「ServersMan@VPS」をいじり倒したい層へ、上位プランの提供開始


 ドリーム・トレイン・インターネット(DTI)は、仮想専用サーバーサービス「ServersMan@VPS」において、メモリーとストレージの容量を増やした上位プランの提供を28日に開始する。

 「ServersMan@VPS」では4月上旬より、メモリー256MB・ストレージ10GBの「Entryプラン」を月額490円で提供している。これに今回、メモリー512MB・ストレージ30GBで月額980円の「Standardプラン」、メモリー1GB・ストレージ50GBで月額1980円の「Proプラン」が加わった。スペックアップしたい場合などのプラン変更にも対応する。また、5月31日までの申し込みで最大3カ月間無料で利用できるキャンペーンを実施している。

 3プランともに初期費用は無料で、最低利用期間も設定されていない。いずれもOSはCentOS 5.4で、ユーザーにroot権限がある。また、固定のグローバルIPアドレスが1個割り当てられるほか、IPv6にも対応する。転送容量制限はない。ただし、これ以上のスペックは非開示となっている。


「ServersMan@VPS」3プランのスペック比較

 新プランの提供開始とともに、サーバーにインストールしておくアプリケーションを用途別にまとめたパッケージセットも用意した。提供されるアプリケーションは、ServersMan、Yum、Apache、FTP、SMTP、IMAP、DNS、DB(MySQL)、Perl、PHP、Java、Tomcat、BlueOnyx。

 これらのアプリケーションの組み合わせにより、オンラインストレージ用の「ディスクセット」、ホームページ用の「ホームページセット」、ソフトウェア開発やメールシステムなどのための「エンジニアセット」、サーバー機能の試用など想定した「シンプルセット」の4種類のパッケージにまとめた。例えば「エンジニアセット」では全アプリケーションが含まれる。一方、「シンプルセット」ではServersMan、Yum、Apache、Perlのみとなっている。


4つのパッケージセットと構成アプリケーション

 いずれのプランでも、申し込み時に好きなセットを選択でき、追加料金も不要。ただし、BlueOnyxが含まれる「エンジニアセット」については処理が重くなるため、「Entryプラン」では対象外にしているという。もちろん、いずれのプラン/セットを選んでも不要なアプリケーションを削除したり、ユーザー側で用意したアプリケーションを追加インストールすることが可能だ。だたし、ServersManについては再インストールする手段がないため、注意が必要だという。

 このほか、「ServersMan@VPS」のサーバー上にユーザーがドメイン名を割り当てられる独自ドメイン機能の提供も開始した。


「エンジニアセット」に含まれるサーバー管理ツール「BlueOnyx」は、「ServersMan@VPS」専用のカスタマイズ版となる

「Entryプラン」なのに、ハイエンド層が殺到?

 5月1日にDTIのチーフマーケティングオフィサー(CMO)に就任予定の植松聡介氏は、「ServersMan@VPS」について、1)最安値水準の仮想専用サーバー、2)ServersManアプリケーションやWebDAVに対応したクラウドディスク(ストレージ)、3)IPv6の検証環境――という3つの顔があると説明する。

DTIのCMOに就任予定の植松聡介氏(右)と、フリービットのグループ経営企画室戦略デザインセンタリーダーの三沢徳章氏(左)

 また、Twitterで寄せられるユーザーの声などから、使われ方について、1)サーバーを試してみたい人、自分で全部できるので何もいらない人、2)オンラインにファイルを置いておきたい人、3)Webページの運用をしたい人、4)Javaなどの開発環境が欲しい人、メールサーバーを立てている人――という4つに分類されるとした。

 もちろん、DTI側で用途を把握することはできないが、同社サポートに寄せられる質問などから判断すると、例えばDNSの逆引きが可能かとの質問が多いことから、メールサーバー目的が多いのではないかという。また、ホームページを運用しているユーザーも「ちょこちょこいる」としながらも、開発環境として、root権限で「いじり倒したい」というハイエンド層も多いと見ている。

 このように、当初提供を開始したのが「Entryプラン」だったにもかかわらず、サービスを利用するにあたってのハードルが高くなっているとDTIでは判断。サービス開始後のユーザーからの要望なども踏まえ、パッケージセットを導入することにした。

 従来通りハイエンド層を想定した「エンジニアセット」や「シンプルセット」のほか、一定の用途を想定した「ディスクセット」「ホームページセット」を用意することで、「ServersMan@VPSで何をしていいのかわからない」との声にまずは対処したかたちだ。今後は、iPhoneやAndroidなどモバイル機器のバックアップディスクとしての連携など、より個人での利用を想定した方向性も提案していきたい考えだ。

 なお、「Entryプラン」はDTIの予想を上回る反響があったとしており、サービスの申し込み後、実際に利用を開始できるまで最長で1カ月ほど待たされる状態となっている。同社では、鋭意サーバーを増強中だとしている。


「ServersMan@VPS」の構成概念図「ServersMan@VPS」の3つの顔

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(永沢 茂)

2010/4/27 19:23