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大きくなった新しいインターネット、始まりました〜今日「World IPv6 Launch」

Googleなど世界3012サイトがIPv6標準対応


 日本時間の6月6日午前9時、世界規模のIPv6普及イベント「World IPv6 Launch」がスタートした。同イベントに参加表明しているGoogleやFacebook、米Yahoo!、Microsoftなどのグローバル企業を含む世界3012サイト(6月6日現在)が、今後は標準でIPv6接続に対応していくことになる。

 World IPv6 Launchは、Internet Society(ISOC)が提唱して実施されているもの。昨年6月8日に開催された「World IPv6 Day」が同日24時間だけウェブサイトをIPv6対応にしてみる実験的な取り組みだったのに対し、今年のWorld IPv6 Launchは、同日以降、恒久的にIPv6を有効化しようという趣旨だ。IPv6インターネット接続環境のユーザーであれば、参加サイトのサービスをIPv6接続で利用できるようになる。

 なお、従来のIPv4にも並行して対応しており、これまで通りIPv4接続でも利用可能だ。将来的にはインターネットはIPv4/IPv6の併存期間を経てIPv6に移行すると言われているが、それにはすべてのウェブサイトやISPがIPv6に対応する必要がある。今回、世界の大手サイトやISPが対応を表明したとはいえ、多くのサイト、多くのISPでの対応はまだこれからであり、移行完了までには長い期間を要するとみられる。6月6日はいわば、IPv4からIPv6への移行に向けた本格的な取り組みが世界規模で始まった日というわけだ。

 World IPv6 Launchの公式サイトでは、参加ウェブ事業者のリストを参照可能だ。日本からのエントリーは、青山学院大学、DTI、フリービット、Geekなぺーじ、JPNIC、Mozilla Japan、NTTコミュニケーションズ、NTTぷらら、NTTスマートコネクト、NTTPCコミュニケーションズ、ぷらっとホーム、SANNET、ソニーなどの94サイトがある(6月6日現在)。

 World IPv6 Launchでは、ウェブ事業者のほか、ネットワーク事業者(ISP)と通信機器ベンダーの部門でも、それぞれ企業が参加している。ISPは、すでに加入者の1%以上にIPv6を展開しており、かつ、今後の新規加入者に対してIPv6を標準で提供することが条件だ。世界の66社がエントリーしており、日本ではKDDIとSuperCSIがある。一方、通信機器ベンダーは自社ホームルーター製品において標準でIPv6に対応することが条件。Cisco、D-Link、ZyXEL Communicationsのほか、日本のNECアクセステクニカとヤマハの計5社がエントリーしている(いずれも6月6日現在)。

IPv6のアドレス空間は約340潤個

 World IPv6 Launchにも参加しているGoogleは、6日6日付の同社公式ブログなどで、IPv6の必要性をあらためて訴えている。

 従来のIPv4のアドレス空間は32ビット(2の32乗:約43億個)なのに対して、IPv6では128ビット(2の128乗:約340潤個=約340兆個の1兆倍の1兆倍)に拡大される。IPv4アドレスはすでにRIR(地域インターネットレジストリ)の在庫が無くなっていおり、IPv6の導入がなければ、インターネットが将来に向けて成長するスペースがなくなると指摘する。

 例えば、現在でも家庭ではブロードバンドルーターを介して複数のデバイスでIPv4アドレスを共有している利用スタイルだが、IPv6が導入されなければ、これが「近いうちに数人のみならず近所全体で1つのIPアドレスを共有するような状況に陥る」という。「そして、そうしたもつれた、制約的なインターネットは、すぐに安全性および継続性の問題に直面する」。

 一方でIPv6のメリットとしては、「すべてのデバイスが直接通信できるようになることから、IPv6は革新的な新しいサービスを実現する力があるといえる」と説明している。

 World IPv6 Launchの公式サイトでは、参加各社からのビデオメッセージが視聴可能だ。Googleのチーフインターネットエバンジェリストであり、“インターネットの父”であるVint Cerf氏は、「6月6日にはGoogleをはじめインターネット全体でIPv6機能をオンにします。大きくなった新しいインターネットの始まりです」とコメントしている(YouTubeの日本語字幕で視聴可能)。


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(永沢 茂)

2012/6/6 15:44