フリービット第3四半期決算、東北地方の震災後のトラフィックも紹介


震災の影響で説明会は動画での公開となった

 フリービット株式会社は15日、2011年4月期の第3四半期連結決算を発表した。第3四半期までの連結売上高は170億800万円、営業損益は1億4700万円、経常利益は300万円、純損益は2億7300万円。

 ネット広告事業などを手掛ける株式会社フルスピードの子会社化などにより売上高は前年同期比62.0%増となったが、フルスピード子会社でアパレル事業を手掛けるギルドコーポレーションの評価減計上などで赤字決算となった。コア事業であるインフラ事業については順調に推移しているため、フリービットではノンコア事業のギルドコーポレーションについては、早期の売却に向けて現在交渉を進めていることを明らかにした。

 15日に予定されていた説明会は、震災の影響によりネット上に動画を公開する形となった。フリービットの石田宏樹代表取締役社長は、東北エリアのトラフィック状況を示し、各県で地震発生直後にトラフィックが急減したことがわかるが、宮城、福島、茨城以外は通常のトラフィックに戻ってきていることを紹介。フリービットグループとしては、電力問題などに万全の対応を行い、社会インフラであるインターネットの運用面での貢献を行っていくとともに、フリービットの特徴を生かした貢献策の検討を進めており、近日中にスタートしたいとした。

東北エリアのトラフィック

 中国事業の進展としては、フリービットと中国aigoの合弁会社Smart Cloudが開発したクラウドプラットフォーム「筋斗雲」を標準搭載した「筋斗雲携帯」が、中国チャイナユニコムの「戦略的スター商品」として発表されたことを紹介。また、フリービット、aigo、Smart Cloudの3社で共同開発した、SDカード単体でサーバーとして動作する「ServersMan@SD」にも、詳細発表前の段階から多数の問い合わせがあり、機器メーカーやソリューションベンダー、監視市場、通信事業者などにセールスを進行中であることを明らかにした。

 「ServersMan@SD」は、SDカード内にCPUとWiFiモジュール、メモリモジュールなどを搭載し、カード自体がServersManのノードとなってウェブサーバーとして動作する。石田氏は、ServersMan@SDを接続することで、SDカードスロットを持っている製品がすぐにネットワーク家電として利用可能となり、様々な機器同士が連携して相互に通信を行う世界が実現できると説明。メーカーや通信事業者などからは、ServersMan@SDとMVNO接続サービスを組み合わせた形での提案が多いとして、今期末から来期にかけて売上化を予定しているとした。

チャイナユニコムが「筋斗雲携帯」を発表ServersMan@SDによりSDカード対応家電がネット家電になる

 第4四半期および来期に向けた戦略としては、IPv4アドレスの中央在庫枯渇という状況を迎え、IPv6接続サービス「Feel6」の提供開始に向け準備中であることを紹介。また、子会社のエグゼモードについては、Aigo製品の販売と企画市場調査を行う形へのビジネス構造変換を6月までに完了し、今後はタブレット端末の「Aigo Pad」や、ミュージックプレーヤー製品、フォトフレーム、NASなど、日本市場でも競争力のあるAigo製品の取り扱いを進めていくとした。


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(三柳 英樹)

2011/3/18 11:01