NICT、音声で京都観光をサポートするiPhoneアプリ「AssisTra」公開


「AssisTra」の起動画面

 独立行政法人情報通信研究機構(NICT)は12日、音声で京都観光をサポートするiPhone向けアプリ「AssisTra(アシストラ)」を公開した。App Storeから無料でダウンロードできる。

 「AssisTra」は、NICTの持つ音声対話処理技術を応用し、京都観光の案内を音声で行うアプリ。「京野はんな」というキャラクターが観光ガイドとして表示され、iPhoneのマイクに向かって「桜のきれいな場所を教えて」といった質問文を話すと、音声認識により観光ガイドのページを表示するとともに、解説文の音声読み上げも行う。

 音声認識や検索などはNICTのサーバー側で行うため、利用にはネットワーク接続環境が必要となる。各ガイドのページからはさらに、「地図を見せて」「周辺のレストランを教えて」といった追加の指示も音声で行える。地図はGoogleマップ、レストラン情報はぐるなびのサービスを利用している。

 また、京都の主要観光スポット(神社仏閣、飲食店、土産物店など約2900件)を、文字入力またはメニューから検索して結果を表示する「KyoTra」の機能も搭載。こちらの機能は日・英・中・韓の4カ国語に対応するが、音声入出力には対応しない。このほか、地図にメモや写真を貼り付ける「TraMemo」機能も備える。

 NICTでは、しゃべった音声を21言語に翻訳できるアプリ「VoiceTra」を公開しており、「AssisTra」も音声対話処理技術の応用例としてアプリを一般公開した。商用化や他の地域への展開などについては現時点では未定で、NICTとしてはアプリの公開により技術を宣伝し、要望があればSDKや無償サーバーによる試行を経て、企業などにライセンス供与の形で提供していきたいとしている。

iPhoneのマイクに音声で質問すると、質問文に応じて観光ガイドの「京野はんな」が案内をする周辺の飲食店情報なども検索できる

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(三柳 英樹)

2011/6/13 17:58