楽天市場がソーシャル化加速、店舗向けにFacebookページ開設代行


「楽天 S4」のイメージ

 楽天株式会社は6日、オンラインショッピングモール「楽天市場」において、出店店舗がFacebookやmixiなど複数のソーシャルメディアで企業ページを開設できるようにするサービス「楽天S4」を開始した。

 利用を申し込んだ店舗に対して楽天は、Facebookページやmixiページの制作を代行。店舗が楽天市場の自社ページに登録した商品を、自動的にFacebookページやmixiページにも陳列する機能も提供する。

 第1弾サービスとしては、Facebookページの開設に対応。同ページでは商品のキーワード検索や並び替えなど楽天市場と同様の機能に加えて、「いいね!」ボタンやウォールなどFacebookならではの機能が利用できる。年内にはmixiページにも対応する予定。

 楽天S4を導入した店舗は、Facebookのウォールに書き込んだユーザーと双方向的な交流が図れることで、ファンを増やせることがメリット。ファンが「いいね!」ボタンを押すことで、そのユーザーの友達を新規顧客として獲得することも見込めるという。

 年内の利用は無料。2012年以降は月額3000円および企業ページ経由の売り上げの1%を支払う必要がある。現時点では事前に申し込んだ約4200店舗が導入しており、今後は楽天市場の全3万7000店舗に向けて利用を拡大していく考え。

ソーシャルコマースに舵を切る

楽天市場の副事業長を務める執行役員の高橋理人氏

 楽天市場の副事業長を務める執行役員の高橋理人氏によれば、楽天はこれまで「ユーザー同士」「楽天からユーザー」「楽天から出店店舗」という3つの軸でソーシャル戦略を展開してきたという。

 ユーザー同士のソーシャル戦略としては、楽天市場のお気に入りブックマークをSNS上で共有できる機能を提供。これにより、SNSサイトへの投稿数は従来の約8倍、SNSサイトからの流入数は約2.5倍増えるなどの成果があった。

 楽天からユーザーに向けたソーシャル戦略としては、TwitterやFacebook、mixi上で「楽天市場お買い物部」という公式アカウントを運営。3メディア合計で30万人のファンを獲得している。

 楽天S4について高橋氏は、「本気でソーシャルコマースに舵を切っていく意志の表れ」と強調。今後は、楽天市場の同じページを見ながらユーザー同士がチャットできるツール「Shop Together」も11月に投入するなど、ソーシャル化を加速していくという。

 Shop Togetherは、楽天市場のページに専用のボタンが設置され、これをクリックするとチャット画面が立ち上がる。Facebookのアカウントによって友人をチャットに呼び出し、実店舗で買い物をするように相談しながらショッピングを楽しめるという。


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(増田 覚)

2011/10/7 06:00