電子書籍の3省懇談会、著作権集中管理や統一中間フォーマットの検討を提言


デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会(写真は3月開催の第1回会合)

 電子出版の課題や制度について検討する、総務省、文部科学省、経済産業省の3省合同による懇談会「デジタル・ネットワーク社会における出版物の利活用の推進に関する懇談会」の第3回会合が22日開催された。会合では、出版物の著作権処理円滑化に関する検討会議の設置や、多様な電子書籍フォーマットに対応するための統一中間フォーマットの策定に向けた会議の設置などが盛り込まれた報告書が了承された。

 懇談会は、日本における電子出版の技術面や制度面での課題を検討する目的で、2010年3月に3省合同で設置。これまでにワーキングチームなどで行われた討議を報告書としてまとめた。

 報告書では、書籍の電子化にあたって権利処理を円滑化するための方策として、権利の集中管理を行う組織や制度の必要性を議論するために「著作物・出版物の権利処理の円滑化推進に関する検討会議(仮称)」を設置し、具体的な検討に速やかに着手するとしている。一方、著作者と出版社の契約関係を明確にするとともに、違法複製などに対して出版社が差止請求を行えるよう、出版社にも著作隣接権を付与するという提案については、権利関係をさらに複雑にするものだという反対意見もあったことから、今後さらに検討が必要だとしている。

 電子出版のファイルフォーマットについては、国内外の多様なプラットフォームや端末で閲覧できるようにする観点から、日本語コンテンツの「中間フォーマット」を策定するための「電子出版日本語フォーマット統一規格会議(仮称)」を設置。EPUBなど海外のデファクト標準との変換に関わる技術要件も検討の上、国際標準化活動を展開していくとしている。

 このほか報告書では、電子出版端末・プラットフォーム間の相互運用性の向上に向けた環境整備、検索を容易にするための書誌情報の標準化、全文テキスト検索の実現に向けた環境整備、家族や友人などで電子書籍を貸与する方法、アクセシビリティの確保などについて、検討を行うことを提言している。


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(三柳 英樹)

2010/6/22 17:57