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米Microsoft、Google ChromeとFirefoxの高速リリースポリシーを厳しく批判


 米MicrosoftのコーポレートバイスプレジデントでInternet Explorer(IE)を担当するDean Hachamovitch氏は27日、IE公式ブログにて、GoogleとMozillaが最近導入しているウェブブラウザーの高速リリースアップデートポリシーを厳しく批判する内容の記事を掲載した。

 同氏は「Googleの従業員とMozillaコミュニティはともに、彼らのブラウザーが消費者をサポートするために、大規模組織のニーズは満たせないと考えているようだ」と批判。そして、時代を超えて存続する企業について記したビジネス書の名著とされる「ビジョナリーカンパニー」を引用し、「消費者『または』大企業」ではなく、「消費者『と』大企業」両方をサポートするべきであり、どちらか一方のサポートしかしないのは「圧政」であると切り捨てた。

 同氏によると、大規模な組織には一般消費者にはない特有のニーズがある。例えば、POSシステムをブラウザーから利用する小売業者は、繁忙期に1日20時間PCを動かし続けなければならず、メンテナンスの時間はないに等しい。これではアップデートをする時間も、トラブルに対処するような時間もない。こうした状況は、医療・健康産業、教育機関、政府機関、インフラ企業、緊急コールセンターなど、あらゆる場所で想定される。

 こうした特殊なニーズに応え続けるため、MicrosoftはIEの5つのバージョン、7つのOS、それぞれ14個のサービスパック、96言語の組み合わせに対して、8週間おきにアップデートを出荷しなければならない。これらのアップデートすべてで安全性、安定性、コンプライアンスを満たしていなければならない。

 そのほかにも大企業などの大規模組織が特殊なニーズとして必要とするアップデートも存在する。例えば、レガシー制御システムのインターフェイスとなるJavaScriptが関係する境界値バグの修正などといったことだ。

 これら特殊なニーズに応え続けるために、WindowsとOfficeは、IEも含め、10年を超えるライフサイクルポリシーを提示し、これを守り続けている。

 同氏は「一個人であれ、大組織の中であれ、IEをWindowsで使用している人は、Microsoftの顧客である。両方の人々のためにウェブを前進させていくということは、両方をとると言うことであり、どちらかを選ぶという圧政であるはずがない」と文章を結んでいる。

 IEのアップデートに関しては、Microsoft社員の中にもリリースサイクルを高速化するべきだという意見がないわけではない。現実に同社では、現在でも存在し続けているIE6を撲滅するためのキャンペーンを展開しているほどだ。一方でGoogle ChromeとMozilla Firefoxの高速リリースによって、ウェブサイト管理者たちが苦闘を強いられていることも事実だ。ブラウザーはもはや単なるウェブ閲覧のためのツールではなく、ウェブアプリケーションを動かすためのインフラの1つになった。アップデートプロセスは、場合によってはインフラの停止を招きかねず、長年にわたってOSインフラを提供してきたMicrosoftの意見には重みがあるといえそうだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/6/28 12:11