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米Yahoo!、Summly買収後1カ月で要約技術をiOSアプリに統合

 米Yahoo!は22日、iOS向け「Yahoo!」アプリのバージョン3.0を米国内向けに公開した。新バージョンでは、Yahoo!のニュース要約とパーソナライズ表示、動画、画像検索機能が改良されている。

 特に注目されるのは、3月25日に買収してから1カ月すら経過していない、英Summlyの文章要約技術を既に組み込んだことだ。

 Marrisa Mayer CEOは発表文の中で、「新しいYahoo!アプリは、Summlyの自然言語処理と機械学習アルゴリズムを記事の要約を表示するために使用することで、より賢くなりました。私たちがSummlyを買収してから1カ月経っていませんが、世界を一変させるこの技術をモバイル用途に応用できることに興奮しています」とコメントした。

 Marrisa Mayer氏はCEO就任以来、社内改革を行ってきたが、このスピードで買収企業の技術を組み込むことができたことは注目に値する。Yahoo!は5日前の4月18日にも、iPhone/iPad向けの天気/メールアプリの新バージョンを公開したばかり。さらに4月2日にはYahoo! MailとDropboxの統合を発表している。

 Yahoo!アプリには要約技術以外に、ニュースフィードの無限スクロール、画像検索のビジュアル強化、ニュースのパーソナライゼーション技術強化などの改良点も含まれている。アプリはiPhone/iPod touchに対応、米国内のユーザーのみに向けて提供されている。

 Yahoo!のSummly買収については、開発者である17歳の英国人高校生に注目が集まった。しかし、その後発表文を精査することにより、Yahoo!が知的財産権の買収を主たる目的としていたのではないかと推察されるようになった。Summlyのウェブサイトに「SRI Internationalは、Summlyチームの助けを借りてSummlyの背後にある要約技術を開発しました」と書いてあるからだ。

 SRI Internationalは、米AppleのSiri技術を開発したことで知られている。4月16日に発表された米Yahoo!の2013年第1四半期決算発表文ではSummly買収について、「買収の一環として、Yahoo!はSummlyの技術と知的財産権を取得し、モバイルコンテンツエクスペリエンス全体に渡って統合することを計画している」と説明されている。

(青木 大我 taiga@scientist.com)