リンク集
消費税8%時代がスタート
~値上げ? 価格維持? 税別表記? ゆれる各社の対応
(2014/3/7 06:00)
2014年4月1日、ついに消費税が8%に増税される。わずか3%のアップ……と言いたいところだが、実施が近づくにつれ、家計への影響をヒシヒシと感じる方も多いだろう。そこで今回は、交通機関やメーカー、流通など各社の増税対応状況をまとめた。
どうなる? 交通&流通インフラ系会社の増税対応
増税において特に気になるのが、交通や運輸などのインフラを担う会社の対応だ。高くなったからといって、そうそう利用を控える訳にもいかないだけに、各社の誠実な対応を期待するしかない。また、料金収受の都合で行っていた10円単位課金をやめ、1円単位課金を導入する業者もいくつか見受けられる。
JR東日本 消費税率引上げに伴う運賃・料金改定案
https://www.jreast.co.jp/consumption-tax/
鉄道をはじめとした交通各社では、増税に伴う値上げについて国土交通省へ申請していたが、その大半が3月4日付けで認可された。JR東日本では、通貨支払時は10円単位、ICカード(Suica)支払時は1円単位での値上げとなるため、料金差が出る。また、必ずしもICカード支払いが安いとも限らない。例えば、幹線扱いの路線を普通旅客運賃で乗車した場合、営業キロが1~3キロだと通貨で140円、ICカードでは144円となる。
JR東海 消費税率引上げに伴う運賃・料金改定の認可申請について
http://jr-central.co.jp/news/release/nws001346.html
東海道新幹線を擁するJR東海。原則として増税分をそのまま転嫁し、計算上で端数が出る場合は10円単位で四捨五入をする。しかし、新幹線の自由席特急券のごく一部区間などでは、本来10円未満切り捨てとなる計算を、例外的に切り上げるなどの対応を行う。
JR西日本 消費税率引き上げに伴う運賃・料金改定について
https://www.westjr.co.jp/press/article/2013/12/page_4933.html
http://www.jr-odekake.net/oshirase/consumption-tax/
JR西日本の消費税計算法は、JR東海とほぼ同じ。普通旅客運賃については、税抜運賃に1.08を乗じ、円単位で四捨五入して、10円単位で課金する。初乗り運賃では、値上げとならないケースもあるようだ。
東京地下鉄 旅客運賃の認可及び改定について
http://www.tokyometro.jp/news/2014/pdf/metroNews20140304_faretax008.pdf
東京メトロの愛称で知られる地下鉄会社。増税値上げについては3月4日付けで認可がされたため、4月1日から正式に新料金が導入される。JR東日本と同様、きっぷ購入時は10円単位、ICカード支払時は1円単位で増税される。これにより、初乗り運賃はきっぷで170円、ICカードは165円となる。なお、「東京メトロ一日乗車券」は現行の710円がそのまま維持される。
東京都交通局 消費税率引上げに伴う運賃改定の認可について
http://www.kotsu.metro.tokyo.jp/newsevent/news/subway/2014/sub_p_2014030401_h.html
東京都の都営地下鉄および乗合バスでも、増税に伴う値上げが正式に発表された。ただし、4月1日にはまず乗合バスと都電荒川線のみ、新料金を適用。都営地下鉄と日暮里・舎人ライナーについては6月1日から増税されるという若干特殊なスケジュールとなる。ICカード支払時の1円単位料金も導入される。
西武鉄道 運賃の認可および改定について
http://www.seibu-group.co.jp/railways/news/news-release/2013/__icsFiles/afieldfile/2014/03/04/20140304fare.pdf
西武鉄道も3月4日付けで、消費増税に伴う新料金が国土交通省から認可された。ICカード支払いによる1円単位課金を導入する点も、JR東日本や東京メトロと同様。4月1日からの初乗り料金はICカード支払いで144円、きっぷ購入時で150円(現行140円)。
国土交通省 消費税率引上げに伴う鉄道事業者及び乗合バス事業者の上限運賃・料金の変更認可について
https://www.mlit.go.jp/report/press/tetsudo06_hh_000073.html
国土交通省では、鉄道事業法などに則って、交通各社の料金認可を行っている。3月4日には、各社の申請に対して一斉に認可したことを発表している。
駅探 消費税率変更に伴う運賃改定への対応について
http://ekitan.com/info/#info02
鉄道の乗換検索サービスでおなじみの「駅探」。鉄道各社の増税対応に合わせ、駅探でも運賃情報の改定を実施する予定。ただし、時期については明確にしておらず、現時点で4月1日以降の出発・到着指定で検索を行っても、消費税5%時の情報が表示される。
京王電鉄バス 消費税率引上げに伴う路線バス(乗合バス)の運賃改定について
http://www.bus-navi.com/news/515.pdf
http://www.keio-bus.com/news.php?id=510
京王バスでも全体的に値上げされる。一例として、新宿駅~中野駅間は現行200円だが、4月1日以降はICカード支払時で206円、現金支払い時で210円となる。高速バス路線については、10円単位での値上げを行う。
JAL 2014年4月1日消費税率変更に伴う国内線航空券の取り扱いについて
