IPA、人名漢字など約6万字を収録した「IPAmj明朝フォント」正式版を公開


 独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は26日、人名に使われる漢字など約6万字を収録した文字フォント「IPAmj明朝フォント」と文字情報一覧表の正式版を公開した。内閣官房情報通信技術(IT)担当室、経済産業省とともに進めている文字情報基盤事業の成果となる。

 国や地方公共団体などの行政機関では、情報システムで適切に氏名を扱うために、コンピューターに標準搭載されていない文字を外字として作成するなど、正しく氏名を表記するための取り組みを行ってきた。氏名を正確に表記したいという要望がある一方で、外字の作成や管理の手間などが、大きな課題となっていたという。

 そこでIPAは、経済産業省の委託事業「文字情報基盤構築に関する研究開発事業」において、行政機関の情報システムで人名などの漢字を効率的に扱う基盤のあり方を検討。さらに、各組織での共通基盤として利用可能な文字フォントの作成を行い、2011年5月にIPAmj明朝フォントの検証版を公開していた。

 IPAmj明朝フォントは、「住民基本台帳ネットワーク統一文字」と「戸籍統一文字」に含まれる約6万字の漢字について、既に公開している「IPAex明朝」のデザインポリシーに従って作字したもので、ISO/IEC 10646に準拠した符号化を行っている。IPAのサイトより、ライセンスに同意した上でダウンロードできる。

 今回、IPAmj明朝フォントと文字情報一覧表の正式版を公開したことにより、行政機関や行政機関内のシステムごとに外字を作成していた文字の相互参照が可能になり、住民の利便性向上や行政機関の効率化が期待されるとしている。


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(増田 覚)

2011/10/27 06:00