Google、検索結果ページへの「Google+」統合を米国で開始

ユーザーからは独禁法抵触を懸念する声も


 米Googleは10日、Googleの検索結果ページに「Google+」のコンテンツを統合することで、よりパーソナルな検索結果を提供する新機能を発表した。「https://www.google.com」上で英語で検索を行い、かつGoogleアカウントにサインインしている全ユーザーを対象に、数日以内に提供が開始される予定だ。

 なお、Google+でのみ公開されているプライベートなコンテンツやプロフィールなどは、パブリックなコンテンツと明確に区別して安全に表示するようにしたとGoogleでは主張している。

 一方で、Google+のコンテンツが目立つ場所に表示されることから、米Twitterからは早速懸念も表明されているほか、ブロガーたちの間では米国独占禁止法に違反していないかどうかで議論が起こっている。

 今回発表された新機能は、1)Google+のプライベートな投稿と写真の検索結果への統合、2)Google+プロフィールのオートコンプリート検索、3)検索内容に応じたパブリックプロフィールページおよび「Google+ページ」の表示だ。

 特に注目すべきは、Google+のプライベートな投稿と写真が表示されるようになったことだ。表示される内容は、ユーザー権限に依存している。例えば自分が投稿した写真や文章に加え、友人がプライベートに共有した投稿や写真も含まれる。

「Google+」のコンテンツを統合した、パーソナルな検索結果ページの例(Google公式ブログより画像転載)

 利用方法としては、旅行を計画する時に検索を行うと、友人の旅行体験や写真を見ることができ、Google検索によって自分の友人の「口コミ」情報を得られることになる。

 こうしたプライベートな情報が表示されていることを明確に理解できるように、検索結果の横には該当するGoogle+サークルアイコンが表示されるほか、「Public」「Limited」「Only You」の権限も表示される。

 検索結果ページ右上には、Google+コンテンツが表示されない場合のページ画面へ切り換えられるアイコンがあり、プライベートな情報の表示のされ方を気軽に確認できる。さらにGoogle+と同じコントロールパネルが用意されており、各種プライバシー設定を行える。検索結果ページ全体は、デフォルトでSSL暗号化されている。

検索結果ページの切り替えアイコン(Google公式ブログより画像転載)

 また、新しいプロフィール検索によって、自分の友人や知人の検索が便利になる。友人や知人の名前がオートコンプリート機能によって表示・検索でき、検索結果のプロフィールページからGoogle+で相手と連絡を取ることもできる。検索内容に応じて、一般に公開されている人々のプロフィールやGoogle+ページも表示されるようになった。

Google+プロフィールのオートコンプリート検索およびプロフィール表示(Google公式ブログより画像転載)

 しかし、一見便利なこれらの機能も、検索結果の順位の付け方や目立たせ方によっては公平さを欠くことは言うまでもない。これらの新機能が発表されてから間もなく、米TwitterのゼネラルカウンセルであるAlex Macgillivray氏は自身のTwitterアカウントで「今日はインターネットにとって悪い日になった」と強い口調で懸念を表明した。TwitterコンテンツよりもGoogle+コンテンツが目立つ位置に表示されているからだ。

 従って、まだサービスは始まったばかりではあるが、問題の性質からGoogleが独占禁止法に抵触するのではないかと懸念を示すユーザーやブロガーも多く、Googleの今後の対応に注目が集まりそうだ。


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(青木 大我 taiga@scientist.com)

2012/1/11 13:11