マカフィー、Android OS向けセキュリティ製品を投入へ


 マカフィー株式会社は11日、Android OS向けのセキュリティ製品を4月から6月をめどに発売することを明らかにした。

 個人向けには、悪質なアプリやウイルスを検出する「VirusScan Mobile」と、紛失した端末を遠隔操作で保護する「WaveSecure」の2製品を投入する。いずれもAndroid 2.1/2.2に対応し、今後は最新のバージョンもサポートする。価格や販売形態は検討中だ。

VirusScan Mobileの機能概要WaveSecureの機能概要

 VirusScan Mobileは、端末にダウンロードされるAndroidアプリや添付ファイルなどを自動的もしくは手動でスキャンできる。個人情報を盗んで攻撃者に送信したり、通話を強制的に終了するなどの悪質なアプリやウイルスを検出する。

 なお、マカフィーは2010年12月、Android OSを搭載するソフトバンクモバイルのスマートフォンを対象に、Androidマーケット経由で「スマートセキュリティpowered by McAfee」の提供を開始している

 VirusScan Mobileは、スマートセキュリティpowered by McAfeeと機能は同等。Android OSを搭載するソフトバンクモバイル以外の端末で利用できるようになる。

VirusScan Mobileの操作画面

 WaveSecureは、端末を紛失したり盗まれた際に、あらかじめ登録したスマートフォンやブラウザーを通じて、遠隔操作で端末の位置確認、ロック、データ消去などが行える。また、クラウド上のデータベースに端末内のデータを自動バックアップする機能も備える。

 WaveSecureは現在、1ライセンス19.9ドル(年間契約)で英語版のダウンロード販売を行っているが、日本での価格や販売形態は未定。マカフィーは、Android 3.0を搭載するタブレット端末向けのWaveSecureも開発しているという。

WaveSecureの操作画面ブラウザー経由で紛失した端末の位置情報を確認できる

個人ユーザーから法人ユーザーまでを包括的に保護

マカフィーの田中辰夫氏(CSB事業本部長取締役常務執行役員)

 企業向けには、Android OSやiOS、Windows Mobile、Symbianなど、広範囲なOSに対応するモバイル端末管理ソリューション「Enterprise Mobility Management(EMM)」を4月1日に発売する。

 企業のネットワークに接続するモバイル端末に対してシステム管理者は、ポリシーや機器証明書の配付、アプリケーションの削除、端末の状態監視などが行える。初年度のサポート料金を含む想定価格は、11~25台で1ライセンスあたり1万8606円。

 マカフィーによれば、同社は全世界で約1億8000万台のモバイル端末にセキュリティサービスを提供しており、日本では2004年から国内初となる携帯電話向けのウイルス対策ソフトを提供したという。

 2010年には、企業向けモバイル管理ソリューションを手がけるTrust Digitalと、個人向けモバイルセキュリティサービスを手がけるTenCubeを買収するなど、包括的なモバイルセキュリティに注力してきた。

 11日に開かれた記者説明会でマカフィーの田中辰夫氏(CSB事業本部長取締役常務執行役員)は、「個人の端末を保護するだけでなく、個人の端末を企業ネットワークに安全に接続可能にする包括的なソリューションが強み」とアピール。個人と法人のあらゆる市場ニーズに対応していきたいと語った。


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(増田 覚)

2011/3/14 11:22