皆既日食ライブ中継でネット衛星「きずな」も貢献、硫黄島と接続
22日に行われた皆既日食のライブ中継について、情報通信研究機構(NICT)は23日、世界の研究ネットワークの相互協力により成功したとのコメントを発表した。ネットワークトポロジー図もあわせて紹介している。今回の映像配信に関係した拠点は合計32カ所で、使用した帯域は31.405Gbpsだったという。
日本を中心とする研究ネットワーク接続構成図(NICTの発表資料より) |
NICTによれば、今回のライブ中継では、国内では奄美大島と硫黄島、海外では中国の武漢と上海に観測拠点を設置。NICTが運用する研究・開発用ネットワーク「JGN2plus」、国立情報学研究所が構築・運用する学術情報ネットワーク「SINET3」、NTTの研究・開発ネットワーク「GEMnet2」、WIDEプロジェクトなどが協力し、それら拠点から配信される映像を日本全国や世界に配信した。
例えば、硫黄島で国立天文台が観測した映像は、インターネット衛星「きずな」(WINDS)と「JGN2plus」を経由して東京・大手町に送られ、NHKのテレビ中継やNICTによるインターネット配信に利用されたという。
また、URCF(超臨場感コミュニケーション産学官フォーラム)などのグループは、奄美大島で観測された4K(ハイビジョンの4倍の解像度)の全天映像を各地のプラネタリウムなどに配信した。
海外向けにも、米国の「Internet2」、欧州の「GEANT2」(Eはアクセント記号付)、アジアの「TEIN3」など学術研究用ネットワークに対してマルチキャスト配信され、同時に行われる実験として過去最大規模になったとしている。
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(永沢 茂)
2009/7/23 17:51
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