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楽天、「Kobo Aura ONE」発売、「より完璧に近い読書体験を提供」
2016年9月6日 17:41
楽天は6日、電子書籍端末の新製品「Kobo Aura ONE」を発売した。価格は2万2800円(税別)。楽天Kobo電子書籍ストアのほか、ビックカメラ各店舗や、「書店内Koboストア」が設置されている蔦屋書店、三省堂書店、有隣堂などの書店店頭でも販売されている。
Kobo Aura ONEは、競合であるAmazon Kindleの6インチや、従来のKobo端末と比較すると大型となる7.8インチE inkディスプレイを搭載。解像度は1872×1404ピクセルで、画面サイズを大型化しながら、300ppiを維持している。
本体の厚みは6.9mmとシリーズ最薄で、その分バッテリーの容量は1200mAhと多くないが、1日30分の利用で約1カ月稼働する。重量も230gと、7.8インチディプレイ搭載デバイスとしては軽量だ。本体サイズは138.5×195.1×6.9mm(幅×長さ×厚さ)。
ディスプレイの表示領域はハードカバー程度の大きさで、より多くの文字を表示できるため、ページめくりの頻度を減らすことができる。コミックなどを読むにも向いた端末と言えるだろう。カードスロットは非搭載ながら、本体に8GBのストレージを内蔵しており、楽天ではテキスト主体の電子書籍を約6000冊、コミックを約300冊保存可能としている。
フロントライトには、光が直接目に入らない「ComfortLight Pro」技術を採用する。このほか、設定された「就寝時間」に応じて、ブルーライトを抑えた電球色へ光を徐々に変化させる調色機能「ナチュラルライト」機能も装備する。画面の明るさは、読書中に画面の左端を上下にスワイプすることでも調節できる。
防水技術「HZO Protection」により、「Kobo Aura H2O」を上回る水深2mの環境下で最大60分の使用が可能なIPX8の防水機能も備える。端末内部に塗布されたコーティング技術により、Micro USBポートカバーなしでも浸水に耐えるとのことだ。
こうした大型のE Inkディスプレイの採用やフロントライトの搭載、防水性能といった機能は、開発を行っているカナダにおいて、電子書籍のヘビーユーザーに集まってもらい、その声を実際に聞くことで、ニーズをくみ取ったものだという。
このほか、ウェブサイトを登録して“あとで読む”ためのウェブサービス「Pocket」にも対応するほか、Kobo端末では初めて4桁の暗証番号による端末ロック機能を搭載している。
CPUはSolo Lite iMx6(1Ghz)、RAMは512MBを内蔵する。インターフェースはIEEE 802.11b/g/nの無線LANとMicro USBを装備。PCでの電子書籍の購入や閲覧、Koboとの同期やファームアップが行える「楽天Koboデスクトップアプリ」により、PCからEPUB/EPUB3/PDF/MOBI/JPEG/GIF/PNG/BMP/TIFF/TXT/HTML/RTF/CBZ/CBRの各形式のファイルを転送して利用することも可能だ。
Rakuten Koboプレジデント兼CEOのマイケル・タンブリン氏はKobo Aura Oneについて、「読書を妨げる障壁を撤廃し、もっと本を読めるように読書体験を改善すること」を目標に開発を進めたと述べ、「より完璧な読書体験に近づけ、最終的には、どんな場所でも快適に読書をできる環境を提供したい」と語った。
楽天株式会社常務執行役員デジタルコンテンツカンパニープレジデントの相木孝仁氏によれば、Koboの電子書籍市場は、日本国内を中心に拡大しているという。2016年第2四半期における流通総額は、Koboの開発を行っているカナダを含む世界全体では前年同期比16%の成長にとどまる一方、国内での成長は64%増となっており、3月からのポイント20倍キャンペーンも手伝って、日本が大きなけん引役となっているとのことだ。
2012年7月からサービスを開始したKoboは、パートナーシップにより世界190カ国で、さまざまなジャンル・言語の電子書籍を提供し、2700万人に愛用されているという。スマートフォンやタブレット、PCなどでは無料で利用が可能だ。
日本国内向けの電子書籍ストア「楽天Kobo」のタイトル数は40万に達した。国内全体の電子書籍市場では、約8割をコミックが占めているが、Koboではコミックの売り上げは約半分。これについて、「バランスの取れた総合書店」とした。なお、ユーザー層は男性が多いのもこの一因とした。
楽天では現在、電子書籍ストア「楽天Kobo」に加え、コミック専門の電子書籍ストア「楽天マンガ」、雑誌の読み放題サービス「楽天マガジン」と3つの電子書籍サービスを提供しているが、これについては国ごとのニーズに合わせた適切なサービスを提供することを重視した結果とした。
最新の最上位モデルである「Kobo Aura One」を発売した理由としては、「長時間読書を楽しむヘビーユーザーにとっては、どんな場所でも、どんな時間でも読みやすく使いやすい専用端末にはニーズがある」とした上で、「最高の読書体験を提供するために必要不可欠」と述べた。
なお、6日10時の販売開始から想定を大幅に上回る反響があったとのことで、15時時点で今週中に出荷を想定していた台数をすでに販売したとのことだ。