Winny利用者へ「ファイル削除のお願い」送信、ISPらが指針策定


Winnyユーザーに届く通知メールの例

 権利者団体やISP事業者団体などで構成される「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害対策協議会(CCIF)」は16日、「ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害への対応に関するガイドライン(案)」を公表し、パブリックコメントの募集を開始した。

 CCIFでは、ファイル共有ソフトを悪用した著作権侵害に対し、権利者団体とISP事業者が連携して対策を行うための検討を進めている。今回、ファイル共有ソフト「Winny」のユーザーへ啓発メールを送信する際の手順などをガイドラインとして取りまとめた。

 啓発メールでは、ユーザーのPCで無断に複製されたファイルがWinnyネットワーク上に公開されていることや、その違法性を説明した上で、当該ファイルを削除するよう通告する。具体的なファイル名やハッシュなども記載する。ガイドラインに添付してある啓発文書様式例では、「ファイル共有ソフト(Winny)を利用されている皆様へ~ファイル削除のお願い」というタイトルが付けられている。

 CCIFの啓発文書送付スキームへ参加する権利者団体はまず、CCIFの指定する検知ツールを用いて著作権侵害ファイルを特定・入手。それを公開しているユーザーに対して、ISP経由で啓発メールを送信する流れだ。

 ガイドラインでは、権利者団体が啓発メールの送信をISPに要請する際の条件も定めている。侵害ファイルの入手元IPアドレスや入手日時、ファイル名、ハッシュ、権利者名・権利内容なども具体的に記載することとしている。

 なお、現時点では「Winny」を使用したP2P通信を対象としているが、今後、検知ツールの正確性など、「技術的検証がなされた通信形態について、対象を広げることが考えられる」という。

 パブリックコメントはメールで受け付けており、募集期間は12月15日まで。CCIFでは、2010年より、今回のガイドラインに基づき、啓発メールの送付を実施する予定としている。



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(野津 誠)

2009/11/17 19:54