http://www.jal.co.jp/dom/info/tax.html
JALの国内線航空運賃については、消費税アップ分をそのまま転嫁する。3月31日までに4月1日以降搭乗のチケットを予約した場合、払い込みの時期によって金額が変わるので注意しよう。
ANA 消費税率改正にともなう国内線運賃等の適用税率について
http://www.ana.co.jp/topics/notice140110/
ANA(全日空)の消費税増税対応も、JALとほぼ同じ。4月1日以降搭乗のチケットを4月1日以降に買う場合は8%の税率が適用される。払戻手数料、席種変更手数料なども変更される。
日本空港ビルディング 国内線ターミナル旅客取扱施設利用料の変更について
http://www.tokyo-airport-bldg.co.jp/departures_and_arrivals/pfc/
羽田空港ターミナルビル(ビッグバード)の運営会社。航空便利用者から「旅客取扱施設利用料」を徴収しているが、4月1日から290円に大幅値上げされる(現行170円)。消費増税とは直接関係ないようだ。
ヤマト運輸 消費税の税率引き上げに伴う運賃・料金の変更についてのお知らせ
http://www.kuronekoyamato.co.jp/info/info_140213.html
宅配大手のヤマト運輸では、税率アップにともなって宅急便運賃を全般的に値上げする。一例として、関東発-関東着の60サイズ料金は756円(現行740円)。これまでの運賃は10円単位だったが、今回初めて1円単位課金を導入する。
佐川急便 消費税法の一部改正に伴う運賃・料金の改定について
http://www.sagawa-exp.co.jp/information/detail/tax/
佐川急便でも、4月1日から増税対応新料金で1円単位課金が行われる。関東発-関東着の60サイズ・2kg以内の「飛脚宅配便」料金は756円(現行740円)。
日本郵便 2014年4月1日(火)から郵便料金が変わります。
http://www.post.japanpost.jp/lpo/tax2014/
4月1日以降、通常はがきは52円(現行50円)、25g以内の定形郵便物は82円(現行80円)となる。レターパック、ゆうぱっくについては、原則として10円単位での値上げとなる。
タイムズカープラス 消費税率変更に伴う対応について
http://plus.timescar.jp/news/2014/0203.html
タイムズ24が展開するカーシェアリングサービス。全体的にそのまま転嫁される格好だが、「ショート」の料金プランについては1円単位で課金。それ以外のメニューは10円単位での改定を行う。なお、気になるコインパーキングの増税対応について、タイムズ24では特に発表を行っていない模様だ。
気になる! あの商品&サービスは増税にどう対応?
消費税の影響は、何も交通や運輸だけには限らない。小売店、食品メーカー、外食チェーン、金融機関などなど――ここからは、消費税対応状況についてWebサイトで正式発表した企業をジャンル問わずまとめていく。
とはいっても、正式発表を保留している企業は多く、ここで紹介した分がすべてではない。コインロッカー、ゲームセンター、コイン式駐車場など、釣り銭の扱いが難しいサービスの対応など、今後も注目する必要があるだろう。
サントリーフーズ 消費税増税に伴う対応について
http://www.suntory.co.jp/softdrink/news/pr/d/sbf0111.html
緑茶「伊右衛門」 や「ボス」ブランドの缶コーヒーで知られるサントリー。原則として、全商品で増税分の転嫁を行うが、自販機販売商品ついては、据置・10円値上げ・容量調整された新商品利用のいずれかを、自販機設置主に対して“推奨する”というスタンスを表明した。例えば、「サントリー 南アルプスの天然水」 550mlPETは価格維持が推奨されている。
ドトールコーヒー店舗商品の価格改定のお知らせ
https://www.doutor.co.jp/about_us/ir/report/monthly/pdf/20140227163524.pdf
「ドトールコーヒーショップ」および「エクセルシオールカフェ」の消費税対応についての発表文。今回、原材料高騰なども勘案し、値上げを行うという。ドトールの「ブレンドコーヒー(S)」「ジャーマンドック」はともに200円から220円への改定となる。
モスバーガー店舗 価格改定のお知らせ
http://www.mos.co.jp/company/pr_pdf/pr_140228_1.pdf
モスフードサービスによるプレスリリース。4月1日以降は、増税分を価格に転嫁した上で、利便性向上の観点から10円単位での商品販売を継続する。結果、170円以下のハンバーガー類およびコーラは価格据え置き。その他の商品は原則として10円値上げとなる。
すき家 消費税率引き上げ後の牛丼並盛の価格について
http://www.sukiya.jp/news/2014/02/20140227.html
消費増税に合わせて、あえての値下げを敢行するのが牛丼チェーンのすき家だ。「牛丼並盛」の価格を、4月1日以降270円とする(現行280円)。ただし、その他のメニューの価格対応については未発表。
すかいらーく 価格表記変更および一部商品の価格等見直しのお知らせ
http://www.skylark.co.jp/information/price.html
ファミリーレストランの「ガスト」「ジョナサン」「バーミヤン」などの運営で知られるすかいらーく。2月中旬ごろから、料理価格の税込表記をやめ、税別表記へ改めた。一部商品については価格の見直しも行ったという。
ぐるなび 消費税改正時のご利用上の注意!
