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「ウイルスを検出した」偽の警告でアプリのインストールへ誘導する手口、6月に相談が急増

 Android端末においてウェブサイト閲覧中に、突然「ウイルスを検出した」という警告メッセージが表示されたという相談が増加したとして、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)がユーザーに対して注意を促している。同様の相談はこれまでも毎月数件程度寄せられていたが、6月は28件に急増した。

ウイルス検出の偽警告メッセージからアプリのインストール画面への遷移。警告メッセージの出力元(広告主)と誘導されるアプリの開発元の因果関係は判明していない。また、Googleのロゴマークが表示されているが、利用者を信じ込ませるために配置しているものと考えられる

 相談から得られた情報によると、警告メッセージによってインストールを促されるアプリは複数種あり、いずれのケースでも公式マーケットである「Google Play」に誘導される。

 これは実際のウイルス感染によって表示されたものではなく、特定のアプリをインストールさせるための一種の広告と考えられる。そのため、警告メッセージの内容を鵜呑みにせず、画面が表示された場合にはブラウザーのタブを閉じるようIPAでは案内している。

Google Nexus 6の端末で警告メッセージを拡大したもの。全体的に日本語として不自然な表現になっている

 警告メッセージの中には「Google Nexus 6」のように実際の利用端末の機種名が表示される。通常のウェブサイト閲覧(通信)では、アクセス時に使用している利用端末やブラウザー、搭載OS、送信元IPアドレスといった情報がアクセス先のウェブサイトに送信される。これは標準的な通信の仕様であり、ウイルス感染などによる情報流出ではないこともIPAでは説明。また、「仮に誘導に従いアプリをインストールした場合でも、何かしらの被害に発展する可能性は低いと考えられる。しかし、インストールしたアプリが不要であれば、アンインストールするのが賢明」としている。