日本電子出版協会、国会図書館に提案「民間とすみ分けを」
出版社などで構成される「日本電子出版協会(JEPA)」は5日、国立国会図書館が検討している電子書籍配信構想に対して、「出版社自らが商業的に扱いたい書籍については、国会図書館で配信しないでほしい」などとする提案を行った。
国会図書館の電子書籍配信構想とは、所蔵書籍をデジタルアーカイブ化し、ネットで有料配信するというもの。これに対してJEPAは、国会図書館の所蔵書籍のうち、出版社が販売を望む書籍は、出版社自身が商業配信を行うことが保証されるべきと主張している。
一方、出版社や著者が無料配信を許諾した書籍は、国会図書館が無料配信すればよいと提言。さらに、出版社や著者が無料配信許諾を簡便に表明できる仕組みを国会図書館のサイト上に構築すべきとしている。
これに加えて、国会図書館と出版者のサイト間に相互リンクを設け、全体としてひとつの網羅的な書籍データベースとして機能させるべきと提案。これにより、読者の利便性を向上させるとともに、出版社の商業活動の活性化も目指すとしている。
このほか、出版社が配信を許諾する権利を確保するためには、「出版社の法的権利(版面複製・公衆送信権など)を著作権法上に確立する必要がある」と指摘。こうしたことから、関係者間で協議を開始するとしている。
JEPAが提案する電子図書館の仕組み |
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(増田 覚)
2010/2/5 19:00
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