http://www.gnavi.co.jp/tax/
グルメ情報サイト「ぐるなび」の消費増税対応状況をまとめたページ。今回の増税に合わせ、税込・税別どちらの価格を表示するかは店側の判断となる。多数の独立型飲食店が情報を登録するぐるなびでは完全な表記統一ができないため、個別ページでの表示に注意してほしいと呼びかけている。
TOHOシネマズ 消費税率引き上げに伴う鑑賞料金の改定について
http://www.tohotheater.jp/news/ryoukin2014.html
シネコン運営会社。増税となる4月1日以降も、劇場鑑賞料金の基本価格については現行のまま維持する。対して、各種割引適用価格については、100円が増額される。
コナミスポーツクラブ 消費税法改正に伴う対応のご案内
http://www.konamisportsclub.jp/info/20131224/
コナミスポーツ&ライフが展開するスポーツジムの全国チェーン。4月1日以降、増税分の転嫁を開始する。月会費などは1円単位での課金をすでに行っていることから、影響は比較的少ないとみられる。
三菱東京UFJ銀行 消費税率引き上げに伴う手数料等改定のお知らせ
http://www.bk.mufg.jp/info/pdf/info20140214.pdf
これまでも、銀行の多くでATM利用料や振込手数料は「105円」「210円」といった、消費税5%を意識した値付けが行われていた。三菱東京UFJ銀行では4月1日以降、それらが8%対応となり、「108円」「216円」などに改められる。
JCB 消費税率引き上げに伴う商品・サービス価格変更のご案内
http://www.jcb.co.jp/topics/tax_index_20131227.html
JCBブランドのクレジットカードについては、増税に合わせてほぼそのまま転嫁を行う。「JCB一般カード」はこれまで年会費1312円だったが、4月1日以降は1350円になる。本体価格は1250円のままで変更なし。
NTTドコモ 消費税率変更に関するお知らせ
https://www.nttdocomo.co.jp/info/notice/page/140122_02_m.html
通信料金の精算方法といえば、使用した分の料金を、翌月以降に支払うのが基本。NTTドコモが発表した説明によると、4月1日以降に利用した分について、8%消費税が適用されるとしている。3月31日以前に購入した電話機の分割払い金などについては、増税の影響はない。
NTT東日本 消費税率の変更に伴う各種電気通信サービス契約約款の一部改正に伴う認可申請等について
http://www.ntt-east.co.jp/release/detail/20140124_01.html
NTT東日本の固定式加入電話やフレッツ光の利用料については、増税分がそのまま転嫁・値上げとなる。特殊なのは公衆電話料金。電話機の構造上の都合から、10円単位課金を変更できないため、通話できる秒数を原則として短くする。これまで10円60秒だった区域内の昼間・夜間通話は10円57.5秒なる。
さくらインターネット 消費税改正に関する弊社対応のお知らせ
http://www.sakura.ad.jp/consumption_tax.html
サーバーホスティングやドメイン管理にかかる料金は、本体料金を変更せず、増税分のみを1円単位で新たに上乗せして請求する。一例として、「さくらのレンタルサーバ」のスタンダードプラン月額料金は従来500円だったが、4月1日からは515円となる。
ファイナルファンタジーXIV: 新生エオルゼア 2014年4月以降の消費税率改定に伴うご請求金額変更のお知らせ
http://jp.finalfantasyxiv.com/lodestone/topics/detail/6c63ce3fa19acd568e3973693e8f2a572c47dd7b
http://hiroba.dqx.jp/sc/news/detail/e19347e1c3ca0c0b97de5fb3b690855a/
スクウェア・エニックスが運営するオンラインRPG。4月1日以降は、プレイ料金に対する増税分がそのまま値上げされ、「エントリーコース(30日)」は1382円となる。一方、同じ会社が運営する「ドラゴンクエストX」については、増税に伴う価格変更を行わない。
日本たばこ産業 消費税率引上げに伴うたばこの小売定価改定の認可について
http://www.jti.co.jp/investors/press_releases/2014/pdf/20140228_J01.pdf
