東芝、デジタル専用DVDレコーダーの補償金を納めず


東芝のデジタル専用DVDレコーダー「RD-G503」

 東芝は、2月に発売したデジタル放送専用のDVDレコーダーについて、私的録画補償金を期限までに納付しなかったことを明らかにした。その理由について同社は、「現行法では補償金の課金対象とするかは決まっていないため」と説明している。

 補償金はメーカー側が対象機器・媒体の価格に上乗せして販売して、消費者から徴収する仕組み。著作権法では、メーカーに協力義務があるとされている。消費者から徴収した補償金は「私的録画補償金管理協会(SARVH)」に納付され、SARVHが権利者に分配している。

 東芝は、「コピー制御を行えるデジタル専用のDVDレコーダーを対象機器とするかどうかについては結論が出ていない。この問題が明確になるまでは、消費者から徴収できない」として、2月に発売した2機種に補償金を上乗せせず、補償金納付期限の9月末までに補償金を納付しなかった。

 同じくパナソニックも、「DVDレコーダーへの補償金適用はコピー制御がなかった当時の話」としており、5月に発売したデジタル専用DVDレコーダーに補償金を上乗せせずに販売。現時点では、SARVHへの納付期限である2010年3月末までに補償金を納付する考えはないという。

 一方、文化庁の見解は「デジタル放送専用のDVDレコーダーでも、現行制度では課金対象」。メーカー側も文化庁やSARVHなどと協議を続けており、「合意が形成されれば協力義務を果たしたい」(東芝)としているが、いまだに結論は出ていない状況だ。


関連情報

(増田 覚)

2009/10/2 15:55