世界で最も危険なドメインはカメルーンの「.cm」、米McAfee調査


危険なWebサイトの世界分布

 マカフィーは3日、年次報告書「危険なWebサイトの世界分布」を発表した。報告書によれば、最もリスクが高いと評価された国別ドメインはカメルーンの「.cm」で、サイト全体の36.7%にセキュリティ上の危険性があったという。一方、日本の「.jp」は最も安全と評価され、安全な国別ドメインの上位5位以内に2年連続でランクインした。

 「.cm」は2008年の調査ではランキング圏外。「.cm」は、「.com」のタイプミスで入力されやすいことから、多くのサイバー犯罪者が、タイポスクワッティング(つづり間違いのドメイン名の不正占有)を目的とした偽サイトを開設し、悪質なダウンロード、スパイウェア、アドウェア、その他の不審なプログラムに誘導しているという。

 国別ドメインで2番目にリスクが高いと評価されたのは中国の「.cn」で、サイト全体の23.4%にセキュリティ上の危険性があったという。3番目にリスクが高いと評価されたサモアの「.ws」とともに、2年連続で危険な国別ドメインの上位5位以内にランクインする結果となった。

 2008年の調査で最も危険とされた香港の「.hk」は、ドメイン管理者が詐欺に関係する登録を取り締まるために積極的な対策を講じたことから、リスクの高い国別ドメインでは34番目まで改善された。「.hk」における危険なWebサイトの割合は、2008年は5件に1件だったが、2009年はわずかに全体の1.1%にとどまった。

 このほか、一般トップレベルドメイン(gTLD)の危険度では、世界で最もトラフィック量の多い「.com」が、2008年の9位から2位に急浮上した一方で、政府ドメイン「.gov」が最も安全なドメインと評価された。

 なお、「.jp」は最も安全と評価されているが、マカフィーでは「日本には.comドメインのWebサイトも数多く存在しており、日本のユーザーが安全というわけではない」と指摘。また、世界には危険なサイトが数多く存在し、日本のユーザーはこれらのサイトと常にネットワークでつながっていることを認識すべきと注意を促している。

 調査は、米McAfeeがサイトの危険度を示すツールバー「SiteAdvisor」で利用しているデータベースなどを用いて、ドメイン別に危険なサイトの割合などをまとめたもの。リスクの高いサイトや悪意のあるプログラムのダウンロードにつながるなどの観点から、世界で最もリスクの高いドメインおよび最も安全なドメインを示した。


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(増田 覚)

2009/12/3 12:38