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「AIR 2」でP2Pのビデオチャットアプリなど実現

アドビが「AIR 2」説明会でサンプルアプリを紹介


アドビシステムズの轟啓介氏

 アドビは26日、アプリケーション実行環境「Adobe AIR 2.0」のパブリックベータ版に関する記者説明会を開催した。また、AIR 2.0ベータ版で構築されたサンプルアプリや、アドビが実施するAIRコンテスト優勝者によるアプリのデモも行われた。

 アドビシステムズの轟啓介氏(マーケティング本部デベロッパーマーケティングスペシャリスト)は、Adobe AIRやFlash Playerで実行できるツールやサーバー製品で構成される「Adobe Flash Platform」について説明し、それによってHD品質の動画やリッチインターネットアプリケーション(RIA)など、「いろいろなWebの革新が出てきている」と述べた。

 また、「インターネットに接続可能なさまざまなデバイスが登場している昨今に求められているものは、デバイスのスペックや状況に応じて、常に最適なコンテンツを提供するアプリケーション」だと話す。「Adobe Flash Platform」によって、さまざまな環境に対応するアプリケーションを構築できるとアピールした。

AIR 2.0やFlash Player 10.1の新機能を紹介

AIRのインストール数

 「Adobe AIR 2.0」では、マスストレージデバイスの検出が可能になったほか、関連付いたアプリケーションでファイルを開いたり、OSや他のアプリケーションとの連携を実現した。

 また、HTML5準拠のブラウザエンジン「WebKit」に対応したことで、HTML5の特徴であるブラウザ上でのドラッグ&ドロップや作画などを、AIRアプリ上で実現。さらに、IPv6への対応や音声入力(マイク)との連携も可能となった。

 このほか、ネットワーク機能も強化されており、P2P型アプリなどを構築可能なサーバー機能や、UDP(User Datagram Protocol)の送受信に対応した。また、コンテンツ保護システムの「Flash Access 2.0」と組み合わせることもできる。

 「Flash Player 10.1」については、「モバイル対応をテーマにしている」とし、今後は、Windows Mobile 6.5、Android、Palm WebOS、Symbian S60でも動作するようになるという。Flashでマルチタッチやジェスチャー、加速度センサーといった機能も利用可能だ。

 「Adobe AIR 2.0」や「Flash Player 10.1」のロードマップとしては、正式版を2010年上半期にリリースする予定としており、「日本におけるスマートフォンへの対応も2010年度中に実現するのはないか」とコメントした。


現行のAIRアプリの例。日本郵政が提供する「はがきデザインキット」 Adobe AIR 2.0とFlash Player 10.1のロードマップ

AIR 2.0の新機能を活用したサンプルアプリをデモ

 「Adobe AIR 2.0」ベータ版で構築されたアプリとして、Webシステム開発株式会社代表取締役の宮田亮氏が「airPort」を紹介した。同アプリでは、チャットやファイルの送受信などが可能。「インスタントメッセンジャーやGoogle Waveに近い」という。

 AIR 2.0の新機能である、TCP/IP通信やOSのネイティブアプリ起動、ファイルの送受信と保存などを活用。また、Illustratorでデザインし、Flash CatalystでUIを作成、Flash Builderでコーディングするといったスムーズなワークフローも実現しているという。

 続いて、有限会社ジェネフィックス・デザイン取締役の山本博士氏が、音声でソフトウェアを起動するためのツール「Voice Launcher」を紹介した。AIR 2.0の新機能であるマイク入力との連携などを活用したものだ。加えて、ジェスチャー機能を使えるアプリや、音声録音・ボイスチェンジャーアプリもデモした。

 このほか、フリーランスの有川榮一氏は、チャットアプリ「Comm On AIR2」を紹介した。AIR 2.0の新機能であるネイティブプロセスやデータグラムソケットを活用。P2P通信での動画によるチャットや画面共有が行える。「既存のアプリケーションでも実現している機能だが、それがAIRで構築できるようになったという例」とのこと。


「airPort」は現在開発中で2009年中のリリースを予定 「Comm On AIR2」画面共有では線を引くなどの描画も可能

ブログパーツをデスクトップで利用できるアプリ

 記者説明会では、「Adobe AIR Contest 2009」でグランプリを受賞した「ブログパーツデスクトップ」を、制作者の飯田建一氏が紹介した。

 「ブログパーツデスクトップ」は、ブログに設置するガジェットをデスクトップ上で利用可能にするもの。配布されているブログパーツのHTMLコードをアプリに設定することで利用できる。複数のブログパーツを登録・管理可能だ。

 飯田氏は、過去にブログパーツを開発していたことや、ブラウザで表示可能なプログラムをAIRで読み込めることなどに着目し、「ブログパーツデスクトップ」を作成したと説明。アプリにブログパーツを登録する際の画面キャプチャ機能などが苦労したポイントだという。

 「Adobe AIR Contest 2009」は、2008年8月28日から2009年8月31日までに「Adobe AIR Gallery」に登録されたアプリ160点を対象としている。コンテストの総評として、審査委員を務めた山本氏は、「AIRならではの表現豊かなアプリが多かった。グランプリは、有用性や表現力、作りこみがスバ抜けて良かった。使っていて楽しい」とコメントした。

 なお、今回のコンテストは、AIR 1.0以降で動作するアプリとなる。轟氏によれば、「今後もコンテストは続ける」としており、「次回は正式公開後のAIR 2の新機能を盛り込んだアプリ出るのではないか」と話す。AIR 2.0正式版は2010年上半期のリリース予定であるため、「コンテストは同年下半期に行われるだろう」と述べた。


ブログパーツデスクトップ デスクトップに設置したブログパーツ

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(野津 誠)

2009/11/26 17:27

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