoya.jp/study/astro/astro_news/2012_0521.html
名古屋市内にある公立科学館。併設されたプラネタリムで金環日食関連の投影を行うなど、5月21日に向けての準備に余念がない。なお、公式サイトに掲載している金環日食関連の図や写真は、個人・教育用途であれば一部を除いて再使用可能とのこと。
◆せんだい宇宙館-2012年5月21日 金環日食
http://sendaiuchukan.jp/event/news/2012eclipse/2012eclmenu.html
鹿児島県薩摩川内市にある体験型の天文施設。特集ページでは「金環日食の局地予報」と題して、日本各地でどの程度の日食が起こるかの予測図を公表。完全な金環日食を観測できる地域が、世界的にはごく一部であることが非常によくわかる。Q&Aも充実。
◆日食観測学習連絡会 日食観測の学習
http://www.astor-eclipse.com/eclipse-learning/g
日食観測の経験者、教育関係者らで構成される有志団体。日食観測を学習に活かすべく、さまざまな資料を提供している。中でも「日食の基礎 ~上級編~」は読み応えがある。金環日食についての情報も多数掲載中。
◆天文教育普及研究会
http://tenkyo.net/
京都大学内に事務局を構えている、天文関連の研究団体。日食観測についての専門ページを設けている。最新記事では、太陽を肉眼で見るとなぜ危険なのか、「日食網膜症」「日光網膜症」という症例を挙げて具体的に説明している。また、5月21日に全国各地で行われる金環日食観測会のリストも掲載中。
◆全国市区町村別 金環食・部分日食観測ガイド
http://www.annulareclipse2012.com/
関東在住のアマチュア天文ファンらによる金環日食特集サイト。日食観測範囲を示す「中心食線」や、日食が最大化する時刻(地域別)などがまとめられている。「安全な観測のための三箇条」では、一般ユーザーの観点から、より詳細に太陽観測の危険性を喚起している。
◆日食ナビ 2012年金環日食
http://eclipse-navi.com/20120521/
個人サイトながら、日食の仕組みや観測方法を詳しく解説。過去の金環日食時に撮影された写真も豊富。次回2030年の金環日食についての話題にも言及している。
●まさに一大フィーバー!? 観測グッズ&イベント
続いては、金環日食を観測するためのグッズや観測イベントについての情報をまとめた。専用の遮光板はもちろん、日食撮影の講習会、さらにはネットでの日食ライブ中継まで、その充実ぶりはまさに一大フィーバーと呼んで差し支えないレベル。1人で静かに楽しむも、みんなで一緒に熱狂するも良し。自分なりのスタイルで5月21日を迎えたい。
◆ケンコー・トキナー 2012年5月21日:金環日食
http://www.kenko-tokina.co.jp/special/celestial/eclipse-2012.html
カメラ用交換レンズ、双眼鏡などでおなじみのメーカー。日食(太陽)観測用の簡易型サングラス「アストロノミー」を販売中。オープン価格だが、実売価格は800~900円前後。また、日食の撮影時に必要となるND(減光)フィルターの取り扱い方法をはじめ、金環日食にまつわる話題全般を特設サイトにて掲載している。
◆iPhone4/4S用 5倍太陽撮影キット KSG-M5
http://www.kenko-tokina.co.jp/optics/tele_scope/accessories/4961607403532.html
http://www.kenko-tokina.co.jp/imaging/filter/nd/4961607101490.html
ケンコー・トキナーから発売中の製品。iPhoneと組み合わせること、日食を撮影できる。内容物は倍率5倍の単眼鏡、NDフィルター、アタッチメント用ケース、ミニ三脚など。実売価格は5000円前後。なお、5月10日には汎用NDフィルター「PRO ND100000 フィルタースティック」も発売する予定。
◆ビクセン 「日食グラス」で金環日食を見よう!
