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札幌市に未来をインストールするコンベンション「No Maps」が10月5日から開催、「CEATEC JAPAN」とも連携

No Maps合同会社代表/クリプトン・フューチャー・メディア株式会社代表取締役の伊藤博之氏(前列左から2人目)とNo Maps実行委員会事務局長の廣瀬岳史氏(前列左から3番目)

 映画/音楽/インタラクティブ(IT先端技術など)のクリエイティブコンベンション「No Maps 2017」が10月5~15日、北海道札幌市にて開催される。札幌市を“世界屈指のイノベーティブなまち”にすることを目標として掲げ、新しい価値観・文化・社会の姿を提案するコンテンツを展開する。テーマは「まちに、未来を、インストール。」。社会を変える可能性のある先端テクノロジーを素早く受け入れられる「社会実験・社会実装の聖地」にすることを目指す。

 会期中は市内各地の会場でビジネス向けのカンファレンスや音楽イベント、展示会を行う。具体的には、日本を含む世界99カ国から応募された3524作品から入選した80作品を上映する「第12回札幌国際短編映画祭」(10月5~9日)、人工知能/IoT/ブロックチェーン/デジタルマーケティングなどをテーマとした50以上のセミナーを実施する「Business Conference 2017」(10月10~13日)、新技術やサービスを展示する「Trade Show 2017」(10月7~15日)、150組以上のアーティストがライブパフォーマンスを行う「Music Weekend」(10月13~15日)などがある。

 主催するNo Maps実行委員会の委員長は、No Maps合同会社代表/クリプトン・フューチャー・メディア株式会社代表取締役の伊藤博之氏。伊藤氏によると、No Mapsは、米国テキサス州で開催されるイベント「サウス・バイ・サウスウェスト(SXSW)」から影響を受けているという。「これまでバーチャル上で展開されてきたインターネットの世界が、IoTなどによってリアルの世界にも影響を及ぼし、人間の生活がIT技術によって支えられる時代にきている」と語る。

 「No Mapsはリアルな場所で新しいことを企てるプラットフォームとして活用できる。また、北海道の行政・自治体にもバックアップされているので街を使った実験も行いやすい。リアルで繋がることで本当のイノベーションが起こることを信じている」と期待を寄せた。

No Maps合同会社代表/クリプトン・フューチャー・メディア株式会社代表取締役の伊藤博之氏。「北海道は国内の総人口に占める割合も高く、土地も広いため、新しいことを実験する上で最適な場所になる」

 No Maps実行委員会委員は札幌市商店街振興組合連合会理事長、北海道経済産業局地域経済部長ら、名誉委員長は札幌市長、顧問は北海道総合通信局長、北海道経済産業局長、北海道運輸局長、北海道知事ら、北海道を代表する民間企業や官公庁、大学などが務めることになっている。また、地元のメディアパートナーやエデュケーショナルパートナーなどとも連携しており、「ALL HOKKAIDO体制」で運営するという。

「ALL HOKKAIDO体制」で実施する「No Maps」。なお、イベント名の由来はウィリアム・ギブスンの同名のドキュメンタリー映画にちなみ「地図なき領域を開拓する」という意味を込めているそうだ

「CEATEC JAPAN」と連携、大手企業とベンチャー企業との交流会も実施

 No Mapsはベンチャー企業を生み出しやすくするための起業家支援にも力を入れていきたいという。そこで、経済産業省北海道経済産業局と技術開発推進機関NEDO(New Energy and Industrial Technology Development Organization)が連携したピッチコンテスト「No Maps NEDO Dream Pitch with 北海道起業家万博」を10月11日に実施する。研究開発型ベンチャーを志す起業家などのビジネスチャンスの創出に繋げる狙いがある。

 また、CPS/IoT(Cyber Physical System/Internet of Things)の先端技術の展示会「CEATEC JAPAN」と連携することも発表された。具体的には、No MapsがCEATEC JAPANの会場にて「大企業とベンチャー企業の共創」をテーマに、事例セッションやパネルディスカッションを実施。大企業とベンチャー企業のミートアップイベントも行う。

10月5日、「CEATEC JAPAN」の会場である幕張メッセで行う

 さらに、CEATEC JAPANの「米国メディアパネル・イノベーションアワード」特別賞受賞者をNo Mapsのベンチャーカンファレンスに招待する取り組みも実施する。

10月12日、「No Maps」の会場にて実施する予定

社会実験実施に向けた体制作り、「No Maps Future Lab」設立

 先端技術の社会実験実施に向けた支援体制の構築を目的とした「No Maps Future Lab」も7月中に設立する。

 具体的な内容は決まっていないものの、No Maps Future Labを通じて今後実施する実証実験の例が紹介された。例えば、リクルートテクノロジーはブロックチェーンを活用したライブパフォーマンス演出の実験を行う。また、東京放送ホールディングス(TBS)はドローン事業を手掛けるDrone Gamesと連携し、市街地でのドローンゲームイベントを実施する。自転車シェアサービス「mobike」を展開するmobikeは、札幌市での同サービス開始と同時に、ビッグデータなどから新たな交通課題を発見するための取り組みを行う。

先端技術が浸透するための機会構築、意識啓発を行うことを目的とした「No Maps Future Lab」

 No Maps実行委員会事務局長の廣瀬岳史氏は、これらの実証実験などから「北海道でも面白いことが始められる」というインパクトが与えられることに期待する。「イベント会期中も含め、(こういった取り組みに)注目していただき、さらに発展していきたい」と語った。

No Maps実行委員会事務局長の廣瀬岳史氏

 チケットは、期間中にすべてのイベントに参加できる「プラチナパス」(予定価格は税込3万2400円)、カンファレンスやトレードショーなどのビジネスコンテンツが集中する10月10~13日のイベントに参加できる「ビジネスパス」(1万2960円)、複数のライブイベントに参加できる「ミュージックパス」(クラブミュージックのナイトイベントが2900円、ロックミュージック&アイドルイベントが3900円)の3種類をラインアップ。7月から順次発売する予定。販売方法などは後日ウェブ上で発表するとしている。