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シャープが電子書籍事業に参入、タブレット端末を年内発売


記者会見で披露されたシャープのタブレット型電子書籍端末(試作機)。5.5インチ型と10.8インチ型

 シャープ株式会社は20日、新たな電子書籍フォーマットとして、テキストや静止画に加えて音声や動画も利用できる「次世代XMDF」を開発し、これを核としてタブレット端末と配信サービスを組み合わせた電子書籍事業に年内に参入すると発表した。

 同日行われた記者会見では、現在開発中のタブレット端末の試作機が披露された。5.5インチ画面の端末と10.8インチ画面の端末の2種類で、年内の発売を予定しているが、価格や詳細なスペックについては今後改めて発表するとした。

 また、海外でも次世代XMDFソリューションの展開を進めていくとして、米Verizon Wirelessと電子書籍端末およびサービスの提供についてパートナーシップの協議を進めていることを明らかにした。

シャープの情報通信事業統括執行役員を務める大畠昌巳氏(左)と、米Sharpの家電マーケティング本部長を務めるボブ・スキャグリオン氏(右) 米Verison Wirelessともパートナーシップを協議中

 XMDF(ever-eXtending Mobile Document Format)は、シャープが提唱したXMLベースの電子書籍フォーマット。日本語特有の縦書きやルビ、禁則といった表現に対応し、携帯電話を中心に7000万台以上の端末が対応している。2009年2月には、XMDF記述フォーマットをベースとした国際標準(IEC62448 Ed.2 Annex B)が成立した。

 シャープではXMDFをさらに発展させ、動画や音声、インタラクティブコンテンツなどに対応した次世代XMDFを開発。出版社や新聞社、印刷会社、取次会社などの協力を得て、端末の販売だけでなく、制作や配信も含むソリューションサービスとして、電子書籍事業に参入するとしている。

 サービスとしては、DTPで用いられているデータからの変換を行うオーサリングツールの提供や、自動定期配信を行うシステムを提供。シャープが発売するタブレット端末以外にも、様々な端末に対応していく予定で、1つのコンテンツを様々な画面サイズの機器に最適なレイアウトで変換表示するワンソースマルチユースシステムも提供していくという。

制作から配信、端末までをカバーする電子書籍ソリューションを提供 各種端末に対応するワンソースマルチユースシステムも提供する

 協力会社としては、印刷・取次では大日本印刷、凸版印刷、ビットウェイ、モバイルブック・ジェーピー、米LibreDigital、新聞では毎日新聞、日本経済新聞、西日本新聞、雑誌では週刊ダイヤモンド、日経ビジネス、プレジデント、週刊東洋経済などが紹介された。また、出版社35社による日本電子書籍出版社協会からも「電子書籍フォーマットが拡がることについて大いに期待している」という旨のコメントが寄せられている。

 年内に発売する電子書籍端末については、シャープが電子書籍ストアも提供していく垂直統合型のモデルになるのかといった質問に対しては、「具体的なビジネスモデルについては後日説明したい」として、タブレット端末の発表のタイミングなどで明らかにしていくと語った。

新聞社では毎日新聞、日本経済新聞、西日本新聞が協力を表明 雑誌では週刊ダイヤモンド、日経ビジネス、プレジデント、週刊東洋経済が協力を表明

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(三柳 英樹)

2010/7/20 17:03