http://www.vixen.co.jp/se/solarprotec.htm
天体望遠鏡のメーカー。日食観測用の「日食グラス」を多数販売中。デザインバリエーションはなんと100種類以上。全36ページのガイドブックも付属している。なお、日食グラスの使い方についてもこちらのページで詳しく解説されているので、一度読んでおこう。
◆ヨドバシ.com 金環日食の観察用日食グラスなどの必需品をご紹介
http://www.yodobashi.com/ec/promotion/feature/detail/50049J161701P_50049J161701C/index.html
店頭でもいち早く金環日食観測用グッズの取り扱いを開始していたヨドバシカメラ。通販サイトでも注文を受け付けているが、日食のピーク時間が最大でも5分程度であることから「1人に1個の日食グラスを」と、まとめ売りを実施中だ。
◆ECLIPSE LIVE FROM FUJIYAMA by SOLAR POWER
http://panasonic.net/eclipselive/
http://panasonic.co.jp/news/topics/2012/97461.html
富士山山頂で金環日食を撮影し、全世界に向けてインターネット配信しようという試み。中継に必要な電力は、太陽電池で蓄電したクリーンエネルギーのみで賄う予定という。中継は5月21日の朝7時30分から。プロジェクトの進捗状況はFacebookページを通じて随時更新中。
◆CHIBA 金環日食プロジェクト2012
http://www.chiba-tpa.or.jp/nisshoku/
千葉県観光物産協会が主体となり、千葉県各地で金環日食の合同観測を行おうという企画。会場によっては事前の参加申込が必要であったり、イベント参加料金がかかる場合もあるので、事前に確認しておきたい。
◆みんなで日食マップをつくろう!
http://www.eclipse2012.jp/
日食は、観測場所によっても太陽の欠け方が異なる。こちらのイベントでは、金環日食になるか、部分日食になるかの境界線(金環日食限界線)が果たしてどこなのかを調べる。観測用の日食グラス、携帯電話があれば誰でも観測報告を送信できる。
◆朝日新聞デジタル 「あなたも宙(そら)ガール金環日食セミナー」のご案内
http://www.asahi.com/information/release/TKY201205010467.html
朝日新聞(ウェブ版)の女性購読者を対象に開催する無料講習会。天体写真家をゲストに招き、スマートフォンでの金環日食撮影法などをレクチャーするという。5月18日夜開催予定で、会場は朝日新聞社東京本社(築地)。定員は50名。先着順で受け付ける。申込にあたっては朝日新聞デジタルへの登録が必須。
◆「天地明察」公開記念 金環日食キャンペーン
http://www.tenchi-meisatsu.jp/campaign/vol01/
「天地明察」は、岡田准一主演、滝田洋二郎監督による映画。作品の主人公が江戸時代の天文学者ということもあってか、金環日食にちなんだプレゼントキャンペーンを実施する。福島県郡山市、京都市など全国4カ所で日食を観測し、果たして完全な金環日食となるか、それとも部分日食となるかを予想する。
◆DREAMS COME TRUE みんなで金環食する? LIVE 2012 CREATE THE FUTURE
http://www.dctgarden.com/createthefuture/live2012/
人気グループ・DREAMS COME TRUEが1990年に発表した「時間旅行」という曲では、2012年の金環日食にまつわるフレーズが歌われていた。これにちなんだスペシャルライブが5月13日・20日に実施される。チケットはすでに完売した模様。
◆近畿日本ツーリスト 金環日食を見に行こう
http://yado.knt.co.jp/sp/kinkan/
5月21日の金環日食は首都圏をはじめとした国内各地で観測できるが、早朝ということもあって、前日宿泊パックを販売する旅行業者もある。近畿日本ツーリストでは、東側の空が見渡せる部屋、施設屋上からの観測が可能なプランをラインナップ。日食グラス付き。
◆セブン旅ネット 2012年5月21日 金環日食
http://www.7netshopping.jp/7tabi/sp/tenmon/eclipse/
セブン&アイグループの旅行サイト「セブン旅ネット」でも、金環日食観賞のための宿泊プランを販売中。神戸港を出発し、洋上で金環日食を見られるというクルーズプランは残席わずか。宿泊なしの日帰りツアーの催行なども予定されている。
●天文現象&天体観測はいつでも楽しめる!