消費増税に伴うたばこの価格改定は、すでに正式な認可が下りている。1箱あたり10円もしくは20円の値上がりとなり、一例として「セブンスター」は460円(現行440円)。なお、銘柄ごとの値上げ額策定は、たばこ事業全体の加重平均などを考慮しているという。
東京電力 消費税法改正にともなう電気料金のご請求金額変更について
http://www.tepco.co.jp/e-rates/individual/basic/charge/kaitei2014-j.html
電気料金そのものに変更はないものの、増税分の転嫁は実施される。一般家庭については、消費税法の経過措置により、4月検針日よりも前に利用した分については5%、同日以降利用分については8%の消費税が適用される。
Amazon.co.jp 消費税率変更についてのよくある質問
https://www.amazon.co.jp/gp/help/customer/display.html?ie=UTF8&nodeId=%20200272610
最終消費者向けの小売店の大半は、増税分を1円単位でそのまま転嫁するが、一方で、価格表記を税込・税別のどちらにするか、あるいは併記するかは対応が分かれている。Amazon.co.jpでは、税込価格の単一表記を採用した模様。4月1日以降発送の商品などでは、すでに8%の消費税を含めた価格が表示されている。
ニトリ 消費税表記に関するお知らせ
http://www.nitori.co.jp/news/pdf/2013/78A056EF-52AE-1E29-A4F4-92B92188D703.pdf
家具店チェーン大手のニトリ。4月1日からは税別価格の表記を行う予定で、現在作業中という。
ライフコーポレーション 消費税増税に伴う価格表示について
http://www.lifecorp.jp/CGI/company/info/news/000148.pdf
スーパーマーケット「ライフ」を展開する企業。4月1日以降、価格表記を税別(外税)方式に変更することを発表した。参考として総額表記も付記するとのことだが、店内全商品での対応は困難としている。
西友 価格表示変更のご案内
http://www.seiyu.co.jp/information/important/2014/2956.php
西友では消費税改正に先立つ2月18日から、すでに価格の税別表示を開始済み。消費税分はレジにて加算する。また、増税直前のまとめ買いセールを各店で実施中という。
消費税率変更に伴う措置等についての概要【第2報】(日本書籍出版協会・日本雑誌協会)
http://www.jbpa.or.jp/pdf/documents/shouhizei201304.pdf
国内で出版される書籍・雑誌の価格表記についてのガイドライン。「本体価格○○○円+税」などの表記を行うことで、今後の税率変更にも対応していく。
日本レコード協会 消費税率の変更に伴う当協会会員社の価格表示対応について
http://www.riaj.or.jp/release/2013/pr131118.html
日本レコード協会加盟社から発売される音楽CDは、段階的に税別表示を開始。書籍と同様、「定価:¥3,000(本体)+税 」などの表記が記載される。
日産:クルマにまつわるお金の話。
http://www.nissan.co.jp/CONFIGURATOR/MONEY/
100万円を超える高額商品ともなれば、3%増税の負担は重い。その代表格は車だろう。日産では、8%消費税の導入に伴う差額などの情報をまとめている。なお、税金の計算は「登録日」または「納車日」に行われる。このため、3月中に車が届かない限りは、3%負担が増えることになる。
大和ハウス工業 消費税について
https://www.daiwahouse.co.jp/live/shouhizei/
住宅(建物)の“購入”については、消費税がかかる。税金の計算日は車とほぼ同じ考え方で、引き渡し日が基準。このため、3月中に買う家をこれから選ぶ人は少ないだろうが、もしかすると…?
国税庁 税について調べる 消費税 課税取引・非課税取引
https://www.nta.go.jp/taxanswer/shohi/shou302.htm
将来、食品などの生活必需品に軽減税率を適用するかどうか、巷では議論されているが、現時点で消費税が完全非課税となっているものもある。国税庁の解説によると、土地の譲渡や貸付、住宅用としての建物の貸付、社会保険医療の給付などは非課税。