「radiko.jp」公式アプリがiPadとiPod touchに対応、バッファ機能も強化
IPサイマルラジオ協議会は28日、地上波ラジオをインターネット経由でリアルタイムに聴ける実用化試験配信サービス「radiko.jp」の公式アプリをバージョン「1.1.0」にアップデートし、iPadとiPod touchの利用に対応した。App Storeから無料でダウンロードできる。
公式アプリはこれまで、GPSで位置情報の取得が可能なiPhoneのみをサポートしていたが、今回新たにiPadの3G版およびWi-Fi版、iPod touchでも利用できるようになった。GPSを搭載していないWi-Fi版のiPadおよびiPod touchでは、Wi-Fi基地局から位置情報を取得し、ラジオの配信地域かどうかを判定する。
機能面では、地下鉄やトンネルなど電波が届きにくい場所でも音声が途切れにくくする設定が可能な「バッファ時間変更機能」を強化。従来のバッファ時間は15秒だったが、新たに30秒、1分、3分から選べるようになった。「オフタイマー機能」も追加し、15分、30分、60分、90分で自動的に音声を停止できるようになった。
このほか、アプリ起動時のGPS判定の安定性や、起動時のGPS判定の速度を前バージョンの「1.0.1」より向上したという。
IPサイマルラジオ協議会では4月12日から4月25日まで、「rajiko.jp」のユーザー2万2000人以上を対象にアンケートを実施。それによれば、聴取者の約8割は男性で、年代別では30~40代が6割を占めており、地上波ラジオユーザーよりも、ネットユーザーに近い利用者層だったという。女性の利用者では、20~30代が全体の6割近くを占めていた。
聴取時間については、夕方から夜間にかけて増えており、「朝良く聞かれる地上波ラジオと補完関係になっている」(IPサイマルラジオ協議会)。利用シーンとしては、Webの閲覧や仕事、勉強をしながら聴く“ながら聴取”が多く、全体の85%が「地上波ラジオも含めて聴取時間が増えた」と答えていた。
このほか、「rajiko.jp」によって「初めてラジオを聴いた」という人は10%、同じく「久しぶりにラジオを聴いた」という人は34%に上り、IPサイマルラジオ協議会では「新たなラジオリスナーを開拓できている」と評価している。アンケート結果の詳細は、後日公開する予定。
「radiko.jp」は、都市部を中心としたラジオの難聴取エリア向け試験として、インターネット経由で地上波ラジオを配信するサービス。現在、関東の1都3県(東京、神奈川、千葉、埼玉)と、関西の2府2県(大阪、京都、兵庫、奈良)にエリアを限定して提供されている。
それぞれの地域で聴取できる放送局は、在京7局(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ラジオNIKKEI、InterFM、TOKYO FM、J-WAVE)、在阪6局(朝日放送、毎日放送、ラジオ大阪、FM COCOLO、FM802、FM OSAKA)となる。
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(増田 覚)
2010/5/28 15:15
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