7月1日は「うるう秒」実施、「午前8時59分60秒」を挿入して1秒長い1日に
3年半ぶりとなる「うるう秒」が、7月1日に実施される。同日午前8時59分59秒と9時00分00秒の間に「8時59分60秒」が挿入され、通常よりも1秒間長い1日になる。
うるう秒は、地球の運行(自転・公転)を観測した結果に基づく時系「天文時」と、原子時計に基づく時系「原子時」とのずれを調整するために、1972年以降、数年に1回程度のペースで実施されており、今回が25回目。
「うるう秒」実施日一覧(独立行政法人情報通信研究機構の1月31日付発表資料より) |
「うるう年」とは違って日常ではほとんど意識することのないうるう秒の瞬間だが、時報などで実感する方法もある。NTTの「117」時報サービスでは、加入電話/INSネットから聞くのと、ひかり電話から聞くのでは異なるが、ひかり電話の場合は時報音の「ポーン」を8時59分60秒と9時00分00の2回連続して鳴らすことで調整される。
一方、うるう秒の直前の100秒を、それぞれ0.01秒ずつ長くして調整するシステムもあるという。
NTT「117」時報サービスにおける「うるう秒」調整方法(6月15日付発表資料より) |
厳密な時刻管理が求められるインフラやシステムでは、1秒のずれが大きな影響を及ぼすことも考えられる。そのため、例えば時刻認証(タイムスタンプ)サービスでは、うるう秒の前後は一時的にサービスを停止することで、問題が発生するのを回避するといった対応がとられるようだ。
また、広く使われているPCなどでも、OSがうるう秒に対応していない場合は、NTPによる時刻同期が次に行われるまで1秒ずれた状態となる。Windows OSを提供しているマイクロソフトでも、同OSなどにおけるうるう秒のサポート状況について情報を公開している。
関連情報
(永沢 茂)
2012/6/29 20:11
-ページの先頭へ-