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「黒字化する、ユーザー還元も増やす」NAVERまとめの新構想とは


 NHN Japan株式会社は6日、特定のテーマに沿ったリンクや画像、動画などを集約して“まとめページ”を作るサービス「NAVERまとめ」を正式に事業化すると発表した。これまでは、広告収益をユーザーに全額還元するインセンティブプログラムを提供しており、実質の売り上げはゼロだった。今後は企業からの広告獲得などを通じて収益の拡大を図り、これまで以上にまとめ作成者への収益分配額を増やすとともに、早期の黒字化を図るという。

固定レート制導入でインセンティブを手厚く

 まとめ作成者に対しては、現行のインセンティブプログラムを再編。事業化を通じて得た収益を原資として、日々の広告収益額の増減に左右されない「固定レート制」を導入するとともに、優秀なまとめ作成者にはより高額の分配金を渡す「まとめ報奨金制度」を新設する。これにより、従来よりも多くのインセンティブ分配が可能になるという。いずれも3月ごろをめどに適用される。
新まとめインセンティブプログラムの概要

 現行のインセンティブプログラムは、NAVERまとめ上に掲載された広告による収益を原資とし、全ユーザーが獲得したまとめページへの「ポイント」(アクセス数をもとに独自の指標で算出)の総数をもとに、1ポイントあたりの分配額を算出する「変動レート制」を採用している。このため、1ポイントあたりの分配額は2011年10月が0.05円、11月が0.08円と、広告収益の増減に応じて単価にばらつきがあった。

 これに対して固定レート制は、1ポイント=0.20円にレートを設定。分配額は従来の2〜4倍となる見込みだ。NHN Japanの収益は、全体の収益からユーザーへの還元金額を差し引いた分となる。「ユーザーは頑張った分だけ還元される。計算が立つのが特徴」と同社執行役員の島村武志氏は話す。「会社としては固定レート制で赤字になる可能性もありますが、利益を追求する体制とすることで、サービスを成長させていきたい」。

 固定レートは事業収支の状況を勘案して四半期ごとに見直すというが、変動レートと同等、もしくはそれよりも低いレートが適用される可能性は少ないという。「新制度は現行レートよりも低くなることがないよう、これまでのインセンティブの運用実績と収益予測から慎重に導き出したものです。レートを低くする、というのは極力したくない考えですので、むしろ、なるべくレートを上げられるように事業化に力を注いでいきたいと思っています」。

 なお、NAVERまとめは2011年9月、コンテンツ連動型広告として導入していた「Google AdSense」のガイドラインに違反するまとめページがあったことから広告配信が終了。10月以降、NHN Japanグループ会社であるジェイ・リスティング株式会社の広告配信に切り替えている。その結果、分配金額は大幅に減少したが、固定レート制の導入により「還元金額がAdSense終了前の水準に戻る」としている。

常連・有望ユーザーが高額の分配金を受け取れる「まとめ奨励金制度」

 さらに、優秀なまとめ作成者を支援する「まとめ報奨金制度」では、過去作成したまとめの月間ポイント数(アクセス数をもとに独自の指標で算出)が6カ月連続で1万を超えたユーザーを「レギュラー」と定義し、分配額を1ポイント=0.7円とする。また、過去にまとめ作成経験がなく、作成したまとめの月間ポイントが1万を超えたユーザーを「ルーキー」と定義し、1ポイント=0.4円にする。
報奨金制度の流れ

 奨励期間はレギュラーが3カ月、ルーキーが1カ月となる。当月に新規作成したまとめの累計ポイントが1万を超えた場合、その期間が1カ月延長される。ルーキーは、当月に新規作成したまとめの累計ポイントが6カ月連続で1万を超えれば、レギュラーに自動的に昇格する。

 「奨励者になっても、ずっと左うちわではいられないのがポイント。ただ、高いハードルをクリアしてもらおうというのではなく、レギュラーに入るような人は、毎月のタスクを軽々と超えています。毎月厳しいハードルを設けて、“まとめインセンティブ疲れ”を引き起こすような目的ではありません。」
NHN Japan執行役員の島村武志氏

 なお、レギュラーおよびルーキーの認定に際しては、「インセンティブ目的の不正アクセスはないか」「ユーザーに推薦できるまとめを作っているか」「まとめタイトルと登録情報に不一致はないか」といった審査が行われ、問題がなければ翌月から奨励者としてのレートが適用される。

 島村氏によれば、レギュラーの対象は、まとめ作成者全体の上位5%。「インセンティブのレートが高かった2011年3月では、多い人の分配額は約40万円に達していました。こうした人がレギュラーになれば100万円を超える。夢のあるような分配をしていきたいですね」。

 事業化に当たっては、主に純広告や企画広告を販売して収益を確保する。広告営業については新たに人員を追加せず、NHN Japanに統合された旧ライブドアのスタッフが販売していく。島村氏は「ライブドア事件以降、赤字だったポータル事業を黒字化した実績がある」と営業力に信頼を寄せており、サービス単体の早期黒字化をもくろむ。2012年で5億円、2015年には30億円規模の売り上げを目指す。


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(増田 覚)

2012/2/6 11:58