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OKI、「OKI MediaServer」によるIPv6映像配信実験

 沖電気工業株式会社(OKI)は12日、ITU-TのIPTV標準を普及させる活動の一環として、映像配信システム「OKI MediaServer」を用いたシンガポールとフィリピンの2カ国へのIPv6映像配信と、IPTV関連技術を利用した4K映像の配信、インターネット上のサービスと連携した新しいIPTVアプリケーションの可能性を示す実験を実施し、成功させたと発表した。

 実験は、複数のソフトウェア制御ネットワーク(SDN)技術を用いた映像配信を行う、独立行政法人情報通信研究機構(NICT)主催の「さっぽろ雪まつり映像配信実験」において、2月5日~7日に実施した。

 IPv6映像配信実験では、北海道テレビ放送株式会社(HTB)が開発したLIME標準仕様のコンテンツを、OKI MediaServerで配信する映像配信実験環境「ITU IPTV IPv6 Global Testbed」を用いて配信。これまで配信を実施してきた、スイスのITU-T本部およびアラブ首長国連邦ドバイに加え、IPv6環境が未構築のフィリピンに対してもIPv6 over IPv4機能を用いることで配信を行った。

 4K映像配信実験では、OpenFlowテストベッドの「RISE」により、1端末につき120Mbpsの配信を札幌から大手町とシンガポールの2カ所に対して実施。MEDIAEDGE株式会社が開発した4Kエンコーダ製品の出力を、IPTVのヘッドエンドに入力して同社の4Kデコーダ製品に向けて配信し、株式会社東芝製の4Kテレビで各拠点間での視聴検証を実施した。

 IPTVアプリケーションの新しい可能性を示す実験では、IPTVの映像とそれに関連したTwitterの情報を同時に表示する、NTTコミュニケーションズ株式会社が開発した技術の検証を実施。また、株式会社アステムの提供するインターネット上の字幕サービスのコンテンツを利用し、LIMEのインターネット連携機能で、IPTV映像コンテンツの進行に同期をとって配信することで、視聴者側の端末から選択した言語で視聴するサービスの検証を実施した。

 OKIでは、今回の実験結果を踏まえ、テストベッドによるIPTVの普及対象範囲を拡張していくと説明。今後も市場ニーズに合わせた機能の拡張や、拡張した機能の標準化の推進、普及活動を行い、国内外のサービス事業者にとって魅力ある映像配信プラットフォームの事業展開を進めていくとしている。また、今回の実験の一環として、4月22日~25日に京都大学で開催される「ITUカレイドスコープ会議」で映像配信展示を行う。

(三柳 英樹)