天文に関する話題は日食だけに限らない。星座の観察は1年中楽しめるし、近年はスーパームーン現象も何かと話題になっている。プラネタリムや科学館に足を運ぶという楽しみ方もあるだろう。今回の金環日食を契機に、宇宙の有り様を学んでみるのも一興だ。
◆国立天文台 天文情報センター 暦計算室
http://eco.mtk.nao.ac.jp/koyomi/
当日の日の出・日の入り時刻や月齢を、地域別に調べられるサイト。同様に「今日のほしぞら」のページからは、その日に見られる天体や主要な星の情が分かる。「日食各地予報」「惑星食各地予報」も合わせて利用したい。
◆AFPBB News 世界が見た2009年皆既日食
http://www.afpbb.com/article/environment-science-it/science-technology/2623467/4384279
日食の模様は、新聞社・通信社のウェブサイトでもたびたび特集される。こちらはAFP通信による、2009年7月22日の皆既日食特集。5月21日には同様の特集が多くのサイトで掲載されることだろう。当日観測できない人は、こういった記事を頼ってみては?
◆kotobank スーパームーンとは
http://kotobank.jp/word/%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%BC%E3%83%B3
朝日新聞社系列の用語解説サイト。近年耳にするようになった「スーパームーン」の意味についても解説されている。現象的には、天体の公転軌道が楕円状であることに由来するという。もともとは占星術用語としての側面が強いとのこと。
◆天球図でさぐる地球と天体の動き
http://rikanet2.jst.go.jp/contents/cp0320a/start.html
http://rikanet2.jst.go.jp/
科学技術振興機構運営のデジタル教材サイト「理科ねっとわーく(一般公開版)」にて公開中のコンテンツ。星が動いて見える仕組み、星座の由来などを豊富なイラストとともに解説している。星座図鑑としても使える。
◆ニコンチャンネル 星空案内 2012年5月の星空
http://www.nikon.co.jp/channel/stars/1205/
ニコンのウェブサイトでは、星空・星座にまつわるトピックを毎月ペースで更新している。今月5月は、「春の大三角」や土星の観測ができるという。なお、金環日食についても大きく取りあげられている。
◆UNIVERSE
http://www.universe-s.com/index_j.html
天文・宇宙・航空 広報連絡会による情報サイト。リンク集としての側面が強い。参加機関が発表する最新の宇宙関連ニュースなどがまとめられている。
◆コニカミノルタ プラネタリウム
http://www.planetarium.konicaminolta.jp/
http://www.planetarium.konicaminolta.jp/manten/program/special_program/eclipse_12/
コピー機でおなじみのコニカミノルタだが、都内2カ所でプラネタリウムを直営。その1つが、東京スカイツリータウンですでに営業中の「天空」だ。なお、池袋サンシャインシティ内の「満天」では、各上映回の冒頭で金環日食関連のショートプログラムが楽しめる。
◆大阪市立科学館
http://www.sci-museum.jp/
大阪市にある科学館。宇宙をテーマにした常設展示も行っている。金環日食関連のイベントも豊富で、併設のプラネタリウムでは特別上映を実施。5月21日当日は観測会も予定している。
◆星ナビ.com パオナビ
http://www.astroarts.co.jp/hoshinavi/pao/index-j.shtml
天文情報誌「星ナビ」の関連コンテンツ。「パオナビ」は全国各地のプラネタリウムや公開天文台の情報を集約しているのが特徴で、5月1日にリニューアルオープンしたばかり。
◆小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)
http://www.jaxa.jp/projects/sat/muses_c/index_j.html
ニュース番組で数多く取りあげられ、映画にもなった人工衛星「はやぶさ」についての情報ページ。はやぶさ帰還時に回収されたカプセルの巡回展示は4月に終了したばかり。人気はいまだ健在のようだ。
◆すばる望遠鏡
http://subarutelescope.org/j_index.html
アメリカ・ハワイにある大型望遠鏡。公式サイトでは、同望遠鏡によって撮影した写真を多数掲載。ガス雲、銀河、暗黒物質など、一風変わった写真も楽しめる。
(2012/5/11)
[森田 秀一]