Adobeが「Flash Player 11」「AIR 3」を発表、iOSもサポート


 米Adobe Systemsは21日、「Flash Player 11」と「AIR 3」を発表した。10月初めに提供を開始する予定だ。

 Flash Player 11とAIR 3は、AppleのiOSにもAIRを通じて対応するほか、AndroidやBlackBerry、Windows、Mac OS、インターネットテレビなど、さまざまなプラットフォームをサポートする。

 特に高速な2D/3Dグラフィックを実現したことで、ゲームプラットフォームとしての位置付けを強調しており、ゲーム会社がほぼすべての端末に高品質な2D/3Dゲームを配信できると説明。また、コンテンツ保護機能、HD画質動画配信などにより、メディア企業にもアピールしている。64ビットのサポートも注目される。

 ゲームに関連したグラフィック機能では、前バージョンと比較して、2D/3Dグラフィックスレンダリングパフォーマンスは「1000倍」高速になったとしている。ハードウェアアクセラレーションにより、数百万のオブジェクトを毎秒60フレームでレンダリングでき、Windows、Mac、インターネットテレビなどに対して、ゲームコンソール端末に匹敵する高品質ゲームを配信できるとしている。なお、10月の提供開始時には、Android、iOS、BlackBerryに関してはプレリリース版として対応するかたちになり、正式公開版としてのサポートは「近い将来」と言及するにとどまった。

 動画再生機能も強化された。iOSではAIRアプリケーションの中という制限はあるものの、H.264のハードウェアデコードによって、HD画質動画をフルフレームレート、7.1チャンネルサラウンドで配信できるとしている。

 iOSだけでなく他の端末でも、AIRランタイムをアプリとともにパッケージするCaptive Runtimeによって、ユーザーのインストールプロセスを容易にできるほか、ユーザーが別途ランタイムをインストールしたり、後にアップグレードする手間をなくすことができる。

 AIRはネイティブエクステンションをサポートし、さまざまな端末のソフトウェアとハードウェアの機能を生かすことができる。これらにはバイブレーション制御、磁力計、光センサー、デュアルスクリーン、NFCなどの機能も含まれており、端末に合わせたアプリ開発が可能となる。

 コンテンツ保護に関しては、Adobe Flash Access 3を使用した動画コンテンツの保護が可能だ。Adobe Flash AccessとAdobe Passをサポートしていることから、コンテンツのレンタルやサブスクリプション制のビジネスモデルの採用も可能になっている。

 また、Windows、Mac、Linuxにおいて64ビットを新たにサポートしたことから、これまで利用できなかった64ビット版のブラウザーでも、Flash Playerを利用できることになる。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/9/22 11:26