信頼できるユーザーレビューを発見しやすく、UCDで技術開発


 役に立ち、信頼に値するユーザーレビューを発見しやすくするための技術を、アイルランドのUniversity College Dublin(UCD)のコンピューターサイエンス研究者グループが開発した。

 ユーザーレビューには、参考になるものとならないものがあることは一般的な認識だ。そのため、役に立つユーザーレビューを、別のユーザーが評価できるようにする場合が増えてきている。しかし、評価が付けられていないレビューも多く、本当に役に立つレビューが埋もれてしまっている場合もある。

 UCDの研究者たちはこの問題を取り上げ、機械学習による解決策を提案している。この技術では、評価が付けられないでいるレビューに対して、「レピュテーション」「ソーシャル」「センチメント」「コンテンツ」の4つの要素を組み合わせ、学習させた。

 「レピュテーション」は、同じレビューアーによる他のレビューの評価を考慮に入れる。「ソーシャル」は、一般的にユーザーレビューの著者は、他のユーザーレビューを参考にし、その上でレビューを行うため、その関係性を評価する。また、ユーザーは評価の高いレビューに反応しやすい傾向があるため、その製品に付けられた点数は、ユーザーレビュー自体の評価に関係する指標だと考えるのが「センチメント」だ。そして「コンテンツ」は、レビューの形式や長さなど、質の高さを考慮する。

 こうした要素を考慮し、機械学習の技術を応用した結果、評価が行われていないユーザーレビューの中で、役に立つものを生かすことができると考えている。

 この研究は、アイルランドの大学間研究組織CLARITYのディレクターでUCD教授のBarry Smyth氏を含む研究グループによって行われた。論文は、British Computer Society人工知能年次会議で、Distinguished Paper Awardを受賞している。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2009/12/21 11:57