2010年度は新製品投入で「飛躍の年」に、MS経営方針説明会


マイクロソフトの樋口泰行社長

 マイクロソフトは7日、7月から始まる会計年度(2010年度)の経営方針についての説明会を開催した。マイクロソフト日本法人の樋口泰行代表執行役社長は、「2010年度は、Windows 7やWindows Server 2008 R2、Office 14などの新製品を投入する、マイクロソフトにとって『飛躍の年』になる」と位置付けた。

 樋口社長は、2009年度は世界的な経済危機により厳しい経済状況となり、これまでの成長をいったん見直す「リセットピリオド」の時期となったと説明。現在でも景気回復にはまだ力強さは足りない状況だとしながらも、多くの企業ではこの機会にレガシーなものを見直そうという動きが出ており、またコンシューマー市場ではいわゆる「巣ごもり現象」によりゲームマシンやコンシューマー向けPCなどの分野は成長を続けているとした。

 こうした状況から、2010年度の企業向けビジネスについては、ソリューションセリング体制のさらなる強化、「ソフトウェア+サービス」の加速、対競合優位性の徹底追求を注力分野としていくと説明。日本法人としては、パートナー企業との連携により、日本の高い品質要求に応えていける体制を整えていくとした。

「Windows 7」「Windows Mobile」「bing」「Xbox LIVE」がコンシューマー向けの注力分野

 2010年度のコンシューマー向けビジネスについては、日本法人副社長の堂山昌司氏が説明。コンシューマー向けビジネスの注力分野については、「Windows 7」「Windows Mobile」「bing」「Xbox LIVE」の4つを挙げた。

 Windows 7については、日本での発売日も米国と同じ10月22日に決定したことを発表。Windows Vistaではセキュリティの向上をテーマにしたが、その結果として互換性の問題などが生じてしまったとして、Windows 7の開発にあたっては、ユーザーの声をもとに「速さ」「使いやすさ」「互換性」のバランスを考慮して開発してきたとした。

 また、Windows 7の市場規模については、「ハードウェアスペックで見た場合、Windows 7に未対応のPCは現時点で一般で約1980万台、法人で約2310万台存在している」として、こうしたPCの買い換え需要などからWindows 7のビジネスチャンスは大きなものになると語った。

 Windows Mobileについては、キャリアやメーカーとの協業により新たな製品・サービスを積極的に投入していくと説明。また、アプリケーション販売のマーケットプレイスについても準備を進めていると語った。

 検索サービスの「bing」については、単なる検索にとどまらず、具体的な店舗やホテルなどを選ぶといった、ユーザーの意思決定を手助けしていくサービスになると説明。日本においては現時点ではベータ版の段階だが、時間をかけて日本に合わせたモデルを開発していきたいとして、日本ではショッピングや旅行、ヘルスケアといった分野に注力していきたいとした。

 オンラインゲームサービスの「Xbox LIVE」については、全世界で2000万人以上のアクティブ会員を抱える世界最大のサービスであり、日本でも4月にXbox 360の販売台数が100万台を突破しており、さらにオンラインでのビジネスを拡大していくと説明。2010年度にはユーザーの自作コンテンツ配信への対応など、コンテンツ配信の分野に注力していくとした。

「Windows 7」は日本でも10月22日発売Windows 7は「速さ」「使いやすさ」「互換性」のバランスがテーマに
Windows 7の開発にあたってはユーザーの声を聞くことに注力したというWindows 7未対応PCが4000万台以上あり、買い換え需要も期待できると説明

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(三柳 英樹)

2009/7/7 16:27