Eye-Fiが自前クラウドサービス、7日間・容量無制限の写真ストレージ無料提供


「Eye-Fi View」でのアルバム共有ページの例(iPadから閲覧)

 アイファイジャパン株式会社は28日、無線LAN機能内蔵SDメモリーカード「Eye-Fiカード」のユーザー向けに、オンラインストレージサービス「Eye-Fi View」を提供開始したと発表した。保存期間が個々のデータのアップロード後7日間に制限されるが、フルサイズのデジカメ画像や動画を容量無制限で保存・公開できる。Eye-Fiのアカウントを持つ全ユーザーに無料で提供する。

 Eye-Fi Viewへのアップロードや管理、共有操作などは、同社が提供するツール「Eye-Fi Center」から行う。従来、Eye-Fi Centerはデスクトップアプリケーションとして提供されていたが、新しいウェブ版のEye-Fi Centerが用意され、PCだけでなくiPadやスマートフォン、携帯電話からも利用できるようにした。これまでウェブ上で提供していた、Eye-Fiの設定ツール「Eye-Fi Manager」も統合されている。

 アップロードした写真の共有機能としては、メールでの連絡を想定した機能を用意した。共有したい写真を選択し、メール送信ボタンをクリックすると、それらをアルバムとして公開する共有ページが生成され、一意のURLが発行される。これを知人などに送信することで、そのアルバムを公開・共有できる。共有ページでは、ウェブブラウザー上で画像を閲覧できるほか、フルサイズの画像ファイルを個別に、またはまとめてZIPファイルでダウンロード可能だ。


Eye-Fi Centerメールサービス/ソフト選択画面

 なお、Eye-Fi Viewの共有機能では、手軽に写真を共有できることを前提としており、共有ページへはID・パスワードなどのログイン操作なしにアクセスできる。アルバムの保存期間は、その中に含まれる最新の写真のアップロード時点から7日間に限定されるが、URLがわかれば誰でもアクセスできるため注意が必要だ。

 アイファイジャパンによると、現在、多くのオンライン画像ストレージサービスが提供されているにもかかわらず、特に初心者などを中心に最も多く利用されている共有手段がメールなのだという。同社では従来、他社のオンライン画像ストレージにアップロードできる連携機能を提供していたが、それらのサービスのアカウント登録やログイン認証などが初心者にはハードルになっていたと説明する。

 今回、自前のサービスにより、Eye-Fiのアカウントを持たないユーザーも含め、ログインなしにアクセスできるようにしたことで、こうしたユーザー層がデジカメ写真を手軽に共有できるようにしたとしている。

 無料サービスのほか、有料の「Eye-Fi Premium」も同日より提供を開始した。月額480円または年額4800円の同サービスを契約することで、保存期間が無期限となる。Eye-Fi Premiumでは今後、ユーザーの要望など聞きながら徐々に機能拡張していくことを予定しており、RAWデータのアップロード対応なども検討していく。

 アイファイジャパンの田中大祐代表取締役は、ローカルHDD内にデジカメ写真などを保存するような、PCでのデジカメ写真の楽しみ方はすでに確立されているが、iPadやスレッドPC、Android端末、スマートフォンなどでの楽しみ方はまだ確立されていないと指摘する。こうした端末では、HDDを増強してローカルに写真を保存するとは考えにくいとし、Eye-Fi Viewのフリーミアムモデルにより、今後のオンライン写真ストレージのスタンダートの位置を獲得したいとしている。当初、Eye-Fi Viewのユーザーの5%程度、その後20%程度が有料のEye-Fi Premiumを契約することを想定しているという。


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(永沢 茂)

2010/10/28 13:27