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フリーペーパー・ネット・FMラジオで来日した外国人向け情報発信

神奈川新聞、ゼンリン、富士の3社が新会社設立


 株式会社神奈川新聞、株式会社ゼンリン、富士株式会社の3社は、新会社「羽田空港ベイエリア情報発信事業有限責任事業組合(略称=羽田空港Free Time LLP)」を設立。外国人をターゲットにフリーペーパー、インターネット、FMラジオを絡めた情報発信を行う。

 新会社は、中国、米国など海外から日本を訪れる外国人を対象に、日本の文化、芸術、食、美容、ファッションなど幅広い情報をフリーペーパー、インターネット、FMラジオを組み合わせて発信する。昨年、国際空港となった羽田新国際空港ターミナルが旅のハブとなっていること、今後この取り組みを地方に波及させる際の情報のハブとすることをイメージし、羽田空港を社名に取り入れた。

株式会社神奈川新聞社 代表取締役社長 堀田憲司 氏 株式会社ゼンリン 代表取締役社長 高山善司 氏 富士株式会社 代表取締役 眞柄泰利 氏

フリーペーパーは、中文と英文のバイリンガルで記事掲載

新会社が発行したフリーマガジン「自由時間」

 フリーペーパー「自由時間」は中国語、英語のバイリンガルで情報を掲載し、羽田空港国際ターミナル到着ロビー、羽田空港に乗り入れる東京MKタクシーで配布するほか、北京市、上海市などの旅行代理店、外事弁公室、北京大学など日本語コースのある大学とホテルでも配布を予定している。10万部を発行し、うち4万部を中国で配布する計画だ。

 すでに米国での配布も計画中で、社団法人日米協会などと実施を検討している。

 インターネットは新規にサイト「freetime.co.jp」を英語、中国簡体字で起ち上げ、情報を発信していく。さらにメディアパートナーであるOKwaveがFacebook上で提供している多国語サービス「ARIGATO」と連携。20言語に対応するこのサービス「ARIGATO」は、人力で世界各国の人が翻訳を行い、必要だと思う情報に答え、助け合うサービス。1f60カ国から寄せられる様々な応答を、旅行者向けに有効活用する。

 株式会社オウケイウェイブ 代表取締役社長 兼元謙任 氏は、「当社のサービスは機械翻訳もできるが、人力で教え合う、助け合うことが基本で、その仕組みを今回のサービスに活かしたい」と説明した。

 さらに、すでに中国語での情報提供を行っているオールアバウトのコンテンツ、写真の提供をフォトハイウェイ・ジャパンから受け、日本の情報を発信していく。

 FMインターウェーブは、首都圏向け放送を行っているが、在日外国人向け放送を実施しており、スマートフォンなど情報端末を持たない外国人向けに音声でのコンテンツ提供を行う。

新会社の設立目的 新会社の事業内容 今回のプロジェクトのメディアパートナー
インターネットを活用したOKwaveとの協業とFacebookとの連動 OKwaveの提供するFacebook向けサービス「ARIGATO」による多国語のQ&Aの例 今回のプロジェクトで地域展開を行う狙い
株式会社オウケイウェイブ 代表取締役社長 兼元謙任氏 エフエムインターウェーブ株式会社 代表取締役社長 川原 愼氏

収益の柱は広告と中国―日本のビジネスマッチング

 収益は広告と、中国で起業している人と日本の企業などをビジネスマッチングさせることで獲得する。

 今回のプロジェクトのスキームを起ち上げた、富士株式会社の眞柄泰利社長は、マイクロソフトの専務をつとめた経歴を持つ。同社退社後、富士を起ち上げ、中国市場をターゲットとしたマーケティング活動や、中国人向けポータルサイトの運営などを行っている。今回のプロジェクトの狙いについて、次の様に説明する。

 「今回のプロジェクトは、羽田空港周辺のベイエリア、東京、神奈川、千葉の情報を紙、インターネット、FMラジオを使った音という3つを絡めて提供する。このモデルは首都圏だけでなく、地方でも可能だと考えているので、地域発のより濃い情報を世界に向けて発信するビジネスモデルを構築したい。」

 神奈川新聞社の堀田憲司社長は、「羽田を訪れる中国人、欧米人などの観光客に向けて、神奈川県を含めた地域情報を発信し、外国人の購買力を呼び込みたい。一極集中ではなく、日本全国に外国人購買力を分散させる仕組みが出来ないかということで今回のプロジェクトを開始することとなった。黙っていては外国人観光客が地方に足を運んでくれない。今回、羽田からスタートし、地方紙の強みである地域情報を、各地域と連携して発信していくことができれば」と羽田をスタートに、全国の地方都市情報の提供の仕組みを作る意向であると説明した。

 ゼンリンでは、同社が持つ地図に地域情報を付加したサービス「Actiz」を展開していることから、「人が移動することでビジネスが生まれるのは明確なこと。当社はベーシックな地図の上に情報を載せて提供するActizというサービスを提供する試みを行っている。このサービスは川崎市の3つの区で提供しており、今回のプロジェクトをきっかけに地方から情報があがってくることを期待したい」と、今回のプロジェクトをきっかけとして地方各地に波及することを期待するとした。

観光庁長官、川崎市長も歓迎コメント

 発表会に参加した観光庁の溝畑宏長官は、「観光立国日本という目標を掲げ、年間3000万人の観光客獲得し、地域経済活性化につなげるために活動しているが、昨年実績は861万人。3000万人の観光客獲得にはもっと努力しなければならない。今回のプロジェクトは、フリーペーパー、インターネット、FMラジオ、さらに自治体が結束し、外国人を呼び込むモデルケースとして大変有り難いプロジェクトだ」とプロジェクトを賛同していることを強調した。

 やはり会見に参加した川崎市の阿部孝夫市長は、「川崎市が何故観光?と思われるかもしれないが、最近では産業観光として工場夜景ツアーや、音楽の街などといった面もある。また、今年9月3日には登戸駅近くに、ドラえもんミュージアムがおーぷんする予定で、新参者ではあるが、結構、観光資源はあり、新しい川崎市のイメージを広げたい」と外国人観光客集客に前向きであることをアピールした。

 発表会には、「自由時間」に寄稿しているタレントの服部真湖さんも出席。「私自身、15歳の時に羽田から海外に行き、現地の方に色々と助けて頂いた。今回は日本ならではの情報を発信することで、日本に来る海外の皆さんのプラスになるような原稿を書いていきたい」と話した。

溝畑宏 観光庁長官 阿部孝夫 川崎市長 タレントの服部真湖さん
新会社の組合員である3社の社長と、溝畑宏観光庁長官、阿部孝夫川崎市長、タレントの服部真湖さん 人民中国雑誌社東京支局長代理である単涛氏、FMインターウェーブの川原愼社長、オールアバウトの江幡哲也CEO、オウケイウェイブの兼元謙任社長、フォトハイウェイ・ジャパンの祖山博史社長も交えて

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(三浦 優子)

2011/1/28 18:30