Googleブランドのスマートフォン「Nexus One」発売


「Nexus One」紹介ページ。日本からは購入できないが、ページ上の端末画像のボタンやアイコンをクリックして操作感を体験することなどが可能だ

 米Googleは5日、これまで一般に「Google Phone」と呼ばれ、開発が噂されていたスマートフォンを、「Nexus One」として正式発表した。Android OSやGoogleが開発したソフトウェア技術と、台湾HTC社の最新ハードウェアを結び付けた場合に、現時点で達成可能な最高水準の“スーパーフォン”だとGoogleでは説明している。

 現在、Googleが開設したWebストアを通じて販売されており、まずは米国のほか、英国、シンガポール、香港からの申し込みを受け付ける。価格はT-Mobile USAとの2年契約で179ドル、端末単体では529ドル。近く、米Verizon Wirelessおよび欧州のVodafoneからも販売する計画だという。

 「Nexus One」の本体サイズは、119×59.8×11.5mm(高さ×幅×厚さ)で、重量は130グラム(1400mAhリムーバルバッテリー含む)。前面に3.7インチ(480×800ピクセル)のタッチスクリーンディスプレイを搭載する。プロセッサーには、Qualcomm製チップセット「Snapdragon」のQSD8250 1GHzを採用。内臓メモリーは512MBフラッシュメモリーと512MBのRAM、外部メモリーは4GBのmicroSDカードで、最大32GBまで拡張できる。

 本体背面には5メガピクセルオートフォーカスカメラを搭載。LEDフラッシュやジオタグ機能も備える。マイクはAudience社の技術によるノイズキャンセル機能付きで、本体にはリモコン機能付きステレオヘッドホンミニジャックを備える。

 通信機能は、UMTSバンド1/4/8(2100/AWS/900)、GSM/EDGE(850/900/1800/1900MHz)、HSDPA(下り最大7.2Mbps)、HSUPA(上り最大2Mbps)のほか、IEEE 802.11b/g/nの無線LANをサポートする。


「Nexus One」前面「Nexus One」背面

Android 2.1搭載、音声によるテキスト入力も可能

 「Nexus One」には、最新バージョンのAndroid 2.1やGoogleアプリケーションが搭載されている。

 例えば、カーナビ機能である「Google Maps Navigation」、複数のGmailアカウント対応、ユニバーサルインボックス、Exchangeサポート、Facebookを含む複数の連絡先統合、電話帳とソーシャルアプリケーションの連絡先の簡単な切り換えといった新機能がある。

 さらに音声認識については、検索だけでなく、メール本文やインスタントメッセージ、Twitterによるつぶやき、Facebookアップデートなどの入力や、カーナビなどの操作も可能になる。

 このほか、壁紙や5つのホームスクリーンパネルによるカスタマイズ機能、高解像度MPEG4動画録画とYouTubeへのアップロード、Google Voiceといった機能も利用できる。


コンタクトリストナビゲーションアプリ

 Googleのプロダクトマネジメント担当バイスプレジデントであるMario Queiroz氏は、同社公式ブログの中でこの端末を開発した意図について説明している。「もし、パートナー企業とより緊密に働き、我々が開発している素晴らしいソフトウェアテクノロジーのいくつかをデモできるような端末を作れるとしたらどうだろう。そしてその端末を、Googleによる新しいシンプルなインターネットショッピングサイトで販売できたらどうだろうと自問した」という。そのためGoogleでは「Nexus One」を、現在最高水準にある携帯電話として“スーパーフォン”というジャンルに属すると説明している。

 従ってこの「Nexus One」は、Androidエコシステムのイノベーションのスピードを加速させると同時に、Googleの新しい携帯電話販売方法を世間にインパクトのある仕方でアピールするためのマーケティングという両方の側面を持っているようだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2010/1/6 12:59