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ソーシャルメディアにまつわる企業と消費者の悩ましいギャップ


 株式会社宣伝会議は17日、「企業の公式Twitter、Facebookページの印象に関する調査」「自社の公式Twitter、Facebookページの運営に関する調査」結果を発表した。

 「企業の公式Twitter、Facebookページの印象に関する調査」は、TwitterとFacebookの両方を利用しているソーシャルメディアユーザー300人を対象としたもの。一方の「自社の公式Twitter、Facebookページの運営に関する調査」は企業でソーシャルメディアを運用している担当者100人を対象としたもの。結果、企業とユーザー双方の認識に数々のギャップがあることが分かった。

 なお、今回の調査に関する詳細は「宣伝会議2012年5月15日号 NO.837」に記載されている。

苦情に関してどう対応すべきか、悩む企業

 Facebookページのウォールで、ユーザーの「前向きな書き込み」に対して企業が返信したり、「いいね!」ボタンを押したりする反応は79%のユーザーが好意的に受け取っていた。企業の担当者も前向きな書き込みに対しては75%が何らかの反応を現場で実施しており、逆に「返信しない」とした企業はわずか3%にとどまった。

 問題は「苦情コメント」に関してだ。そうしたユーザーの声に対して「返信する」とした企業の担当者は67%と、前向きな書き込みの場合と比べて8ポイント減少する。また「返信しない」割合は23%と増え、否定的な内容には反応しづらいという担当者の本音がうかがえる。しかし一方で、「苦情に対する返信がない」企業のアカウントに対して、ユーザーの65.3%が「悪い印象を持つ」と回答していた。

 ユーザーの「質問にしっかり答えてくれない企業はイメージが良くない」といった本音に対し、「リアルタイムに返信できないのが悩み」「Facebook上で答えられない質問には、結局電話の窓口を案内するだけになってしまう」「モニタリング専任者がいないため、Facebookの基本方針としてユーザーの会話はNGにしている」といった企業の苦悩が見え隠れてしている。

直接的な宣伝には閉口、でもクーポンならOK

 次に、企業がソーシャルメディアを使って商品・サービスなどを直接的に宣伝する場合はどうか。企業では担当者の8割が「直接的に宣伝するつぶやき」を実施していた。対してユーザーは「マーケティングとはいえ過度な宣伝には閉口する」「何でもつぶやかれると不快に感じることも」など拒否反応が多く見られ、好印象を抱くユーザーは3割にとどまっている。一方でクーポンなどのお得情報なら、5割のユーザーが「好印象」と答えるなど、宣伝の内容によって印象が変わることが分かった。

 企業側では「ウソの情報がユーザーに書かれてしまい、それが拡散することが時々ある。自社のみの情報であればいいのだが、競合他社もひっくるめて書かれていると対応に迷う」「キャンペーン開催時、Facebookにアクセスできない状況が起き、それが苦情になってしまったことがある」などの声が挙がっている。

過剰に警戒する企業と、それほど抵抗感のないユーザー

 最後に「自社に関するポジティブなつぶやきを検索し、そのユーザーに話しかける」という「アクティブサポート」についてはどうか。実施している企業は26%で、6割が「実施していない」と回答した。さらに「ネガティブなつぶやき」に対するアクティブサポートについては「実施している」が15%、「実施していない」が7割と、消極的な企業の姿勢がうかがえる。

 その一方で、意外なことに、約半数のユーザーがアクティブサポートに対して「好印象」を抱いていることが分かった。「悪い印象を受ける」とした回答は1割にも満たない。しかも、好印象を抱くのは「ポジティブなつぶやき」(52.7%)の場合だけでなく、「ネガティブなつぶやき」(45.3%)でもほぼ同様である。

 企業の本音としては、「アクティブサポートを実施したいが、そこまでユーザーに接触していいのか分からない」「ネガティブなつぶやきに関しては積極的にアクティブサポートを行っている。ただ、ポジティブなつぶやきに企業が割り込んでしまうと“監視されている”と感じてしまわないか危惧している」などが挙がっており、過剰に警戒する企業に対して、それほど抵抗感のないユーザーという構図が明らかになっている。


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(川島 弘之)

2012/5/18 06:00