ニュース

「μTorrent」で音楽ファイル違法アップロード、5人送検、高校生ユーザーも

 大阪府警察本部サイバー犯罪対策課などは、「μTorrent」を使って音楽ファイルなどをアップロードしていた男性5人を21日までに大阪地方検察庁にそれぞれ送致した。一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)が当日、発表した。

 JASRACが3月に告訴していたもの。μTorrentは、BitTorrent系の通信プロトコルを利用するファイル共有ソフトの1つで、人気が高いファイルほど高速でダウンロードできる特徴があるという。JASRACがBitTorrent系ファイル共有ソフトを悪用していたユーザーを告訴したのは初めて。

 被疑者は、大阪府内在住のアルバイト2人(23歳と33歳)、大学生2人(いずれも21歳)、高校生1人(当時、18歳)。JASRACが管理する楽曲の音楽ファイルなどを無断でアップロードし、不特定多数のユーザーに対して送信できるようにして著作権(公衆送信権)を侵害していたという。

 JASRACでは参考情報として、μTorrentでのファイル入手の流れや、“リーチサイト”の問題についても言及している。

 μTorrentでは、目的のファイルの所在情報(トレントファイル)を“トラッカーサイト”と呼ばれるウェブサイトから入手し、これを実行することで、実際にファイルを保有している人のPCなどに接続してファイルを入手する仕組み。今回の被疑者らも、まずトラッカーサイトにアクセスしていたという。

 一方、トラッカーサイトの運営者は検索機能を設けたり、アーティスト名やジャンル、ランキングなどでまとめるなどして、ユーザーが探しているファイルのトレントファイルを入手しやすいよう工夫しているという。

 トラッカーサイトのようなコンテンツのリンク情報を収集しているサイトはリーチサイトと呼ばれ、著作権侵害コンテンツへのアクセスや違法ダウンロードを助長しかねないサイトも少なくないのが現状だとJASRACでは説明。リーチサイト運営者の多くが広告料収入を得てサイトを運営していることなどを踏まえ、政府の知的財産戦略本部や文化庁の文化審議会などで対策が検討されているとしている。

(永沢 茂)