SP盤などのデジタルアーカイブ、国会図書館が各地の公立図書館へ試験配信


 国立国会図書館は4日、1900年初頭から1950年前後に国内で製造されたSP盤などのデジタルアーカイブである「歴史的音源」について、各地の公立図書館への配信試行を開始したと発表した。

 「歴史的音源」のうち、著作権および著作隣接権の保護期間満了が確認できた一部の音源については、すでにインターネットで公開していたが、それ以外の大部分の音源は国会図書館の施設内でのみ利用可能だった。今後、配信試行に参加した公立図書館内でも利用できるようになる。

 配信試行に参加する図書館および提供開始予定日は、山梨県立図書館(1月4日)、岡山県立図書館(1月4日)、東京都立中央図書館(1月5日)、東京都立多摩図書館(1月5日)、高知県立図書館(1月5日)、京都市立右京中央図書館(1月18日)、京都府立図書館(1月27日)、文京区立真砂中央図書館(1月29日)、北海道立図書館(1月中旬)、県立長野図書館(1月下旬)、川越市立図書館(2月1日)、徳島県立図書館(2月10日)。このほかにも17館と調整中だという。

 提供するのは、落語や長唄、管弦楽、歌劇、浄瑠璃、歌謡曲、講演、ジャズなど計2万6074件。今後も順次追加し、最終的に約5万件を提供する予定だ。

 「歴史的音源」は、日本放送協会(NHK)や一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)などによって設立された団体「歴史的音盤アーカイブ推進協議会(HiRAC)」によりデジタル化されたアーカイブ。

 4日には、国会図書館内および配信試行参加館内での限定提供5142件、インターネット提供53件の、計5195件の音源が新たに追加された。これにより音源の総数は、館内での限定提供2万5480件、インターネット提供594件の、計2万6074件となった。


関連情報


(永沢 茂)

2012/1/5 14:19