「.jp」は日本の意味、認知しているのはネットユーザーの9割


アニメ「秘密結社 鷹の爪」の登場キャラクターを使った、「.jp」ドメインのテレビCM

 ドメイン名の「.jp」は日本の意味――。この当たり前のようなことを知っていた日本のインターネットユーザーは、約9割だった。「.jp」ドメインを管理する日本レジストリサービス(JPRS)が、2009年末に放映した自社テレビCMの効果を検証するための調査でわかった。

 このCMは、アニメ「秘密結社 鷹の爪」の登場キャラクターが「『jp』は『純情なパパ』って意味ですよね?」「何を言っているんじゃ、吉田君。アドレスの『jp』には日本のサイトという意味があるんじゃ」といったやりとりをするもの。セキュリティベンダーのマカフィーが2009年12月に発表した報告書において、「.jp」が世界で最も安全なccTLD(国コート別トップレベルドメイン名)だと評価されたことを受け、家電や食品と同様、Webサイトでも「国産の安心」を大きくアピールしていた。

 放映直後は、このアニメのテイストから、冗談なのかまじめな話なのか判断しあぐねる人もいる一方で、レジストリ事業者がドメイン名認知のためのテレビCMを打つ意外性がブログなど一部で話題になった。また、このCMによって「.jp」が日本のWebサイトの意味だと知ったという書き込みも見られ、インパクトやそれなりの効果はあったようだ。

 効果検証調査は、マクロミルに委託して、関東1都7県の10代~50代の男女1030人(性・年代別に各103人)を対象に1月15日から17日までインターネットで実施した。それによると、「.jp」が日本(Japan)の意味を表していることを知っていたのは、全体の88.5%だった。CMの視聴の有無では、「CMを見た覚えがない」とした595人においても84.5%が「知っていた」と回答。さらに、「CMを確かに見た」という287人では97.8%に上った。

 マカフィーの報告書によれば、最も危険なccTLDはカメルーンの「.cm」。偽サイト開設により悪質なソフトウェアのダウンロードサイトへ誘導されるなど、「.cm」ドメインの36.7%にセキュリティ上のリスクがあったという。日本の「.jp」における危険なサイトの割合は2008年に0.1%、2009年もアイルランドの「.ie」やクロアチアの「.hr」、ルクセンブルクの「.lu」と並び0.1%。安全なドメインの上位5位に2年連続でランクインし、最も安全なccTLDと評価された。

 なお、JPRSの今回の調査では、同CMおよび「.jp」についての設問だけだったため、「.com」など他のドメインの認知度との比較などは残念ながら行われていない。


関連情報


(永沢 茂)

2010/3/5 06:00