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「Yahoo! JAPAN景気指数」策定、検索ビッグデータでいち早く景気分析

 ヤフー株式会社は16日、ポータルサイト「Yahoo! JAPAN」の運営を通じて蓄積したビッグデータをもとに景気分析を行い、その結果を指数化して発表した。「Yahoo! JAPAN景気指数」と名付けられており、2005年を「100」とした場合、2013年3月の予測値は「91.9」だった。

内閣府発表の景気動向一致指数と相関性が高い検索キーワードを選び出し、それらの検索回数などをもとに「Yahoo! JAPAN景気指数」を算出した(発表資料よりグラフ転載)

 ヤフーでは、検索や広告のユーザー利用動向を匿名化した上で、「ビッグデータ」として日々蓄積している。これまでにも、衆議院選挙、冬季のインフルエンザ流行、東日本大震災2周年に際して、ビッグデータをもとにした調査結果を発表しているが、今回は「景気」を分析テーマとした。

 景気については、内閣府が毎月「景気動向指数」を発表しているが、今回はその中の「一致指数」の変遷に近似した推移傾向の検索キーワードをヤフー側で調査。その結果、75億語中、206語の関連性が高かった。一例として、「ターニングポイント」「年収1000万円」といったキーワードが数多く検索されるときは景気と正相関(好影響)し、対して「ろうきん」「帝国データバンク」などが検索で頻出すると景気に負相関(悪影響)していたという。

 3月分の景気動向一致指数はまだ政府発表されていないが、ヤフーではビッグデータ分析をもとに「91.9」という値を予測した。後日発表の正式値と誤差が出る可能性もあるが、政府発表の前にいち早く「景気の今」を把握する手法として、ビッグデータが役立つのではないか、としている。

(森田 秀一)