ドイツのダウンロード市場、年間6000万件、2.5億ユーロ規模に


ドイツのダウンロード市場の件数・売り上げの推移(BITKOMの発表資料より)

 独IT業界団体のBITKOMが11月末に発表した調査結果によると、音楽やゲーム、動画、音読教材、ソフトウェアなどのダウンロード関連の売上高が、前年比18%増の総額2億5000万ユーロに到達し、件数も前年比24%増の6000万件と、過去最大に達する見込みであることが明らかになった。

 ダウンロード市場はこのところ年率30%前後の成長率をみせており、2006年からの3年で売上高・件数とも倍増という急成長ぶり。2010年も20%程度の伸びが予測されている。経済危機はドイツも襲っているが、ダウンロード市場への影響は軽微で、順調な成長ぶりを示している。

 ダウンロード1件あたりの売り上げは平均4.10ユーロで、2008年の4.34ユーロに比較して漸減した。市場規模の拡大に加え、ネット環境の整備により、ダウンロード自体にかかる時間が短縮されていることも主因とされているようだ。ドイツではスマートフォンが普及していることから、今後はスマートフォン向けのダウンロード市場の成長が期待されている。そのために通信速度環境の整備が期待される。

 ダウンロード市場の利用者の男女比は、64対36で男性が比較的多くなっている。年齢層では、30歳以上の割合が現在増加中であり、2009年に入ってダウンロード購入した30歳以上の割合は61%と、前年比で4ポイント上昇した。ダウンロード市場に限ってみれば、“若者”の市場ではないようだ。その原因としては、ドイツでは決済手段であるクレジットカードが若年層にはあまり保有が認められていないこともあると考えられる。


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(Gana Hiyoshi)

2009/12/7 13:09