さくらインターネットら、無償キャッシュサーバー利用を公的機関に呼びかけ
【17日更新 CDNJを追加】
東日本大震災に際して、公的機関などのWebサイトへアクセスが集中し、サーバーへ接続できないなどの支障をきたしている。ICT関連各社では、こうした事態の解消に向け、負荷低減のため無償で支援する動きが広がっている。
そうした支援を提供している企業の1社、さくらインターネットの田中邦裕社長は、負荷軽減策の1つとして、キャッシュサーバーやミラーサーバーを使った負荷低減方法を、ブログで紹介した。
公的機関のWebサイトへ利用者からのアクセスが集中すると、Webサーバーや回線が圧迫されるため、アクセスが不能になってしまう。こうした場合、キャッシュサーバーを用いて、集中するアクセスをいったん受け、そのアクセスをまとめてWebサーバーに接続する方法によって、負荷を軽減させることができる。
これを利用するためには、「事業者側でキャッシュサーバーに登録を行い、サイト管理者は、ドメイン名に割り当てられたIPアドレスを、Webサーバーからキャッシュサーバーへ変更するだけです」と、田中社長は紹介している。
キャッシュサーバーを利用しない場合、アクセスが集中するとWebサーバーに接続できなくなる |
キャッシュサーバーを用いてアクセスを中継することにより、Webサーバーの負荷を軽減させる |
また、ミラーサーバーやCDN(コンテンツデリバリネットワーク)を用いて、既存のWebサーバーをミラーし、アクセスを分散させる方法も提供可能とのこと。
ミラーサーバーやCDNによってアクセスを分散させることもできる |
なお、キャッシュサーバー、ミラーサーバーのみを開設することも可能だが、田中社長は「ゾーン情報の変更をおすすめしています。大元のWebサーバーのトラフィックが減らせない限り、有効性が低減されてしまいます。Aレコード、もしくはCNAMEレコードを編集いただければ幸いです」とアドバイスしている。
現在、こうした支援の提供が確認されているのは、
- IBM(sbcloud@jp.ibm.com)
- IIJ GIO(gio-rr@iij.ad.jp )
- JAWS-UG(Japan Amazon Web Service Users Group、Twitter:@KenTamagawa)
- Microsoft Azure(info311a@microsoft.com、Twitter:@shin135)
- さくらインターネット(Twitter:@kunihirotanaka/@naoto_matsumoto)
- アカマイ(relief@akamai.com、Twitter:@akamai_jp)
- Jストリーム
- シーディーネットワークス・ジャパン(CDNJ、info@cdnetworks.co.jp)
の各社・団体。
田中社長は、「現状を少しでも解消するため、全面的な協力をさせていただきますので、担当者にお知らせいただければ」と呼びかけている。
関連情報
(石井 一志)
2011/3/17 16:05
-ページの先頭へ-