シマンテック、ノマド層も見据え、マルチデバイス対応の新「ノートン 360」


 株式会社シマンテックは19日、セキュリティソフトの新製品「ノートン 360 マルチデバイス」を発表した。その名の通り、Windows、Mac、Androidというマルチデバイスを簡単にまとめて保護できるのが特徴だという。計3台までのデバイスで利用でき、ライセンス期間1年間、価格は8980円。同日よりダウンロード販売を開始し、21日より店頭パッケージ販売を開始する。

「ノートン 360 マルチデバイス」を発表する株式会社シマンテックの吉田一貫氏(ノートン事業部リージョナルプロダクトマーケティングシニアマネージャ)

 同製品は、3つのソフト/アプリで構成。まず、Windows 8/7/Vista/XPに対応した「ノートン 360 プレミアエディション」では、ウイルス/スパイウェア対策、迷惑メール対策、ファイアウォール、ウェブサイトの安全性診断、フィッシングサイト遮断などのセキュリティ機能のほか、25GBのオンラインストレージが付いたバックアップ機能、PCのチューンナップ機能などを提供する。

「ノートン 360」メイン画面

 Mac OS X 10.7/10.8に対応した「ノートン インターネットセキュリティ Mac版」では、ウイルス/スパイウェア対策、ファイアウォール、ウェブサイトの安全性診断、フィッシングサイト遮断などのセキュリティ機能を搭載。

 Android 2.2/2.3/3.0/3.1/3.2/4.0に対応した「ノートン モバイルセキュリティ」では、ウイルス/スパイウェア対策、迷惑メール対策、フィッシングサイト遮断、紛失・盗難対策機能を提供する。

「ノートン インターネットセキュリティ Mac版」メイン画面「ノートン モバイルセキュリティ」メイン画面

 シマンテックによると、製品ごとに異なるライセンスキーが必要な各OS対応製品を単にセットにして販売するものではなく、Windows、Mac、Androidいずれも1つのライセンスキーでアクティベートして管理できるのが特徴という。各デバイスの管理はクラウドベースの「ノートン マネージメント」コンソールから可能だ。ライセンス期間の更新手続きもそれぞれのデバイスごとに行う必要はなく、一括で行えるほか、デバイスを買い換えた場合にOSが異なっていても台数制限内であればライセンスの移行も同コンソールからスムーズに行えるとしている。

「ノートン マネージメント」コンソール画面

 シマンテックでは、ノートン 360 マルチデバイスの発売に合わせて、3000円分のギフト券をキャッシュバックするキャンペーンを2013年3月31日まで実施する。

 また、キャンペーンキャラクターに歌手・俳優のGACKTさんを起用。あらゆるシチュエーションでデバイスを活用して“ノマドライフスタイル”を楽しんでいる主人公をGACKTさんが演じ、マルチデバイスを積極的に活用しているコアユーザー層に訴求していくという。9月21日からはテレビCMもオンエアする。

「ノートン 360 マルチデバイス」プロモーションコンセプト

バージョンレスになった、新しいNISもラインナップ

 「ノートン」シリーズの新製品としてはこのほか、Windows対応の統合セキュリティソフト「ノートン インターネットセキュリティ(NIS)」(ライセンス期間1年/3台、6480円)とウイルス対策機能のみに絞った「ノートン アンチウイルス」(ライセンス期間1年/3台、4980円)もラインナップしている。

「ノートン インターネットセキュリティ(NIS)」メイン画面

 ノートン 360を含め、いずれも今回の新製品ではセキュリティ対策のコア技術を強化。従来より搭載しているダウンロードファイルの安全性を評価するレピュテーション機能「ダウンロードインサイト」に加えて、同様にウェブサイトを評価する「Webインサイト」を搭載した。アクセスしようとするサイトに対して、最近公開されたサイトか、ユーザー数が少ないサイトか、個人情報の入力が発生するか――といった観点から総合的に詐欺サイトかどうか判断し、ユーザーに注意を促す。

「Webインサイト」の通知画面

 起動・シャットダウンの高速化や、電力消費の改善も行った。また、Windows 8においては、同OS上でMicrosoftの「Windows Defender」を実行した場合に比べて、処理速度が50%向上し、また、Windows Defenderで検出できなかった脅威も、ノートン製品では100%検出できたとのテスト結果もあるとしている。このほか、ユーザーインターフェイスは、タッチインターフェイスに合わせたタイル状のデザインに変更した。

Windows 8の「Norton Studio」画面

 なお、NISおよびノートン アンチウイルスは従来、新製品が発表されるごとに「2012」などの年号を付した名称で投入されてきたが、今回よりなくなった。バージョンレスというかたちをとっており、アップデートもバックグラウンドで行われ、再起動も不要で使い続けられるようにしたという。

 また、Android対応のノートン モバイルセキュリティについても今回、最新版へアップデートしており、これまで別アプリ「ノートン アンチセフト」として提供していた紛失・盗難対策機能も統合し、使い勝手を向上したという。具体的な時期や価格は未定だが、追って、新しいノートン モバイルセキュリティの単体販売も行う予定。


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(永沢 茂)

2012/9/19 20:13