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「セキュリティは簡単であるべき」を目指す団体、GoogleやDropboxらが設立

 テクノロジーに詳しくないユーザーでも簡単に使用できるセキュリティツールの開発・普及を目指し、米Googleや米Dropboxらが19日、非営利団体「Simply Secure」の設立を発表した。

 Simply Secureはオープンソースツールに限定するかたちで、セキュリティツールのユーザビリティと安全性向上を目指し、オープンソース開発者や、ユーザビリティ専門家を含むデザイナー、セキュリティ研究者らと協力していく。

 今後数カ月中に協力するプロジェクトの具体例として、暗号化電話のOpen Whisper Systems、暗号を含むプライバシー保護やセキュリティアプリ開発プロジェクトのGuardian Project、安全なメッセージングアプリのOff-the-Record Messagingを挙げている。

「Simply Secure」公式サイト

 Simply Secureでは、セキュリティやプライバシーがインターネットに不可欠であることを大前提とし、その上でセキュリティとプライバシーは直感的かつ簡単に操作できなければ人々は使わないため、結果的にうまくいかないことは明白だと認める。それゆえにユーザビリティが鍵となること、また、わざわざ安全なサービスを選ばなくても今使っている既存のサービスを安全に使用できるようにするべきだとの原則を掲げる。

 そのために、ソースコードが公開されているオープンソースプロジェクトに対象を限定している。インターフェイスとソースコードの第三者による公開監査も行うという。

 Simply SecureのディレクターはGoogle社員でプロダクトマネジャーのSara “Scout”Sinclair Brody氏が務める。また、Google、Dropbox、非営利団体でインターネット上の言論の自由を守るために設立された「Open Technology Fund」が財政的支援を行う。

 Simply Secureのアドバイザーとしては、GoogleのセキュリティエンジニアでOpenSSLコアメンバーでもあるBen Laurie氏、テクノロジー活動家で作家のCory Doctorow氏、ウォータールー大学教授でOTR暗号化プロトコル作者のIan Goldberg氏、W3C Policy CouncelのWendy Seltzer氏はじめ、著名なセキュリティ研究者らが名前を連ねている。

 Simply Secureでは金銭を含むさまざまな支援を歓迎している。また、Twitterアカウントやメールアドレス登録により配信されるニュースレターにより活動の進展を公開していくと説明している。

(青木 大我 taiga@scientist.com)