ニュース

軍艦島の「ストリートビュー」公開、住戸内部を含む立入禁止エリアも撮影

 グーグル株式会社は28日、「軍艦島」として知られる長崎県長崎市の海底炭坑跡の島・端島の「ストリートビュー」を公開したと発表した。

 端島は現在、一部に上陸が認められているが、グーグルでは今回、長崎市の協力により、立入禁止エリアを含めて島全体を撮影したという。バックパック型のストリートビュー撮影機材「トレッカー」を使い、2時間程度かけて島内を歩いた。

 廃墟となった集合住宅の外観だけでなく、内部もフロアごとに撮影されている棟もある。住戸内の白黒テレビやソーダの瓶がそのまま残っている様子も見られるとしている。

「ストリートビュー」の公開範囲(青いライン)。フロアごとに撮影された棟の位置は、オレンジ色の丸で表示されている。そこにペグマンをドラッグ&ドロップすれば、その棟の内部に入ることができる。海上部分にもラインがあるが、これは昨年秋に船から撮影・公開していたもの(2012年10月12日付の関連記事を参照)。そのほかの青い点は、Panoramioなどに投稿されている写真が見られる地点
通常の観光ツアーで見学できるエリアはごく一部に限られる。立ち並ぶ高層集合住宅の間や内部まで歩き回れるのは「ストリートビュー」ならでは
こんながれきの上もあちこち進める

 グーグルでは、「長年、海風や台風にさらされた端島は、少しずつその形を失いつつあります。ストリートビューで撮影したパノラマ画像が、端島の今を留めるデジタルアーカイブとなり、未来の世代にその姿を伝える資料となることを願っています」とコメントしている。

YouTubeで公開されている動画には、「トレッカー」などを使って島内を撮影している様子も収められている
この画像にある「トレッカー」だけでなく、建物内部の撮影では、三脚を立てて一眼レフカメラで撮影する「おみせフォト」と同様の方法も用いられたようだ

(永沢 茂)