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「Google マップ」のルート検索に「徒歩で行く」モード追加


 グーグルは10日、地図検索サイト「Google マップ」で提供中の「ルート・乗換案内」サービスにおいて、新機能「徒歩ルート案内」の提供を開始した。車両では通行できない歩行者専用通路や駅の自由通路なども含めて、最適なルートを検索できる。距離だけでなく、横断歩道や歩道橋、エレベーターの有無や、交差点で曲がる回数(わかりやすさ)など、徒歩で行くことを考慮したルートを提示する。


「徒歩ルート案内」の検索結果例。階段を使っているほか、横断歩道の位置まで考慮していることがわかる

どこで道路を横断すればいいのかも、クラウドで計算して提示

 「ルート・乗換案内」で出発地点と目的地点を入力した後、プルダウンメニューから「徒歩で行く」モードを選択することで、徒歩ルートを検索できる。

「Google マップ」の「ルート・乗換案内」において、従来からの「車で行く」「電車・飛行機を使う」に加えて、「徒歩で行く」が選択できるようになった

 検索結果は、従来のルート案内と同様に地図上に青線で表示されるが、従来からあった「車で行く」モードと異なるのは、道路のどちら側の歩道を進むかや、どこで道路を横断するかといったことまで表示してくれる点だ。地図を拡大していくと、よくわかる。

 検索結果ページの左側には、ルートの距離や所要時間とともに、例えば「南西に進む 22m」「右折する 42m」「道路を渡る 27m」「歩道橋の階段を上る 12m」「下り エレベーターに乗る 55m」といった具合に、途中のポイントごとの説明も表示。また、カメラアイコンがあるポイントは、クリックすればその場所の「ストリートビュー」も閲覧できる。

 検索結果としては3パターンほどの候補が提示されるが、「車で行く」モードと同様、地図に表示されたルートをマウスドラッグすることで、経由地点を自由に変更して再検索できる。こうした再検索も含む道路のルート検索について、グーグルのプロダクトマネージャーである河合敬一氏は、カーナビ専用機でも数秒かかるほど複雑な計算処理を行っていることを説明した上で、「Google マップ」では、マウスドラッグにほぼ追従するかたちで瞬時に再検索したルートが表示されることをアピール。「クラウドでバリバリ計算して検索結果を返すという、Googleならではのスピード感」と表現した。


「徒歩で行く」モードでは、歩道橋やエレベーターも使う 「ストリートビュー」の画像で、曲がる角の様子などを確認可能

最寄り駅までの徒歩区間も案内が丁寧に

 「徒歩ルート案内」機能は、従来からの「電車・飛行機を使う」モードにも統合されている。出発地点・目的地点と最寄り駅の間の徒歩区間が、「徒歩で行く」モード同様に詳しく検索・表示するようになり、駅のどの出入り口を使うかも確認できる。これまで「電車・飛行機を使う」モードにおける徒歩区間は、まるで空中をジャンプして飛び越していくかのような円弧状の矢印表現で済まされていた。

 「徒歩ルート案内」機能の統合により、最寄り駅の候補が複数ある場合でも、駅を指定し直して検索・比較する手間が省けるほか、電車の乗り換えだけでなく、徒歩区間も合わせて考慮した最適なルートを検索できる。

 例えば、電車に1駅乗るよりも全区間歩いた方が早いといったことや、徒歩区間は多少長くなっても、通常使っている最寄り駅や乗り換えルートよりも効率的なルートなどを発見できる可能性もあるとしている。


駅入り口の位置や、駅ビルに入った後のルートも詳細に表示する

納沙布岬から久米島まで、徒歩で3518km、20日間と1時間

 さらに、通常は飛行機を乗り継ぐような長距離でも、あえて「徒歩で行く」モードで検索することも可能だ。


グーグルのプロダクトマネージャー、河合敬一氏。エレベーターは距離でいうと「0m」になるため、これをデータベースでどうのように扱うか「開発段階で闘いがあった」という

 10日に行われた記者説明会では、「普通は歩かないと思うが」と前置きした上で、北海道の納沙布岬から沖縄県の久米島までの徒歩ルートを検索・表示する様子をデモしてみせた。徒歩で進めない海上だけは船を利用することになるが、全行程3518km、所要時間20日間と1時間、1099ステップにも及ぶ徒歩ルートが示された。

 なお、「徒歩ルート案内」はこのように日本全国をカバーしているが、道路のどちら側の歩道を歩くかや、どこで横断するかといった部分までサポートしている“歩行者ベース”のルート検索・表示は、主要都市部だけになる。具体的なエリア数は公表していないが、それ以外の地方都市などでは、中心部以外は通常の“道路ベース”のルート案内と共用するかたちだという。駅出入り口のサポートも、都市部の駅が対象になる。

 河合氏によると、米国のGoogle Mapsでもルート案内機能はあるが、“道路ベース”のものにとどまり、今回のように歩道や歩道橋、横断歩道、エレベーターの位置など歩行者向けのデータまで駆使してルート案内機能を提供しているのは日本だけだ。そもそも、米国では「マンハッタンでさえ、ここまで詳細な地図データは整備されていない。街の作りがグリッド状になっており、そこまで必要ないということもある」。一方、「東京はじめ日本の街は迷路のようなもの」だとし、日本には詳細な地図データに対してのニーズがもともとあったことが大きいと指摘する。

 「ここまで詳細な地図データが歩行者に対して用意されている国は、多分、日本以外にない。Googleがすごいのではなく、日本の地図会社がこれだけのデータを整備しているということ。日本の地図好きの文化なのかもしれないし、品質に対して厳しい文化なのかもしれない。歩くことを、地図によって少しでもサポートしたいという地図業界の熱い思いがあって実現した。」


北海道・納沙布岬から沖縄県・久米島までの徒歩ルート。徒歩で進めない海だけは船を使うよう案内される。ただし、このルートでは新潟付近で少しズルをしているようにみえる

モバイル向けサービスにも実装、GPS連動や音声検索も

 「徒歩ルート案内」機能は、「Google マップ」のPC版サイトのほか、モバイル向けサービスにも実装した。対応端末は、NTTドコモのSTYLE/PRIME/SMART/PROシリーズの携帯電話(一部機種を除く)、Android携帯(HT-03A)、iPhone。基本的な機能はPC版と同じだが、提供方法や利用手順は端末によって異なる。

 NTTドコモの携帯電話では、iアプリ「モバイル Google マップ」をアップデートすることで利用可能。Androidでは「Google マップ」から、iPhoneではSafariブラウザ向けの「乗換案内」から利用できる。

 Androidでは、GPSのデータに基づいて現在地を指定したり、先日提供を開始したばかりの「Googleモバイル 音声検索」によって目的地を検索することも可能。また、ユーザーの現在位置を共有する機能「Google Latitude」で表示された友人のいる場所を経由するルートの検索も簡単に行えるなど、Androidならではの機能の組み合わせで便利に使えるとしている。

 なお、検索したルートから歩行者が外れたことをGPSのデータで検知し、自動的にルートを再検索する、カーナビにあるような機能は今のところ実装していない。


iアプリ「モバイル Google マップ」での徒歩ルート画面 Android(HT-03A)での徒歩ルート検索結果画面 地図左上に「Google Latitude」のアイコンが表示されている

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(永沢 茂)

2009/12/10 15:48

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