Androidタブレット活用の生活系宅内サービス基盤、「eo光」加入世帯で試験


「eoスマートリンク」試験サービスで宅内情報端末として使うAndroidタブレット、サムスン製のSMT-i9100

 株式会社ケイ・オプティコムは2日、同社のFTTHサービス「eo光ネット」の加入世帯において、Androidタブレット端末からさまざまな生活系のサービスを利用できるプラットフォーム「eoスマートリンク」のトライアルを6月末より開始すると発表した。

 宅内に設置するホームゲートウェイ(HGW)に、電力計をはじめとする各種センサー、ホームセキュリティ機器、体重計・血圧計や基礎体温計などのヘルスケア機器、デジタルテレビやHDDレコーダーなどのAV機器を接続することで、FTTH経由で各機器を遠隔監視・制御できるプラットフォームを構築。そのプラットフォーム上でサービスプロバイダー各社が、さまざまな「ホームICTサービス」を展開できるようにする。


「eoスマートリンク」の事業モデル

 具体的に想定しているサービス・機能としては、エネルギー使用量を可視化して家庭の省エネを支援するサービス、日々の健康データを蓄積・グラフ化して専門家からの健康指導を提供するヘルスケアサービス、外出先からの施錠確認や照明・家電の制御、DLNA対応機器によるAVコンテンツの宅内共有などを挙げている。

省エネ支援サービスヘルスケアサービス

 宅内ネットワークは「OSGi(Open Services Gateway Initiative)」により管理し、システム・端末は国際標準規格に準拠したものを採用。また、サービスプロバイダー向けにSDKを公開することで、eoスマートリンク向けのサービス・アプリの開発を容易に行える環境とする。


「eoスマートリンク」のサービス提供イメージ「eoスマートリンク」のシステム概要図

 宅内情報端末としては、汎用のAndroidタブレット端末を採用。宅内ネットワーク上の各機器の操作や管理、各種サービスへのアクセスが一元的に行える。実験では、7インチタッチパネルディスプレイを搭載したNEC製のLifeTouchとサムスン製のSMT-i9100という2機種を利用し、ホーム画面やアプリなどをeoスマートリンク用にカスタマイズしたかたちで提供する。通常のAndroidタブレットとしてアプリのカスタマイズなどユーザーで行うことも可能だが、こうした機器の操作に不慣れなユーザー向けにシンプルなホーム画面も用意した。

ホーム画面シンプル版

 ホームICTサービスのほか、ニュースや天気予報、電子書籍、折り込みチラシ、食材宅配、オンラインショッピングなど、生活系の「情報サービス」も展開する。すでに食材宅配で株式会社阪急キッチンエール関西、折り込みチラシで大日本印刷株式会社および城北宣伝株式会社が参加することが決まっているほか、二十数社のサービスプロバイダーと協議中だとしている。このほか、eoスマートリンク用のアプリマーケットも検討しているという。

 各サービスはそれぞれサービスプロバイダーから利用者に提供されるかたちで、料金も各社で設定する。ケイ・オプティコムでは、eoスマートリンクのプラットフォーム上でサービスを展開するサービスプロバイダーに対して、プラットフォーム利用料や販売手数料などを課金するビジネスモデルをとる。また、加入者向けの端末レンタルも想定している。

食材宅配サービス折り込みチラシサービス

 試験サービスの提供エリアは、大阪府北摂エリアの一部(豊中、池田、吹田、茨木、箕面)で、eo光ネットの加入者からモニター500世帯を募集する。募集期間は6月19日まで。全500世帯にAndroidタブレットを無償貸与し、まずは6月30日から情報サービスの提供を開始。追って9月末からは、スマートコンセント(無線式電力量計測器)、ネット対応体重計・血圧計、ネット対応基礎体温計、ホームセキュリティ機器などをそれぞれ10世帯程度に貸与し、ホームICTサービスについても試験する。試験サービスは11月末までを予定しており、機器の動作確認や宅内情報端末の操作性の検証、事業性や料金面の検討などを行う。


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(永沢 茂)

2011/6/3 06:00