米Zyngaが「Project Z」発表、Facebookに依存しない独自プラットフォームか?


 ソーシャルゲーム企業最大手の米Zyngaは11日、同社の新戦略やゲームについての発表会を開催し、その中で新しいソーシャルゲームサービス「Project Z」を発表した。現時点で公開されている情報はまだ少ないが、Facebookへの依存度を下げると同時に、独立したゲームプラットフォームを目指しているように思える。

 ZyngaによるとProject Zは、Facebook Connectを使用した「ソーシャルゲームサービス」だとしている。Zyngaのウェブサイト「www.Zynga.com」を訪れるプレイヤーに対して、同日からプレイヤー固有のタグ「zTag」を割り当てる。このタグはProject Zサービス中のすべてのゲームの中でプレイヤーのアイデンティティになる。そしてProject Zは「ブラウザーで利用できるようになる」としているが、その詳細はまだ明らかにされていない。

 Zyngaではプレイヤーの意見に耳を傾けるうちに、プレイヤーの願いとして、同じゲームを同じ時にプレイしている他のプレイヤーと繋がりたいと思っていることに気付いたという。Project Zはそのために開始したとしている。現時点でFacebook Connectを使用することが前提となっているが、Zyngaが主張していることは特定のSNSに縛られないソーシャルゲームプラットフォームだ。このことからは、ZyngaがSNSの中のゲームから、ゲームプラットフォームの中のソーシャルサービスへと移行するようにも思える。

 ZyngaはFacebookのソーシャルゲームとしてユーザーの人気を集めて企業規模を拡大してきた。しかし、Facebookが売上手数料を引き上げるなどの決定を行ったこともあり、両社の関係は悪化。Facebookへの依存がZyngaにとって大きな企業リスクとなっていた。Zyngaも株式公開を行い、GoogleのSNS「Google+」にもゲームを提供するなど、Facebookから距離を置き始めている。

 今回の発表ではこのほか、Facebookのモバイルアプリ上で動作する3つのHTML5ゲームや、Villeシリーズの新作ゲームなども発表された。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2011/10/12 11:30