記事検索

「Firefox 7」正式版公開、メモリ使用量を大幅に削減


Firefox 7

 米Mozillaは28日、ウェブブラウザー「Firefox 7」の正式版を公開した。メモリ使用量削減により動作が軽快になるなど様々な改良が加えられている。また、Android版ではコピー&ペーストやアプリ終了に対応した。

 Firefox 7はWindows版、Mac版、Linux版が用意されており、Mozillaのサイトからダウンロードできる。Firefox 4以降のバージョンを使用している場合は、最新版に自動的に更新される。メニューの「ヘルプ」から「Firefoxについて」を選ぶことで、手動で更新を行うこともできる。Android版のFirefox 7も公開されており、Androidマーケットからダウンロードできる。

 Firefoxの開発チームでは、メモリ使用量を削減する「MemShrink」プロジェクトを発足させ、多大な労力を費やしてきた。Firefox 7は、その成果が大きく反映された初めてのバージョンで、Firefox 6に比べるとほとんどの場合で2割から3割、条件によっては最大5割ものメモリ使用量を削減できたとしている。

 一般的に、あるアプリケーションのメモリ使用量を正確かつ客観的に計測することは、複雑な条件が重なり合うために現実的状況では難しい。また、メモリ使用量を計測するための一般的なベンチマークが存在していないのが現状だ。そのため多くのユーザーは自分の使用条件の下でブラウザーごとの比較を行って発表するなどしており、話題を呼ぶこともある。

 こうした中でMozillaのエンジニアたちは、独自のベンチマークやテスト手法を複数開発し、メモリ使用量を計測してきた。例えば、有名ウェブサイト100種の中から30タブを繰り返し開いたり閉じたりする作業を行ったり、150のウェブサイトを連続して開くなどして測定してきたという。

 こうした測定から、Firefox 7によるメモリ使用量削減が最も顕著に表れるケースとしては、1)Firefoxを長期間開いたままにしている場合、2)大量のタブを一度に開く場合(特に画像が多く含まれるタブを含む場合)、3)大量のテキストが含まれるウェブページを開く場合、4)Windows上でFirefoxを使用する場合、5)メモリ使用量が多い他のプログラムと同時にFirefoxを使用する場合――が挙げられている。

 Firefox 7のメモリ使用量削減はブラウザーのシェア争いにも影響する可能性もある。Google Chromeはメモリ使用量が多いと指摘するユーザーもいるからだ。いくつかのユーザーの報告では、多数のタブや拡張機能を使用している場合、Chromeのメモリ使用量の多さは無視できないと指摘されてきた。そのため、メモリ使用量はFirefoxとChromeの差別化の要因となる可能性も出てくる。

 Firefox 7のもう1つの主要機能は、テレメトリー(遠隔測定)機能だ。これは、ユーザーが同意すれば、メモリ使用量、CPUコア数、サイクルコレクション時間、起動時間を匿名でMozillaに送信する。これまではMozilla内で収集したデータ、また開発者の環境の元でベンチマークを取るなどしていたが、データの信頼性には疑問があった。テレメトリーによって、Firefoxユーザーの使用状況を正確に把握できるようになることが期待される。

 Mozillaではプライバシーを保護するために、個人情報が決して送信されることがないように注意を払い、全データはSSLで送信され、個人に関係する情報は削除されるとしている。また、プライベートブラウジングモード使用時にはテレメトリー機能は使用されない。

 そのほかにも重要な改良として、Windows上でCanvasレンダリングを行う際に、ハードウェアアクセラレーションを活用して処理を高速化し、HTML5ゲームなどを高速に実行できるようになった。さらに、W3C標準であるNavigation Timingを実装し、ページ読み込み時間やサイト内遷移を回線速度、訪問者数、その他の要因と比較できるようになり、様々な端末に合わせたウェブサイトやウェブアプリの最適化を可能にしている。また、数式表示を行うためのマークアップ「MathML」への対応を強化したほか、WebSocketプロトコルバージョンを7から8に更新した。これ以外にも安定性やセキュリティに関わるいくつかの問題が修正されている。

 Android版では、ページ中の文字列のコピー&ペーストに対応した。また、AndroidメニューからFirefoxを終了し、次回起動時にタブを復元する機能の追加や、端末の言語設定を自動判別する対応などを行った。開発者向け機能としてはWebSocket APIが実装され、これによりAndroid版でも動作するリアルタイムチャットやインタラクティブなブラウザーゲームの開発が容易になった。

【追記 2011/09/29 14:00】
 米Mozillaは28日(米国時間)、「Firefox」「Thunderbird」の最新バージョンにアップデートすると、インストールされていたアドオンが消える問題が発生していることを明らかにした。

 Mozillaでは、最新バージョンへの自動更新を一時停止。アドオンが消えてしまった場合の復旧方法を紹介している。詳しくは、下記9月29日付の関連記事を参照。

【追記 2011/09/30 20:00】
 米Mozillaは29日(米国時間)、ウェブブラウザー「Firefox 7」で発生していたアドオンが消える問題を修正したバージョン「7.0.1」を公開するとともに、最新バージョンへの自動更新を再開した。インストール済みのFirefoxについては数日中にアップデートされるほか、問題のあったバージョンにすでにアップデートしていた場合も修正版が配信されるとしている。ヘルプメニューの「Firefoxについて」から、手動でアップデートすることも可能だ。


関連情報


(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/9/28 11:59